第13話【大富豪・その3】
決勝戦第三試合終盤。
状況は大富豪がダイで、 富豪がフーゴ
平民がジンセ、 貧民がドヒン、 大貧民がヒンミー。
ジンセがついに動く。
「♣Qボンバー!! 宣言は3!!」
「3!? 糞ッ!!」
ジンセのQボンバーが炸裂、 ドヒンの♠3、 ジンセの手札の3三枚が捨て札に落とされる。
「♣A!!」
「縛り・・・♣2は使ってしまった!!」
「いや、 スペ3を流したという事はこの後に来るのは!!」
「関係有るか!! ジョーカー!!」
ジンセがジョーカーを出した。
「くっ、 流れだ!!」
「ジョーカー二枚目!!」
ジンセが二枚目のジョーカーを切る。
「平民でジョーカー二枚持ちだと!?」
「そして6出して上がりだ!! 」
ジンセが上がる。
『おっーと!! ここでダイが都落ちで大貧民に転落したぁ!!』
解説にも熱が入る。
「あの・・・すみません」
観客席でニコがハシモトに尋ねる。
「私が友達と子供の頃とやっていた大富豪と大分違うんですが・・・」
「大会ルールでしょ、 ほら、 これ」
小冊子をニコに渡すハシモト。
「何ですか、 これ?」
「今年度の大富豪大会ルールブック」
「持ち歩いているんですか?」
「仕事だからね、 読んでおいて」
「は、 はぁ・・・」
そうこうしている内に第三試合も終了した。
現在のスコアはこうなっている。
一位 フーゴ 12ポイント
二位 ジンセ 9ポイント
同率二位 ダイ 9ポイント
四位 ドヒン 8ポイント
五位 ヒンミー 6ポイント
「フーゴはやはり強い・・・と言うか安定感が有るな」
「富豪をずっとキープして12ポイントですからね」
「大富豪を狙うと都落ちで大貧民になる可能性が発生する
そうなると二回やって合計6ポイント、 それならば富豪を二回やれば8ポイント
安定するプレイングだ」
「確かにQボンバーも他のプレイヤーを手助けする印象がありました」
その通りである、 フーゴは四回戦、 最下位のヒンミーをアシストしながら
プレイングを行った結果、 ヒンミーを大富豪に押し上げた。
しかしフーゴはフーゴで周囲から睨まれ、 妨害を受け平民に転落。
都落ちでジンセは大貧民、 ドヒンは貧民、 ダイは富豪になった。
順位も
一位 フーゴ 15ポイント
二位 ダイ 13ポイント
三位 ヒンミー 11ポイント
四位 ドヒン 10ポイント
同率四位 ジンセ 10ポイント
と変動した。
次が最終戦である。
―――――――――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
ヒンミー
国内トップ大富豪プレイヤーの一人
少し肉付きの良い男で絵札の魔術師の異名を持つ
絵札が来やすいので順当に言えば強い筈だが
手札が良過ぎて迷いが起こったり、革命に弱いので
成績が伸び悩んでいる
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