第141話

私と芽衣の関係は変わらない。相変わらずラブラブで、生徒会ファンクラブの件も方が付きやっとで落ち着いた毎日を過ごせると思っていた。でも、私はもの凄く慌てている。



ク・リ・ス・マ・ス・!



お金が…ない!クリスマスプレゼントどうしようと、、私は悩んでいる。平日は部活で、休みの日は芽衣と過ごすから時間がなく空き時間にバイトを入れても雀の涙だろう。


さわちんはニヤニヤしながらネックレスを買うって言うし、、(絶対、クリスマス当日のことを想像してるよね…エッチ)

私は芽衣に何を送ればいいんだ…お金が降ってこないかな、、せめて5000円でもいいから恵んでほしい。



もしバイトをして時給が1000円として、2万は稼ぎたいから簡単計算でいくと20時間。今日が11月後半だから…部活終わりに1・2時間バイトをしたらいけるけど、これ以上帰るのが遅くなるとお母さんが心配するし、、(冬は暗くなるのが早いから)


あっ、朝だったらいけるかな!休みの日の夕方はお泊まりするかもしれないから空けときたいし。

だったら新聞配達、、うーん、方向音痴の私に出来るのだろうか。迷子になって泣きながら帰ってきそうな気がする。



「水希、どうしたの…悩みでもあるの?」


「お姉ちゃんー、何かいいバイトないかな」


「バイト?あぁ、クリスマスプレゼントの為?」


「うん…」



私は藁にも縋る思いでお姉ちゃんに聞いてみた。もしかしたら、割りのいいバイトを知ってるかもしれないと思ったけど「知らない」と言われ落ち込む。

だよね、そう簡単に上手くいくはずないよ。分かってたけど悲しい。



「私がお金を貸してあげようか?」


「お姉ちゃん、いいの!?」


「条件があるけどね」


「何…?」


「生徒会のお・し・ご・と」



絶対違う!いや、生徒会の仕事だと思うけど私個人に頼む仕事だからよからぬ思惑がある筈だ。お姉ちゃんの口角が上がってるし、嫌な予感しかない。

だから、断ろうと思ったのに…お金を貸すんじゃなくてバイト扱いでもいいよって言われ、返さなくていいと言う魅惑の言葉に私は簡単に落ちた。



「お姉ちゃん…何したらいいの?」


「今度、3年生の激励会あるでしょ」


「うん…」


「生徒会に3年生からリクエスト来てるから丁度良かったよ」



ねぇ!何が丁度よかったの!ニヤニヤした顔で笑わないで。怖いから…でも、断りたいのにお金をちらつかされて逃げられない。



「激励会でまた軽音部とコラボしてね」


「マジで…」


「明日、軽音部には私から話に行くから水希はまたキーボードの練習しなさい」


「えー、、」



やりたくないけど、ごんちゃんに修学旅行の時にコラボの約束させられてるからある意味一石二鳥だ。バイト代も貰えるし…芽衣へのプレゼント代と食事代を少し稼げる。


激励会で歌ったら5000円…。うん、考えようによっては割りのいい仕事だ。あと、1万5000円をどうにか稼げば芽衣と楽しいクリスマスを迎えられる。

キーボードと歌の練習は夜するから、後は朝できるバイトを探さないと。



「あっ、水希。今回は芽衣ちゃんにあんまり高いプレゼント送っちゃダメよ」


「えっ、何で?」


「芽衣ちゃんが気を使うからよ」


「そっか、、どれくらいがいいのかな?」


「高校生なんだから5000円以内で十分よ」


「マジで?だったら、クリスマスを迎えられる!」



やった〜、食事代だったら貰ったばかりのお小遣いで何とかなる。全く使わないのが条件だけど、、はぁ…お菓子が一切買えない。

うん?また、お姉ちゃんがニヤニヤしてる。何を考えているの…?怖いよ、怖すぎる。



「何…?」


「水希、クリスマスまで全くお小遣いが使えないんでしょ」


「まぁ、、そうだけど」



お姉ちゃんはエスパーなのかな…考えていたことがバレてるし、お財布から1000円を出し私の前にひらひらとチラつかせる。



「欲しい?」


「欲しい!お菓子買いたいもん!」


「ふふ、じゃあね〜」


「早く言ってよ!」


「今は軽音部のコラボ以外に頼みたいことないから置いとくわ。言っとくけど、1000円分必ず頼みごと聞いてもらうからね」


「分かった、、」



何言われるか分からないけど、私はワンコのように尻尾を振りお姉様から1000円を受け取った。これで10円チョコが買える!

5000円は激励会が終わった後に報酬として貰えることになったけど先が長い。でも、芽衣と初めて過ごすクリスマスを最高のものにしたいから我慢しないと。



「ねぇ、クリスマス…芽衣ちゃんの家に泊まるの?」


「まだ約束はしてないけど泊まりたいなって思ってるよ」


「ふーん、、芽衣、、ちゃんに無理させちゃダメよ!!!」


「わ、、分かってるよ///」



クリスマスに、、やっば、想像しちゃうとニヤニヤしてしまう。これじゃ、さわちんと一緒じゃん。でもさ、芽衣の体を知ってるから…仕方ないよ。うん、仕方ない。


芽衣って、身長小さいのに大きい所と締まってる所があってスタイルがいい。それに、、私の腕の中にすっぽり入るのがいいのよ。

膝の上に乗せた時の眺めも最高だったし、声を我慢する顔が最高でね、、って痛いー!!!



「お姉ちゃん、痛いよ!」


「水希、めちゃくちゃ気持ち悪い顔してたわよ」


「嘘!?」


「気をつけなさい、芽衣ちゃんに嫌われるわよ」



マジか…気をつけないとヤバいかも。お姉ちゃんに呆れ顔をされ、顔を手のひらで潰されめちゃくちゃ痛い。

私のニヤけ顔を治す為って言ってるけどイジメだよ!私、絶対変な顔してるもん。

6000円のためだ…私、負けない!

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