人間の集落
そもそも
人間が住んでいるエリアは
どんなところであるのか。
大陸の東側から
約三分の一程度の土地で、
昔は人間がそれ程住んでおらず、
人間以外の種族が住んでいた土地であった。
当時、人間は大陸のど真ん中に
王国を築いていたが、
魔王軍により王国も周辺諸国も滅ぼされ、
人間は東側エリアに敗走。
人間以外ほとんどの種族は
魔王の軍門に降ったため、
西側エリアに徴兵され、
ちょうど人間と他種族の民が
入れ替わるようにして
移住することになる。
途中で大人がほぼ戦死し
年寄りと子供しかいなくなったため、
国を再建するだけの力もなく、
現在はただの集落が
点在するだけという状態。
その中でも一番大きな集落が
勇者が最初に転移して来た場所であり、
少年少女魔道士団の子供達が
住んでいる場所でもあった。
土地が痩せて農作物が育たないため
今は森で木の実や食べられる草を集め、
川で魚を捕って
運が良ければたまに
森にいる鳥や獣を捕まえて食べることが出来る、
かなり原始的な生活を余儀なくされている。
これはあくまでこの世界の者達が
記憶している範囲内のことで、
誰の記憶にも残っていない
重大な事実も存在しているのだが。
それは現在魔王が
中々姿を見せないことにも
深く関係してもいる……。
-
はるばると何日も掛けて
人間のエリアまでやって来た
ダークエルフ達は、
ローブのフードを頭から被り
尖った耳が見えないようにして、
人間の集落へと侵入していた。
人間のエリアも
昔は様々な種族が住んでいただけあり、
今も尚いろいろな種族が点在して暮らしてはいる、
どうしても魔王の支配下に加わることを嫌い、
この西側の地に残った者達が。
なので他種族はそれ程
珍しいものではなかったが、
それでもダークエルフは
なかなか見掛けるものではなかった。
ダークエルフ達は
一番大きい集落の
狭くて何もない家ではあったが。
弓矢や剣、ナイフを突き付ける
ダークエルフ達。
抵抗しようとした
手荒な真似をしようとする仲間に
ストヤは黙っていられない。
「馬鹿野郎!
お年寄りや子供に乱暴なこと
するんじゃあないよ!」
弱く虐げられている者達を
さらに虐待するかの如く
人質にするという行為に
ストヤはかなり葛藤していた。
「あんた達も
どうせ抵抗しても無駄なんだから、
大人しくしておきなよ、
そうすりゃ乱暴したりしないから」
集落の者達を全員集め
弓矢や剣、ナイフで脅迫し
少年少女魔道士団の子供達を含め、
集落全員の身柄を拘束、
あっという間に集落は
制圧されてしまったのだった。
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