第89話

「着替えようぜ、史人〜」

次は体育の授業です。

「おぅ」

「あ、体育委員何か書いてるわ」

ゲッ。まじかよ…。

「次の体育マラソン練習でーす」

\えー/

「まじかよ、俺マラソン苦手〜」

「俺も苦手だよ」

「史人は早いじゃーん!」

「疲れるから俺だって嫌いだよ」

「あぁ、マラソン練きらーい」

「智も割と早くね?」

「めちゃくちゃ速ければやる気出るんだよー。中途半端に速いとか…だりぃわ!」

「どっちにしろ、だりぃ。あー、行きたくね〜」

「はぁ〜、行くかぁ」

長距離を走るのは苦手です。


「よーし、いつものコースで走って来いよ〜。歩くんじゃねぇぞー、タイム測るかんな〜」

\はーい/

あー、始まるわぁ…。

「よーい、ドン!」


あー、ゴールもうすぐかな…。めっちゃ疲れた、もう歩いてもよくね? 俺何で長距離速いんだよー。はぁ、学校入った。変に速いの嫌だわ〜、今2位だし。歩きてぇ…。

「ふーくん! 頑張れ〜!!」

疲れすぎてさくらの声聞こえるわ。

「もうちょっとだよ〜!」

ん? まじでさくらいる!? 女子外でやってたのか。おぉ、さくらに応援されるとやる気出るわ〜。ちょっと手なんか挙げちゃったりして。

「頑張れ〜」

ふぅー、ゴールした。


「智、お疲れ」

「もぅ、無理だわー」

智もゴールして休憩中です。

「史人速くね!? 絶対追いつかねぇ」

「まぁ…速いのかもな」

「女子が“史人くんかっこいい〜(ハート)”って騒いでたわ」

「は? 2位だぞ」

「さすがさくらちゃんにしか興味のない史人くんだわ〜」

「うっせぇわ」

「お前モテるんだぞ」

「まぁ、うん」

「うぜぇ…」

「好きな子にモテれば良くね?」

「…まぁ、俺もその気持ちはわかるようになった」

彼女ができて学んだか、智…。

「だろ、ってか彼女さんに応援してもらえば?」

「おぉ、なるほど! それは元気でそうだわ!」

「応援で乗り切るしかねぇよなー」

「ふーん、さくらちゃんに応援されて元気になったって訳か」

「は!? ち、違うし」

はい、めちゃくちゃそうです。

「バレバレだわ〜、俺も彼女に応援してもらっちゃお」

「なんだよ、リア充が!!」

「あはは、史人も早く告白しろ〜」

「す、するわ! そのうち」

「ずっと言ってるじゃん。あ、そろそろ教室戻ろうぜ」

「おい、待てってー」


俺だっていつかはさくらと…。告白しないとな…。

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