第179話
生徒会の集まりが終わった後、芽衣とごんちゃんと3人でカラオケに行く予定だった。
でも、お姉ちゃんに捕まり早川先輩も行くと言い出し、結局5人で行くことになる。
普通、妹のお出掛けに着いていく?彼氏と別れて以来暇なのは分かるけど、、
「カラオケ、久しぶりだ〜」
「早川先輩、私もです///!」
ごんちゃん、早川先輩がいるから嬉しそう。でも、緊張もしているから見てて面白い。
張り切ってるな〜。自ら飲み物の注文をしてるし、顔と態度がデレデレしすぎだよ。
まぁ、でもごんちゃんの気持ちも分かる。私も生徒会に入らなかったら早川先輩みたいな美人すぎて近寄りがたい先輩と普通に話せないし、一緒に遊べなかった。
「菜穂、誰から歌おうか?」
「一番手はやっぱり水希でしょ。軽音部のボーカルなんだからね」
「お姉ちゃん、私はボーカルじゃない!それになんで私から、、」
「水希、この曲歌える?私、好きなんだ〜」
「この曲だったら…」
早川先輩のリクエストで男性バンドの曲を歌うことになった。キー合うかな?
この曲は切ないメロディーだけど、ラブソングでみんなに見られながら歌うの恥ずかしい。
早川先輩ワクワクした顔してるし、ごんちゃんは早川先輩に良いところを見せようと必死に曲の選曲に悩んでいる。
芽衣、キラキラした目で見ないで。お姉ちゃんなんて、、?何で動画撮ろうとしてるの!
きっとお姉ちゃんは飲み物を飲みながら曲を選び、私なんて見てないと思ったのに携帯で動画を撮ろうとしている。
何に使うつもりなの!怖いから、怖いからやめて。恐怖しか感じられない。
♫〜♪〜♩〜♪〜♫〜
久しぶりのカラオケは緊張する。家のお風呂でしか歌わないし、何度人前で歌っても緊張が取れない。音程大丈夫かな?外してない?
チラッと芽衣を見ると笑顔で、早川先輩もキラキラした笑顔だった。ごんちゃんはなぜか落ち込んでいるけどほっとこう。
問題はお姉ちゃんだよ。いつまで動画を撮るつもり。お願いだから、怖いからやめて。
顔がニヤって笑ってるし、一体何をするつもりなの!お姉ちゃんが気になって集中して歌えないよ。
「水希、凄いー。やっぱり歌が上手いね」
「早川先輩、ありがとうございます」
「水希、上手だったよー」
「へへ///。芽衣、ありがとう」
ふぅ、緊張で喉が渇いた。椅子に座り、飲み物を飲みながら一息ついていると未だにごんちゃんが落ち込んでいる。
一体どうしたのかな?さっきまではどの歌を歌おうか必死に考えていたみたいなのに。
「ねぇ、お姉ちゃん。動画を撮ってどうするつもりなの、、」
「晴菜さんに送るの」
「何でよ!」
「この前、LINEしていたとき水希が軽音部でボーカルやってると言ったら見てみたいって言ってたから」
「やめてよー、恥ずかしいじゃん」
晴菜さんに私の歌っている動画を送るなんて勘弁してよ。もしかして、だから今日カラオケに行きたいなんて言ってきたの?いつもだったら言わないのに。
それに、私が晴菜さんの名前を出したから芽衣がジッと見てくる。芽衣には家庭教師の件まだ話してなかった、、
次はお姉ちゃんが歌うみたいで、急いで芽衣に家庭教師の話をした。危なかった…芽衣が怒るんじゃないかとヒヤヒヤしたよ。
基本、私は巻き込まれて怒られるパターンだからいい加減このループから抜け出したい。
あっ、でも芽衣が「美人なの?」って目が笑ってない笑顔で聞いてくる。
怖い、、顔が可愛いから目が笑っていない笑顔が怖いよ。晴菜さんはお姉ちゃんの家庭教師だし私は試験前だけど教えて貰うだけだから嫉妬しないで。不可抗力だよ。
ほら、今からお姉ちゃんが歌うから聞こう!手拍子!あっ、タンバリンもあるよ!
「菜穂、上手〜」
「ありがとう〜」
お姉ちゃんの歌声久しぶりに聞いた。へぇ、上手いじゃん。おっ、次は早川先輩が歌うみたい。早川先輩が歌い出すと、ごんちゃんがやっと顔を上げ嬉しそうに手を叩いている。
みんな上手だな〜、それに楽しそうに歌っている。ふふ、隣にいる芽衣がどれを歌おうか悩んでいる。出来れば、可愛い曲を聞きたいけどよくよく考えたら芽衣の歌声を聞くの初めてだ。楽しみ!
「つぎ、次は、、私が!上手くはないですが頑張ります!」
「ごんちゃん、頑張れー」
「水希は黙って」
えっ、酷っ。私に対して当たりが強い。目には炎が見え私に対抗心を抱いているように感じる。何で、何で、、応援しただけなのに。
それに、カラオケに誘ったのはごんちゃんじゃん。もっと楽しもうよ、せっかく遊びにきたんだから。
歌い終わったごんちゃんは、浮かない顔だ。歌ってさ、自分が気持ちよく歌えたらいいと思うんだけど何を気にしているの?
歌が苦手みたいだけど、別に音痴ではないしめちゃくちゃ上手い!とはいかないけど、楽しく歌えたら良いと思う。
そして、、このあと芽衣が歌い…歌は改めて気持ちを込めて楽しく歌うことが大事だと思った。歌ってる姿可愛いかったな〜。
芽衣も楽しそうに歌ってたし、ごんちゃんに欠けている部分だよ。
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