第345話

Nao side.01



私は秘密裡に進めていたイベントを発動させる。イベント会場に大きく書かれた名前の紙を見てニヤリと笑い私は水希から離れた。

望と恵梨香と放送部に協力してもらい発動する後夜祭のイベント。私が楽しみにしていたメインイベントは今から始まる。


モテ女コンテストは私にとって序盤に過ぎない。私は優希、水希、真里ちゃんがグランプリを取るだろうと分かっていた。

だから、前もってこの3人を使ってのイベントを考え今動き出す。望も恵梨香もノリノリで協力してくれて頼もしいパートナーだ。


まず、一番目にやる事は優希、水希、真里ちゃんをイベント会場から引き離すこと。

私は田村さんと朝倉さんを使い、まず水希を遠くに行かせることにした。そして、私が水希の見張るため手伝い、優希には望、真里ちゃんには恵梨香を付け遠くに誘導させた。


なぜここまでするのかって、勿論今から始まるイベントをまだ内緒にしたいからだ。

別にバレたからってイベントを中止にはしないけど私は効率よく進ませたい。

ステージには3つの机と椅子が置かれ、クイズ部に借りたボタンと帽子が置いてある。


今から始まるクイズイベントが楽しみだ。勿論、私は普通のクイズなんてしない。みんなが盛り上がるクイズを考え、回答者の3人も楽しめるクイズを考えた。

流石に3人にも楽しんでもらわないと可哀想だから、商品と罰ゲームを用意した。クイズは本気でやらないとつまらないからね。



「さぁ!皆さん!後夜祭が始まりますよー!皆さん集まって下さい〜。そ・し・て、回答者のモテ女コンテストでグランプリを受賞した佐藤先輩、高瀬生徒会長、佐々木さんステージにどうぞ〜。今から、商品と罰ゲームを掛けたクイズイベントが始まります!」



楽しいBGMが場を盛り上げる。名前を呼ばれた3人は諦めるのが早くため息を吐きながら渋々ステージに上がっていった。

流石の3人だ。駄々をこねても、嫌がっても強制参加は止められないと悟るのが早い。

私はニヤリと笑い、望と恵梨香と合流する。3人でハイタッチし笑い合った。



「文化祭って裏方が一番楽しいよね〜」


「それは菜穂だけだよ」


「えー、望もノリノリじゃん」


「まぁ、楽しいっちゃ楽しいけど」


「ねぇ、菜穂。罰ゲームは本当にあれでいいの?」


「勿論よ。あれくらいやらないとつまらないし恵梨香も楽しそうに用意してたじゃない」


「まぁね。出来れば、水希に罰ゲームを受けて欲しい。面白いのが見れそうだし」



私の妹、高瀬水希は我が妹ながら生まれ持ったキラキラとしたオーラを持っている。

才色兼備の私と違い平凡な妹だけど周りを惹きつける魅力を持ちモテる。

だけど、タラシがモテるとタチが悪い…天然だし。どれだけ私が中学の時から水希の尻拭いをしたか、水希は私に感謝が必要よ。


水希は知らないモテぶりを語りたいけど、長くなりそうだ。今から後夜祭が始まるし…でも、どれだけ私が大変だったか語りたい。

私は…水希を見張る為に同じ高校に入学させた。私と違い勉強嫌いだし、覚えの悪い水希に必死に勉強を教え合格させた私は偉い。

でも、あの水希を1人で違う高校に行かせると危ないと思った姉心で頑張れた。


水希は私をよく女王様と言うけど、私からしたら水希は天然のプレイボーイで自分がモテると分かっていなかった。

特にあの笑顔でどれだけの女の子を落としてきたか知らない。あの笑顔は男の子には効かないから生粋の女タラシね。


そして、水希は優しさの塊と言われている。純粋で裏のない優しさで、あの優しさを知ったら他の人の優しさと比べてしまい水希のせいで恋が出来ないと姉の私は散々文句を言われた。何で、私が水希のことで文句を言われないといけないのと言いたい。


私からしたら平凡な妹でしかないし、女タラシでタチが悪く、私に迷惑をかける妹でしかない。まぁ、私の言うことをよく聞くから助かってるし、ちゃんと妹は可愛いわよ。

さぁ、話は戻って妹の水希の中学時代の話をしましょう。覚えてるかしら?水希が中学時代に貰ったチョコレートの数。


12個。実はこの数字は正確な数字ではない。水希の机に入りきれなくて、沢山のチョコが水希の手に渡らなかっただけ。

私の中学校はお菓子などの持ち込みが禁止で見つかったら没収されてしまう。だから、机に入りきれなかったお菓子は没収された。

私は風紀委員をしており、先生に没収されたチョコレートを持つのを手伝わされた。


その中に水希宛のチョコが沢山あり、私はため息をついた。先生にも、妹のモテぶりを揶揄われたし、なぜ水希がモテるのか分からないから苦笑いしか出来なかった。

私の予想では水希が中学時代の最高個数は30個。芽衣ちゃんは大変ね、、こんなタラシを恋人にして。だから、水希の姉として私は芽衣ちゃんを守り、水希を見張ると決めた。


水希は誰にでも対等に接し、、ってまだまだ話し足りない。でも、どうしようかしら…

ページ数が!


ってことで、 To be continued。

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