第154話
私は優柔不断で、いつも芽衣を悲しまさせる。遠藤さんに気持ちを伝えられた時、ひかるを思い出した。
あの時、私は優しさがひかるを傷つけるって知らなくて態度を曖昧にした。そのせいで、ひかると芽衣を傷つけた。
さわちんには怒られ、応えられない気持ちはちゃんと相手に伝えないといけないって学んだ。優しさが優しさではなくなる。
もし、ここで何も言わずにいたら芽衣が更に傷付き…結局、遠藤さんも傷つける。もう、同じ過ちを犯したくなかった。
凄く考えたよ。時間は短いけど、どう遠藤さんに言おうかと。気持ちをむげにしたくない。
だけど、期待をさせちゃいけない。とても、難しくて言葉に凄く悩んだ。
私に語彙力なんてないから、私にできることは私の気待ちをきちんと伝えること。
ちゃんと言えていたかは分からない。けど、凄い勇気を持って気持ちを伝えてくれた遠藤さんにちゃんと返事をしたかった。
でも、お姉ちゃんや芽衣からしたら嫌だったらろうな。だって、私が芽衣の立場だったら嫌だもん。宣戦布告なんてされたら凹むよ。
告白はとてつもない勇気がいる。恋人がいる人に告白をするなんてって思われるけど、、それでも私は告白する勇気の大変さを知っている。だからね、私は遠藤さんは凄いと思う。
未来ちゃんもだけど…好きな人に気持ちを伝えないと次に行けないから、玉砕覚悟で告白するのかなって。
ずっと気持ちを伝えられず片想いし続ける方が辛いし、片思いのやめ時がない。想いを終わらせるか、実らせるしかないんだ。
芽衣がラブレターを貰った時、、うん?ラブレター!そう言えばラブレターをどうしたのか聞いてない!
えっ…何で私、聞いてないの?えっと、、あの時はうん…そんな状態じゃなかった。
芽衣にお泊まりをやめようと言われ激凹みしてる最中だった。うん、無理だな。
芽衣、ラブレター断ったよね?断ったよね?絶対に断ってるはず!!!
きっと芽衣も私みたいにお付き合いはできません!とハッキリ言ったはずだ。
「芽衣…夜遅くにごめんね」
「どうしたの?」
「あのね、ラブレター、、」
「ラブレター貰ったの!?」
「違う!ほら…芽衣が私の誕生日に貰ったラブレターはどうしたのかなって」
「保留にしてる」
「えっ!」
「嘘だよ。断った」
なんだ、まぁ当然ちゃ当然だけどやっぱり不安になるよ。今更ながら芽衣の気持ちが痛いほど分かる。
これは辛い、辛すぎる。恋人が他の人の恋愛対象になるのが辛くて、どうすることもできないからイライラする。
頭にこの人は恋人がいます!って言葉が浮かび上がればいいのに。そしたら、本気で好きになる前に諦められる。
嫌だな、嫌だな…いつか、芽衣を私から本気で奪おうとする人が現れたら私は勝てるの?
もし、相手が男の人でお似合いだったら…私は身を引いてしまいそうで怖い。
常に私は自信がない。可愛い芽衣が私なんかと付き合っていいのかなと悩むんだ。
多分、夏祭りの時お姉ちゃんと彼氏さんを見たせいかな。お似合いのカップルで、堂々として羨ましかった。
私は未だに堂々とできる自信がない。芽衣が噂の種になることが嫌だ。
さわちんが羨ましいよ。全力で未来ちゃんへ気持ちを表している。
今更ながらやっと私は自分の行動の変化に気づいた。最近、芽衣をおんぶしていない。
無意識だと思う。付き合う前はあれだけ戯れあっていたのにスキンシップを抑えている。
付き合っても変わってないと思っていたのに…いつのまにか変わっていた。
「明後日のクリスマス楽しみだね」
「うん」
「水希、今日嬉しかったよ」
「へへ。ありがとう」
「でもね、みんなに優しいと不安になるよ」
「芽衣、ごめんね…」
「水希の凄く優しい所に惹かれたから諦めてるけどね。だから、その分愛を沢山欲しい」
「分かった。芽衣に沢山愛を贈るから」
今は前だけを向いて、、向いていたいな。後ろは向きたくない。周りを気にするなって思いたいけど、私には無理みたいだ。
でも、芽衣が悲しませないようにしたい。明日は終業式。平和な1日でありますようにと願いを込めて私は芽衣に「おやすみ」と言って電話を切った。
◇
焦る気持ちは人には絶対ある。積み重ねって大事で、私と芽衣はなんだかんだ言って3ヶ月後に結ばれて丁度良かったのかも。
愛を昂らせ想いを一つにできた。散々、お姉ちゃんに苦しまされたけどある意味感謝だ。愛を強くできたから。
焦る気持ちと追いつかない気持ち。恋は焦ると上手くいかない。相手を思いやりたいのに、先走って後悔ばかりする。
好きの気持ちが強いと触れたい気持ちを抑えられない。だから、暴走してしまう。
本当に大切にしたいのに…。
そう言うことだぞ!さわちん!
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