第337話
ミクロモザイクを楽しく歌いきり、芽衣を思いながら歌い心が充実している。
二曲目のThe Ghost on the Shoreも楽しく歌え最高の気分だ。私のテンションが上がっていき、体も心もノリノリになる。みんなの前で歌っているけど恥ずかしくない。
こんなにも笑顔で歌えたことが楽しくて、歌うことがこんなに楽しいって初めて知った。
お客さんもみんな楽しそうに聞いていて、声に出して喜んでくれる。
二曲とも歌いきった私は興奮状態のまま、一度芽衣を見る。芽衣と目が合いまた笑顔になる。芽衣も笑顔で更に嬉しい。
「二曲続けて聴いて下さりありがとうございます!次の二曲は新曲になります。一曲目はバラードで高瀬水希が作詞しました。二曲目は私が作詞しノリノリで盛り上がる曲なのでぶち上がりましょ〜。先ずは初めてのバラード曲になります。それでは聞いて下さい。ミルクとマシュマロは合うのかな?」
この曲は私と芽衣が付き合いだしてからの思いを書いた歌詞の曲。ミルマロが私と芽衣の距離を近づけ、仲良くなるきっかけを作ってくれた。喧嘩をしながら仲良くなり、大事な親友になり、意識して、初めての恋をした。
ミルクとマシュマロの組み合わせは今も苦手だけど、私達の恋のキューピッドだね。
私にとって意外性の組み合わせが引き寄せる
ごんちゃんには悪いけど、この曲を一番心を込めて歌う。私から芽衣へのプロポーズ的な意味があるから。キザで照れくさいけど、まだちゃんと言葉として伝えるには早いと思うから歌で気持ちを伝える。
恋は楽しくて笑って、辛くて泣いての繰り返しだ。色んな感情で毎日を過ごし、私と芽衣は成長していく。
ミルクとマシュマロが合わさった
甘い香りの恋をした
芽衣の目が潤んでいて、私の愛が伝わったと思っている。もし、伝わってなくても私は何度でも伝える。想いが強すぎて、芽衣に気持ちを伝えたくて仕方がないんだ。
キャー
「拍手ありがとうございます。次で最後の曲になります。この曲はとてもノリが良い曲で、ボーカルの高瀬水希もノリノリで歌います。花に例えると君はブルースター!」
初めて楽器を弾かずにみんなの前で歌う。緊張するけどごんちゃんとひかるの為に頑張ると決めている。
スタンドマイクの前に立ち、私はごんちゃんのギター音に合わせ体を揺らす。
ノリノリのメロディーにお客さん達も体を揺らし私達の名前を楽しそうにコールする。
軽音部のメンバーの名前のコールが沢山聞こえてきて、私達もお客さんも更に盛り上がっていき野外ライブ感が半端ない。
私も芽衣やお姉ちゃん達に名前を呼ばれて嬉しい。ごんちゃんもひかるにまーちゃん!って呼ばれて顔がニヤけている。
ブルースターの花言葉は幸福な愛。ごんちゃん、ひかるを幸せにしてね。私と芽衣とさわちんとお姉ちゃん達が見張っているよ。
ひかるは優しくて可愛くてみんなから愛されている。男性にもモテるし、、でも、そんなひかるはごんちゃんを好きになり両思いと分かりめでたく交際に発展した。
ひかるの心をゲットしたごんちゃんに私からこの幸せ者め!と言う賛辞を送るよ。
随分前に私がごんちゃんの運命の相手は学校にいるかもよと冗談で言ったことがある。
でもまさか、本当に学校にいて驚いた。ごんちゃん、良かったね。私も嬉しい。
君は眩い光で私を照らしてくれる。ブルースターのようにHappyな愛で私を輝かしてくれる。君に出会えて良かった。
「皆さん!大変素晴らしい演奏と歌声でしたね!えっと、ちゃんと録画は出来てるよね?出来てないと本気で怒るよ。あっ、すみません。放送部の先輩として後輩の指導してました。さぁ、皆さん軽音部とボーカルを務めました生徒会長の高瀬水希に盛大な拍手を!」
私の中の一大イベントが終わった。一気に疲れが出てきて早く芽衣に甘えたい。
だけど、みんなに囲まれ身動きが取れず芽衣と話せなくて人混みの波に飲まれてしまった。
ごんちゃんも人混みの波に飲まれ、ひかるの元へ行けていない。みんなに褒められるのは嬉しいけど、早く恋人に褒められたい。
芽衣が「頑張ったね」と言ってくれるだけで私は力が漲るし、やって良かったと思える。
私は必死に人混みをくぐり抜け、芽衣の元へ辿り着けた。芽衣!と声を掛けると芽衣が笑顔で来てくれて私も笑顔になる。
お姉ちゃん達も来てくれてみんなに褒められた。嬉しい、頑張って良かった。
「水希、カッコ良かったよ」
「芽衣の為に頑張ったよ」
私は幸せ者だ。好きな人達に囲まれ、青春を謳歌している。青春は一人では出来ない。周りのみんなに恵まれて学校生活が楽しい。
「水希、凄く良いライブだった」
「ひかる、ありがとう。あれ…ごんちゃんは、、まだ捕まってるね」
「うん…仕方ないよね」
ごんちゃんが色んな生徒と写真を撮っている。ごんちゃんはひかるの元へ早く行きたいと思うけど優しいから頼まれると断れない。それに、沢山褒められて嬉しそうだ。
ひかるが寂しそうな顔をしているのに気づいた芽衣がごんちゃんを呼びに行こうとしたけどひかるに止められた。
今日は文化祭で軽音部の晴れ舞台だ。邪魔をしたくはないのだろう。
嬉しさと寂しさが混合した表情でごんちゃんを見つめるひかるに私はおちゃらけ、みんなで笑いあう。楽しい日に暗い顔は寂しいから笑っていて欲しかった。
ずっと捕まってるごんちゃんを横目に私達は移動する。私が喉が乾いて水分補給するためと、ひかるのために。
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