あとがき
梨乃を主人公とした、ブストサル4巻をお届けします。
山野裕子や佐治ケ江優を主人公にした外伝も含め、本作の投稿をもってシリーズの完結です。
ただあと1作、キャラを一新して未来の佐原南高校女子フットサル部を描く番外編的作品を書く予定です。
作品が進むにつれてすっかり佐原南高校が存在感薄くなっていたので、ここを舞台として完全なる完結をさせたいと考えているためです。
さて、このブストサル4巻ですが、テーマは命です。
梨乃は自分の命がある限り愛することが出来るみんなのために、フットサル日本代表の召集を受けます。
最終的には、愛する後輩である佐治ケ江優を「生む」ために、自分の代表としての未来を犠牲にして思い切り盛大にやらかして、物語は終焉をむかえます。
高木(旧姓木村)梨乃、私の作品の中でこれほど性格が変化していった主人公は他にいません。
第1巻 少し荒っぽいところのがあるがでも生真面目で純情な少女。
第2巻および新ブストサル1巻 彼氏が出来たことにより、憧れであった女の子らしさを開放。かわいらしく振る舞うようになる。
第3巻 大学での周囲にいる変人の影響で、すっかりがさつ者に。
第4巻 これまでの影響は多分に残っているものの、とりあえず母になったことで落ち着く。しかし思考がことごとく下品。
大学編までの性格は、特に意識せずに執筆したところこのようになってしまったというだけなのですが、代表編である最終巻での性格は意図的にこのようにしました。
そして、浮気の常習犯で性衝動に押さえがきかないなど、最悪な人間であったことが(読者に対して)発覚しました。
(過去の浮気自体は、第3巻の大学編でも本人が語っていますが)
これは、もう一人の主人公である佐治ケ江優と、対極の存在を作り出す必要があったためです(山野裕子と違う意味での)。しかし梨乃の一人称で進む物語であるため、極悪人にしたところでそもそも話が進展しなくなってしまうので、男に対してだけどうしようもなくだらしないという設定に落着きました。
各巻、それぞれのテーマがあるとはいえ、基本的な作りとしては逆境を乗り越える戦いの作品です。
あと番外編が残っているとはいえ、梨乃たちの出てくる時代のお話は、これで完結です。
4巻の最後は西暦2057年まで時代が流れているので、佐治ケ江外伝から数えると実に63年。なんだか凄いですね。
それでは、執筆順番と舞台設定年月に関して整理をして、私も梨乃同様に筆を置くことにします。
ブストサルシリーズ 執筆情報
1 ブストサル 第一巻 (2009年9月~2009年11月)
3 ブストサル 第二巻 (2010年1月~2010年8月)
2 新ブストサル 第一巻 (2010年9月~2010年11月)
4 新ブストサル 第二巻 (2011年4月~2011年7月)
5 ブストサル 第三巻 (2013年)
6 きんのさじ 上/下 (1994年3月~2024年3月)
7 ブストサル 第四巻 (2019年)
先頭の数字が執筆順序、カッコの中が舞台設定年月です。
ブストサル 第四巻 かつたけい @iidaraze
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