第24話 魔物の軍勢
血生臭い異臭と、布がなければとても人間とは思えない形に変形した遺体から発せられる腐敗臭が、この地一帯に漂い、嗅覚が異常をきたしてた。もはやこれが普通であると錯覚してしまう程に。
「いけぇ!進めぇぇぇぇえ!!」
激しい閃光が輝き、身を焼き焦がす。一部が灰と化したそれは、果たして人間なのか魔物なのか。それすら判別ができない。
通常種と比べ、残虐性、攻撃性が高く、また単なる意志疎通ではなく連携を取るようになっている。
だが、それより早く
素早い回転で奴らの胴体に深い切り傷を三つも与え、その勢いで奴らは瓦礫に激突し灰になって消えていく。
「フゥゥゥゥ───」
溜め込んだ息を吐き出し、次の敵へ。
刹那、人間の死角である背後にイビル・コボルトが一体現れ、
この魔法は【
イビル・コボルトは炎の狼に喰い千切られ、無残な姿になってその場に朽ちる。身体は灰へと変わり、何処吹く風が拐っていく。残ったのは、月明かりに照らされる紅色の魔鉱。
「【天ノ羽衣・
コンクリートが割れ、周囲の敵を置き去りにし遅れて奴らは血を噴き倒れていく。
「【冥剣技式【
黒い輝きを放ち、眼前に迫る
呼吸は深く、一定となり、体内の魔力と混ざり合う。混ざった魔力は次第に強くなり、膨張する。抑え込むように、即座に剣身に刻まれる術式へと流し、様々な技式を繋いで連撃を繰り出す。
仲間の学生達だけでなく革命軍の面々ですら、その猛進っぷりに驚愕の表情を浮かべ、同時に勢いづいていた。
激しく揺らめく剣の軌跡は、辺りのイビル・コボルト達を一掃し、親玉目掛けてなぞられる。
一気に飛び上がり、大剣を上段に構えて身体から魔力を流し、紅輝を放ち術式が起動する。冥剣技式【
「ッ!?」
驚愕の声を押し留め、すぐにバックステップで後退し大剣を構え直した。
ローブ型の制服を着た第二の生徒達が、魔法の一斉掃射をする。六色の輝きが奴を襲うが、身長以上の赤く禍々しい大剣の一振りで全てが無に還った。
「ウガルゥオオオオオオオ────ッッ!!!」
空気が揺らぐほどの咆哮を上げ、自身の存在をアピールし、それに鼓舞されたイビル・コボルト達が剣を天に掲げる──────それはまるで人間の様に。
「魔凰師と剣星師達は雑魚共を相手にしておけ!他は
先陣を切ったのは
「おい!それくっっっそ硬いぞ!!」
「ぜりゃああああッ!!」
鬼気迫る声と共に走る刃は、奴の下腹部に突き刺さり真っ黒な血が小さく流れる。だが、刺さったと言えど、僅かに剣先がという程度だった。それ程までに奴の体は硬く強靭ということがわかる。
小さく舌打ちをして、奴から振り下ろされる巨大な刃を後ろに飛ぶことで寸前に回避し、
銃奏師達は即座に銃口を奴に向け一斉掃射したが、大剣で弾かれるでもなく、銃弾はそのまま体へと命中。だが、どれだけ奴に当たろうとその全てが防弾チョッキにでも当たったかのように弾かれ、地面に零れ落ちた。
それを合図に
領域を統べる英雄譚(更新停止、リメイク投稿中) NoiR/ノワール @SY-07
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