第340話

「さぁ、まずはバスケ部のエースで最強イケメン3年の佐藤優希先輩の告白になります。私は既にドキドキして最高潮に興奮しております!因みにジャッジの仕方は御三方の告白した後の声援と拍手で決まりますのでよろしくお願いします!それでは、どうぞー!」



ひかるが緊張した面持ちで佐藤先輩の前に立っている。流石、イケメン×美女で絵になる。

みんな、あまりにもお似合いの2人に興奮の嵐だ。ある意味阿鼻叫喚の絵になってきた。

あぁ、、佐藤先輩が片膝をつき、ひかるの手を握る。これは…ディズニー映画で見る王子様がお姫様にプロポーズする構図だ。


佐藤先輩がひかるを見つめ、「僕と付き合ってくれるかい?」と本当の王子様みたいな告白をした。これは…マジで発狂ものだ。

みんな、ギャー・キャーと叫び、特に佐藤先輩のファンの絶叫が凄い。

ひかるも顔を真っ赤にしめちゃくちゃ照れている。ごんちゃんは、口をへの字にして悔しそうだ。でも、気持ちは分かるよ。



「ひかるちゃん、返事を聞かせてくれるかな?」


「えっ…あの、、はい///」



流石の佐藤先輩。まさか、アドリブでひかるの返事まで聞いてくるなんてカッコ良すぎる。私も佐藤先輩にあんな告白されたら速攻でOKするだろう。お客さん達はみんな目をハートにし、最強の告白に酔いしれている。


ごんちゃんは相変わらず口をへの字にして少し落ち込んでいる。佐藤先輩がライバルだったら全校生徒が戦っても負ける自信がある。

それぐらい佐藤先輩はイケメンでスポーツ万能で優しくて、全く勝てる自信が持てないぐらい全てがパーフェクトな人だ。



「・・・はっ!す、、素晴らしい告白でしたね!私はディズニーの映画の世界に入り込んでしまったと勘違いしそうでした。

カッコ良かった…羨ましいです。私も佐藤先輩にあんな告白されてみたい。おっと、話がそれちゃいましたね。いや〜、一番手の佐藤先輩の告白があまりにも強い。これは佐々木さん、高瀬生徒会長にとって強敵ですね!」



強敵の佐藤先輩を一番手にしてしまい…あまりにも声援と拍手が凄すぎて真里ちゃんが佐藤先輩に戦いを挑むのが大変そうだ。

私なんて最後で、、オチ要員でしかない。会場のボルテージが佐藤先輩の告白でめちゃくちゃ上がり秋なのに夏の暑さを感じる。



「さぁ!二番手は1年の佐々木真里さんです!佐々木さんはバレー部の期待のエースであり、生徒会では庶務を務めています。

そんな文武両道の佐々木さんがどんな告白をするか楽しみです。それでは、どうぞ〜」



司会する放送部の子が期待値を上げるから、真里ちゃんが苦笑いしている。それに、真里ちゃんはひかると色々あって噂の2人だ。

だからこそ、ごんちゃんの眉間に皺が寄り更に悔しそうな顔をした。やっぱり、恋人が他の人に告白されるって嫌だと思う。



「竹本先輩…あの、、大ちゅき、、あー、、噛んじゃった。あの、大好きです!私と付き合って下さい!よろしくお願いします」



告白を噛んだことに落ち込みながらも、最後はバシッと決めた真里ちゃん。純粋さが凄く伝わってきて見ていて微笑ましい。

お客さん達も母親になった気分で2人を応援している。頑張れーと聞こえてきて、温かい雰囲気になった。ひかるも笑いながら「はい」と答え、ほっこりする。



「なんて、純粋で可愛い告白でしょうか!年下の子にこんな告白をされたら私は速攻でOKする自信があります!

これは、接戦になりそうですね…私は一番を決めきれる自信がありません!そして、最後の高瀬生徒会長の告白が楽しみです。

最後にぶちかましてもらいましょう!皆さん、ハイテンションで楽しみましょうねー!私は明日倒れるテンションでずっとやっています」



この最高潮に盛り上がった時に私の告白する順番が来た。これは、非常に辛い。

それに私は2人の告白を見入ってしまい何も考えていなかった。どうしよう、、オチ要員なのに笑かす告白が何も思いつかない。


ごんちゃんがいい感じに落ち込んでるけど、私は…どんなオチを付けたらいいのだろう。

それなのに、司会の子が私を煽ってくる。必死に考えているけど何も思いつかず、声援が大きくなりお腹が痛くなってきた。



「さぁ!さぁ!次は我が校の生徒会長であり、軽音部のボーカルを務めました高瀬水希の告白になります。高瀬生徒会長は1年の頃から生徒会に入り、去年の体育祭では素晴らしい走りを見せ、密かにファンクラブが出来るほど人気者です。私は特に高瀬生徒会長の笑った顔が大好きで笑顔のファンでもあります。あの笑顔はズルい!私同様、笑顔に虜になった人が続出したと聞いてますから罪な人です。さて、それでは高瀬生徒会長の告白になります!どうぞーーーーー!」



頑張って聞いていたけど、一言だけ言わせて欲しい。私の紹介文が長すぎるわ!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る