◆第4回ネット小説大賞を受賞した、ある書籍化作家のエッセイ◆

作者 名もなき多肉

36

12人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

いつも、どんな時も小説を書いていた作者。好き、という気持ちでひたすら書き続けていた甲斐あって、ある小説の賞を受賞した。すべてを得られたような、人生の勝者になったような、そんな素晴らしい一日。誇らしく、嬉しさに酔う、そんな人生の1ページ。彼はそこからメインで収入を得ていた仕事を辞め、出版された本は売れ行きが思わしくなく、1冊で打ち切りになった。物語だったらそこから転落人生を歩むか、思いもよらない発想で一発逆転することになるのだろうが、人生とはそんなものではない。ただ、ただ長い日常が口を開けてぽっかり待っているものだと思っている。これは作者が書き綴るつらく恥ずかしく、醜く、ひたすら痛い悔恨の『受賞してからのその後』エッセイだ。こんなことまで書かなくてもいいだろうに…と思うほど腹を掻っ捌いて赤黒いはらわたを見せてくる。読めば目をそむけたくなる気持ちもわかるし、同じ匂いを感じて叫ぶ人もいるだろう。凄いのは『でも書いちゃっている』ことだ。エッセイや小説を彼はそれでも書き続けている。私はどんな売れっ子だって小説家一本で食うことは、ひとつの仕事が終わったら『次の仕事まで待機している現在無職』だと思っている。そしてその待機時間が長ければ長いほど人は病んでくるし、どんどん書けなくなっていく。でもこの作者はなんの注文がなくても『でも書いちゃっている』のだ。これはお世辞でもなんでもなく、凄い才能だと思う。みんな幾度も賞を逃したり、いいところまでいったけれど受賞はしないまま心が折れたり、受賞してもやはり打ち切りやその後の注文がないから疲れて書くことを辞めていく。『でも書いちゃっている』人はこの世にどれだけいるだろう? 私は、誰もいない暗闇でもひたすら踊り続けることこそ小説家だ、と信じている。

★★★ Excellent!!!

はじめまして、銀河革変と申します。

貴方が無職だろうが、嫌味なお人、自業自得だと誰かが言おうが僕は気にせず、書きます。

魂が震えました。

貴方がそれが正しいと思った決断も間違いだったかもしれませんが、必死に足掻いて生きてここに記されたこの“文魂”を継ぎ、書こうと思いました。

丁度、僕は次話投稿にこの話で良いのかわからず渋っている所でした。
最初に軽い気持ちで読んでいましたが、貴方が足掻く美しさを見て、自分はまだまだ未熟だと感じました。

貴方が自分をさらけ出して書いた文章が僕に勇気をくれました。

最後に僭越ながら一言書きます。

『貴方の存在自体が才能である』

良いエッセイでした。今から貴方の小説を読みに行ってきます。

★★★ Excellent!!!

ここで綴られるのは人を信じることができなかった、そして自分さえも信じることができなかったある男性の、ありのままの心情です。

幼少期より積み重なっていた小さな歪みが、ある時男の心の支柱を叩き折る。
心が砕けたその時、自分を引き上げてくれる他者がいなければどうなるのか? この作品が指し示すのは、そんな誰にでも起こり得た可能性の、その先です。

人は一人では生きられない。ありふれたこの言葉を何よりも痛烈に伝える、黒く歪んだエッセイ。

孤高の道を歩む前に、是非ともお読みください。

★★★ Excellent!!!

幼少期・少年の時に辛い思いをされて、体だけ大人になった人間。
その人間が自ら人になろうとする努力や挫折を表してくれている。
そして、率直な言葉ですが、「哲学という沼にハマって、もがいている」
そう思います。

話ことばで書いたっていいじゃない。
わざわざ難解な言葉で伝えなくてもいいじゃない。
プライドが邪魔してたって、いつかそのプライドが必要になる時がくるかもしれないからいいじゃない。

これからに期待したい部分として
言葉としての「意味」だけではなく、その中に含まれた「感情」「思惑」
その他もろもろ。
それを全て自分から出しきった時、この自分という小説は更に飛躍出来る気がしています。