第29話 蓮華とデート その1
声優のお仕事は週1。トレーニングも自主トレがメインになったので、蓮華ちゃんとデートすることにした。
次回はローザちゃんが控えている。幼馴染組は皆予約が入っているのである。
瑞穂の夢を実現させてくれたお礼と、日頃の感謝の気持ちだ。
いつもさり気なくフォローしてくれているからね。
今日は瑞穂がデートをリードするよ!
普段は女の子女の子した格好の瑞穂だけど、今回は蓮華ちゃんをエスコートする側なのでパンツスタイルでボーイッシュで行こうと思う。
背は低いけど長い髪を帽子にでもしまえば少年っぽく成れると思う。
「蓮華ちゃん、おまたせ!今日は瑞穂・・・じゃなかった。"ボク"がエスコートするよ。」
「・・・・・・」
あれ?あんまり嬉しそうじゃない?
「ワタクシは瑞穂ちゃんの可愛い所をいっぱい見たいのよ。男装じゃなくてね。」
あぁ、そういうことか。完全に裏目になったな。
じゃあプラン変更して服屋から行こうか。
「服変えよう「そうしましょう!!」か。」
言い終わる前に腕を捕まれ引き摺られる。そのまま黒塗りの車に載せられる。この車は蓮華ちゃんの護衛の人たちの車だ。今回のデートに車が5台来ている。
その内の一台に載せられ強制移動イベントが始まった。その間瑞穂は蓮華ちゃんの膝の上に乗せられギュッとされたり頭を撫でられた。
なるほど、やはり蓮華ちゃんは瑞穂を妹扱いしたいらしい。ギャップ萌えを狙った瑞穂は完全に裏目だったようだ。
サービス精神旺盛な瑞穂は蓮華ちゃんの求める要求に答えようじゃないか。
「蓮華おねーちゃん!瑞穂、喉乾いちゃった!」ニッコリ。
「ぐふぉっ!!!?」
「うわぁ!!?何で鼻血吹き出したの?!」
蓮華ちゃんの両鼻から盛大に鼻血を噴出した。間近で見てしまったので凄いインパクトだった。トラウマレベルだよ。血は苦手だ。モノクロマンガでも流血シーンは無理だったりする。
「だ、大丈夫よ・・・ちょっと脳に過負荷が掛かっただけだから・・・」それ大丈夫って言わないから!
「で、デートは延期して病院行こ?怖いんだけど・・・」
「ダメよ!!デートは続けるわ!それとさっきの甘えん坊モードの継続を希望するわ!!」
「で、でも鼻血が・・・」
「大丈夫、もう抗体が出来たわ!」ウィルス扱いですか?
「・・・わかった!蓮華おねーちゃんのいうとおりにするね!」
「ぐっ!・・・ふぅ・・・耐えたわ!もう大丈夫よ。」いや、少し垂れてますよ鼻血。
「お嬢様、目的地に到着致しました。」
「ご苦労さま。さっ、行くわよ瑞穂ちゃん。」
車を降りるとまたしても手を引かれた。何処に行くんだ?
お店か。デッカイお店だな。
ビル丸々一戸が一つのお店なようで、テナントとかは無いみたい。
お店の名前は【Princess Moon】(プリンセス ムーン)というお店みたいだ。
ファッションにはそこまで詳しくないけど、名前くらいは知っている。
女子中高生に人気のブランドで、ガーリーファッションからゴスロリまで女の子女の子した服装を網羅しているらしい。逆にボーイッシュな物は一切無いという徹底ぶりである。
「ここでワタクシがコーディネートしてあげるわ!!」お手柔らかにお願いします。
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