第321話
Madoka.side(ごんちゃん×ひかる)
初めて好きな人のために誕生日プレゼントを買い、初めて好きな人にプレゼントする。
今まで何度か恋をしてきた。全て片思いだけど、本気の恋を二度した。
初めて本気の恋をした時、周りの景色がいつもと違う感じに見えて、恋の苦しみを知り、呆気なく失恋をした。
それに、私のこと好きでもないのにキスをするなんて酷い仕打ちだよ。
そんなこんなで、二度目の本気の恋をし私は燃えている。この恋は諦めたくないし、必ず実らせたい。こんなにも心が温かくなる恋は初めてで毎日好きが気持ちが募っていく。
恋は不思議だ。普通に話す仲で、意識なんてしてなかったのに真里ちゃんとアイドル談義をしひかるちゃんの可愛さに気づき(再確認した)…目で追うようになり、意識するようになった。そこからは怒涛のように急速に惹かれていった。
途中、水希が嫌いになりそうなぐらい惹かれて私だったらって、、何度も思った。
ひかるちゃんは水希が初恋で、ファーストキスも…めちゃくちゃ悔しい。好きな人とキスだなんて悔しすぎて水希がムカつく。
そんな邪な嫉妬を乗り越えて、私は動き出す。少しずつ距離を縮め、ひかるちゃんの誕生日に約束をし私の正念場を迎える。
誕生日に会ってくれるということは私にチャンスがあるってことだ。多分…。
駅でひかるちゃんと待ち合わせをし私は何度も携帯を見ながら時間が過ぎるのを待った。
1時間以上も前に着き、告白する言葉を何度も復唱する。前の恋は告白することさえもできずに振られた。
もし…振られるにしても今度はちゃんと気持ちを伝えたい。消化不良みたいな恋は嫌だ。
前の恋のせいで、今回は最初から全力で動き出す。見てるだけの恋が嫌で、諦めるだけの恋はしたくない。好きで、大好きだから。
「あの、、朝倉さん」
「あっ…ひかるちゃん」
「こんにちわ…」
「こんにちわ!あの…可愛いです」
「えっ…」
「あっ、、服!勿論、ひかるちゃんも!」
口が勝手に動く。だけど、思ったことを口から出たことによってひかるちゃんの反応を知れた。恥ずかしそうに照れているけど、嬉しいって言ってくれてよかった。
「それじゃ、行こうか」
「うん」
「海、楽しみだね」
「うん、去年ぶりで楽しみなんだ」
「水希達と行ったの…?」
「うん。だから、今年も海に来れて嬉しい。私ね、夏生まれだからかな、夏が好きで海が好きなんだ」
「私も海が好き!」
何気ない共通点が嬉しくて笑い合う。友達の関係では感じることができない嬉しさだ。
ひかるちゃんと電車に乗り、私達は初めてのデート(お出掛け)をする。
胸がドキドキする、隣にいるひかるちゃんが可愛くて私の心臓は高鳴りっぱなしだ。
「海ー」
「綺麗だねー」
「海見ちゃうと泳ぎたくなるね」
「ひかるちゃん。来年、、も一緒に海に行こう。次は私も泳ぎたいし」
「うん///」
車窓から見える海は水面がキラキラと輝き、初デートで海に来れて良かった。
2人で砂浜を歩き、、沈黙が続く。何を話したらいいのか分からなくなり、いつも水希達とは絶え間なく話すのに口が動かない。
早く好きと伝えたいと思う気持ちが私を焦らせる。どのタイミングで言うか悩んでいると他が疎かになり頭が回らない。
前、水希に告白は勢いだと言われた。でも、付き合う前にキスをするのはどうかと思う。
私は順番に進めたい。告白してお付き合いして手を繋いでとゆっくり進みたい。
だから、まずは告白して…告白をしないと進まないから私の口、動いてほしい。
無言の時間が私を追い詰めパニックにする。
「あの、、」
「はい…」
「あの、、お誕生日おめでとう!あの、、あっ、これプレゼントです!」
「ありがとう///。開けていい?」
「勿論!」
気に入ってくれるだろうかと心配になり、心臓が爆発する勢いでバクバクと動く。
お店で1時間程悩み決めたネックレスをひかるちゃんが手に取り笑顔を見せてくれた。
やっと悩んだ時間が報われる。ホッとして脱力して今にも倒れそうだ。
「朝倉さん、ありがとう。大切にするね!」
「良かった!めちゃくちゃ、、良かった」
「えっ、朝倉さん…」
「ごめん…ひかるちゃんが喜んでくれたのが嬉しくて涙が止まらない」
まだ大事な告白もしてないのに、先に泣いてしまった。ひかるちゃんは戸惑ってるし、涙を止めたいけど止めどなく流れる。
私の背中をさすってくるひかるちゃんとの距離が近くなり衝動的に手を握った。
「朝倉さん…」
「ふぅ、はぁ、、ひかるちゃん。あの…好きです。好きです、、好きです」
気持ちが高揚して必死に絞り出した告白の言葉。本当はもっと色々考えていた。
なのに、付き合って下さいも言えなかった。好きの二文字が精一杯の私の告白の言葉。
「私も好きです…朝倉さんが好き///」
「・・・やったー!!!やったー!!!」
恋って、恋ってめちゃくちゃ最高だ。好きな人と両思いと分かり、私は叫んだ。
また涙が出てくる。ひかるちゃんがハンカチを貸してくれて涙を拭くとやっとひかるちゃんの顔をちゃんと見れた。
「大切にするね」
「うん」
「可愛い…好き」
「ありがとう///」
好きな気持ちが溢れ、抱きしめたい衝動にかられたけど我慢する。それに、人気のない浜辺だけどちらほらと人はいる。
私達はお付き合い記念日として携帯で写真を撮った。笑顔のピース写真を撮れて幸せだ。後で水希に写真を送り自慢しなきゃ。
みんな、私に可愛い恋人が出来たよ。
竹本ひかる/17歳/趣味はお菓子作り
世界一可愛い私の彼女です!
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