第31話

「最近ねぇ、ネットの恋愛小説にハマってるの〜」

帰り道は何気ない話をよくします。今日はさくらのハマっているものの話が始まりましたね。

「へー、面白いの?」

「もうね、恋!! って感じ! わかる?」

「それでわかったら俺のこと天才って呼んでほしいわ」

「わかんないか〜、うーん。恋したくなるなぁって感じの甘酸っぱい恋のお話なの〜。素敵すぎて何回も読み返しちゃう! 早く次のお話出ないかな〜」

俺は絶賛酸っぱい恋、してますけどね…。恋したいなら隣の幼馴染なんていかがですか?

「ふーん、青春! 恋! って感じの話なわけね。何回も読みたくなる話いいよなぁ」

「お、ふーくんもある?」

「俺は動物系好きだな。泣けるやつもいいし、動物が喋るとかもいいよなぁ」

「女子か! ふーくんかわいい〜」

笑われてる…。

「う、うるせぇ。男がそういうの好きでもいいだろ」

「あはは、ごめんごめん! 悪いんじゃなくて動物好きなの変わらないなぁって、ふーくんかわいいなぁって思ったんだよー!」

「男にかわいいは褒め言葉じゃないんですー」

さくらの方がかわいいし。

「えー、褒めてるのにー」

「はいはい、ありがとうございますよー」

「どういたしましてー」


「今日もありがと、また明日〜」

「おぅ、じゃあな」


毎日送り迎えする幼馴染との恋なら甘酸っぱいくていいと思いますけどね。

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