第97話

ごめんなさい、ごめんなさい、許して下さい。何でもしますから許して…芽衣ちゃんのせっかくの可愛いお顔が台無しだよ。私はどんな芽衣ちゃんも好きだけど。



「水希」


「はい…」


「ベッドにうつ伏せに寝て」


「えっ?なん・・・」


「早く」


「はい…」



芽衣は何をするつもりなのかな…もしかして後ろから首に手がくる感じ!?

嫌だ、もうすぐ誕生日なのにお空の星になりたくない。いくら愛する芽衣ちゃんの制裁だからって受け入れることはできない。



「芽衣…ごめん、、許して」


「こら、動くな」


「ふぇ、、マッサージ?」


「今日、おんぶしてくれたから…」


「芽衣…」



私が芽衣にマッサージをしようと思っていたのに、まさか芽衣がしてくれるなんて嬉しすぎる。背中がめちゃくちゃ気持ちいい。

幸せすぎる。怒られると思っていたのにこんな幸せを貰えるなんて最高だ。



「芽衣、交代しよ」


「まだ、終わってないよ」


「いいから、交代」


「それより…2人っきりだから、、」


「イチャイチャする?」



足の間に芽衣が座り甘えてくる。可愛いな、めちゃくちゃ可愛いよ。

何度も私の手を触りながらにぎにぎしてくる。これはヤバイよ。

早く…芽衣と、、まさか、こんなに早くこんな感情を持つなんて思わなかった。


高校入学した時は恋がしたいと思い、本当に恋をし戸惑いながらも想いが実った。それもこんなに可愛い彼女が出来るなんて幸せだ。

芽衣のおでこにキスをすると嬉しそうに笑ってくれて、私も笑顔になる。



「芽衣、大好きー」


「ひかるちゃんよりも?」


「あれは…ごめんって」


「冗談だよ、私も水希が大好き」



いつか愛してるって言えたら…まだ私には早い気がして言えないけど2人の関係が進んだとき私の想いを言葉にして伝えるね。

だから、今はキスで思いを伝えたい。私のありったけの愛をあげるよ。



「芽衣、こっち向いて」


「うん…///」


「ごんちゃんが戻ってくるまでキスしよう」


「明日、唇が痛くなりそうだね」



一緒に痛みを共有しよう。幸せな痛みだから余裕で耐えられるよ。愛の力で・・。



「水希ー」



だから早いって!まだ、キスもしてないよ!せめて1回ぐらいさせてほしい。

ごんちゃんはなぜ、こんなにもタイミングが悪いの?私をどれだけ苦しめるの。

芽衣から離れたくない、、このままずっと抱きしめていたい。



「水希…ドアを開けないと」


「うん…」


「こっち向いて」


「何?・・・」


「開けてくるね」



このニヤニヤ顔をどうすればやめることができるのだろう。芽衣にキスされた。

部屋に入ってきたごんちゃんが訝しげな顔で私を見たけど気にしない。だって、最高に幸せだから。



「あっ、そうだ。明日どこ行くか決めとこうよ。芽衣とごんちゃんが行きたい所どこ?」


「私は嵐山!トロッコに乗りたい!今の時期は紅葉が綺麗なの!水希も芽衣も感動すると思うよ」


「私は平安神宮に行きたいな。大きな鳥居が見たい」


「じゃ、2人が行きたい嵐山と平安神宮をどのルートで行くか決めようか?2つが真反対の位置にあるから悩むよ」



行きたい所が多すぎて、行く順番になかなか難航し、1時間話し合った末決まった。時間の掛かる嵐山を先に行って、平安神宮の方に向かいながら観光する計画になった。


結構頑張ったよ。行き当たりばったりの3人なのに今回はちゃんと計画できた。

ただ、嵐山から平安神宮までバスで1時間。途中、出来れば金閣寺にも行きたいからあんまりのんびり観光は出来ないかも。



「ふぁ、、そろそろ寝る?もうすぐ0時だし。芽衣も疲れて眠いでしょ」


「うん…眠たいかな」


「じゃ、私が電気消すよー。早く、水希と芽衣はお布団の中に入って」



今日は結構歩いたし少し疲れた。普段から鍛えてはいるけど、みんなではしゃいで動き回りすぎた。卓球も本気で頑張りすぎたし。

目を瞑るとすぐに夢の世界に行けそうだ。ベッドが心地いい。明日は色んな所に、、



「・・・芽衣?」


「一緒に…寝よう」


「いいけど…」



私の隣はごんちゃんが寝てて、背中を向けて寝ているみたいだから大丈夫だとは思うけど、、もし、私が芽衣と一緒に寝ているのを知ったら変に思わないかな。

いくら仲良しだからと言って、、っとなりそうで不安になるけど、芽衣がギュッと抱きついてくるから私は腕枕をし抱きしめた。


もし、部屋が2人部屋だったら私達はどうなっていたのだろう。誰にも邪魔されない環境で2人っきりだと…もしかしたら、先に進んでいたかもしれない。

芽衣が積極的だし、こんな風に甘えられると気持ちを抑えられなくなる。今も必死に我慢をし体の疼きと戦っている。


この距離感だと少しでも触りたい、またあの感触をと煩悩が私を動かそうとする。人間は欲望に忠実な生き物だ。好き嫌いもそうだし、まず性欲って言葉がある時点で欲望だらけなんだ。

好きな人に触れたい。だから、少しだけ触れるのを許して欲しい。だって、芽衣から私のベッドに来たし…これ以上我慢するのは無理だ。煩悩は108個あるから打ち消せない。



「芽衣…後ろ向いて」


「えっ…こう?」



これで触りやすくなった。芽衣の頭におでこをつけ、お腹周りぐらいだったら触ってもOKだろうと勝手に服の中に手を入れる。

すべすべの肌が気持ちいい。芽衣の体がビックっと反応したけど、お構いなしに私はお腹周りを触った。


芽衣のウエスト細い、、ちゃんとご飯食べてるのかな。心配になるよ…。

芽衣は小さいし、体重も軽いからおんぶのとき楽だけどあまりに細いと…恋人としては不安になる。


可愛いおへそ見つけた。小さいおへそが可愛いくて、つい指でグリグリする。

芽衣って身長は小さいけど胸は大きいから羨ましい。私は身長だけ大きくなった。



「み、、水希…///。ストップ」


「分かった、寝ようか(しょぼん…)」


「うん…反対向きたい」



日に日に芽衣への気持ちが強くなる。人ってこんなにも好きな人ができると欲望という感情が出てくるんだと知った。

半年前まではこんな感情を持つなんて思いもしなかった。純情な乙女で人は変わる。恋を知ると変わっていく。





それにしても、ごんちゃんのいびきうるすぎ。これじゃ、100年の恋も覚めるぞ。

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