第84話 【智の恋】

「ラーメン美味しかったー! ハジメさんもいい人だね〜」

「よかったです! 美味しいし、楽しい店ですよね」

「うん! また行こ〜」

先輩もラーメン好きだったみたいでよかった。食べ物とか女性に合わせなきゃって思ってたけど、2人で好きなもの教え合うのも何かいいかもな。

「次どこ行くー?」

「先輩見たいお店とかあります? 服とか」

「いいね〜、服見に行きたい! 智くんが選んでくれるの?」

おぉ、俺のセンス…!! いや、俺が着て欲しい服を言えばいいのじゃないか?

「センスないっすけど、ちょっと選んでみたりしますかー!」

「うふふ、ありがと。行こー!」

そういえば…先輩って呼んだままにしちゃってるけど。名前…とかで呼ぶべきなのか?


「あ、この店の服好きなんだ〜。入ってもいい?」

「うん、入ろ」

「お、タメ口できてる」

「いちいち言わないで下さいよ! タメ口しづらく…なるでしょ」

「うふふ、はーい!」

無邪気に笑う先輩がかわいすぎる!!

「このTシャツかわいい〜、そろそろ暑くなってくるしー」

「5月なのにもう暑いよね。その服かわいいっすね」

「お、気に入った? 智くんも私に服選んでね〜」

「うわぁ、プレッシャー…」

「オシャレなのとかじゃないよ〜。智くんが着て欲しいやつ! 大丈夫、私の好みから大外れしてたら買わないから!」

「よかったー、でも買われないのも切ない」

「うふふ、変なのじゃなかったら買うー! 彼氏の好きな服…とか着てみたいもん」

「そうっすか…。嬉しいっす、全力で選びますよー!」

照れてんのかわいすぎかよー! 彼氏って…彼氏って。彼氏でーす! 俺の心の声うぜぇ☆


「智くんの選んでくれた服、めっちゃかわいかった〜」

「そうっすか、よかったです」

「かわいすぎて、私着れるか戸惑った〜」

「めっちゃ似合ってたよ」

「ほんと〜、智くんが褒めてくれるから買っちゃったー。次のデートで着ちゃおうかな〜」

さらっと次のデートの話をしてくれるのめちゃくちゃ嬉しい!!

「よっしゃー! 次も楽しみだな〜」

「えへへ、照れるなぁ」

あ。

「まぁ、俺先輩と入れたらそれだけでめっちゃ嬉しいですけど」

ちょっと照れちゃったけど、俺決まったんじゃない?

「あはは、カッコつけちゃって〜、ありがと」

「あははー、はい」

あー、カッコつけちゃったか…。

ん? 先輩顔赤い…、今の照れ隠しかよかわいすぎんだろー!!

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