043「斯くして鳳皇、紫微垣より」「ふるさとの国を追われた俺は敵国の将軍になってリベンジを決めてやった」「望月、灰燼を照らす――武康俠客悲録」/ 浪間丿乀斎さん

 先の申し上げておきますが、私は歴史物が不得意です。

 「99の質問」にて、浪間丿乀斎さんが「イチオシ完結自信作」の質問項目でご回答くださった作品「斯くして鳳皇、紫微垣より」を覗いてみました。(削除前にちゃんと読めてよかった!)



浪間丿乀斎さんの質問回答ページ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886515210/episodes/1177354054895516598


 結論:知らない時代の歴史は、もはや異世界ファンタジーとして読める。



「斯くして鳳皇、紫微垣より」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054882893473


 敬意を表して非公開前のアドレスをここに掲載します。非公開に至った経緯はご本人の近況ノートに掲載されています。

(※現在、他サイトへ引っ越されています)


 ゴリゴリの歴史小説。画面上の漢字占有率の高さと文体の硬さは、おそらく読む人を選ぶのかもしれません。

 私は、おもしろければ、文体が硬くても柔らかくてもわりと読めるんです。

 しかし内容は、私が読める範疇で、おそらく最大級のエログロでした。初っ端からエグさマックス。

 えーとね、つまり、BLで、NTRで、姉弟もので、血みどろで、哀愁とやりきれなさと、裏切りと孤独とバッドエンドの詰め合わせです。

 創作と違うのは、思わぬタイミングで主要人物があっけなく死ぬこと。変な理由でいつの間にか死んでいたりする。起承転結も勧善懲悪もあったもんじゃない。しんどさしかない。

 主人公、慕容沖のラストの心情が、ひたすら辛かったです。現実は容赦ないし、人間は強いのか弱いのかわからないです。

 事実は小説より奇なりとは、まさしくその通りですね。このエログロの裏切りのバッドエンドの連続を経て、現代まで歴史が続いているのかと思うと、創作なんて吹っ飛ぶほどです。

 歴史小説にハマる人の気持ちが少しだけ、わかったような気がします。



「ふるさとの国を追われた俺は敵国の将軍になってリベンジを決めてやった」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886289719


 「斯くして〜」の主人公慕容沖の、叔父にあたる慕容垂を主人公に描いたです。

 おまけも読むと、慕容垂さんはとんでもない豪傑だったようです。まさに俺TUEEEEしてますね。ライトノベルですが、史実を基に書かれていますので結構な血みどろです。


 「斯くして〜」からの文体の差に、もうびっくり。歴史ってライトノベルとしても書けるんだと、目から鱗でした。


 ちなみに私は、どちらの作品にも登場する王猛さんが好きでした。優秀な部下は無能な上司の下に就くと、心労で短命になっちゃったりするよね……悲しい。



「望月、灰燼を照らす――武康俠客悲録」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054892957010


 「斯くして~」と、「ふるさとの~」の中間くらいの文体の、エンタメを意識した歴史小説のお手本のようでした。

 この三作の文体を書き分けられる丿乀斎さんの、文章力の高さに驚愕です。

 ぴったり一万文字の、(?)とのことです。おもしろく、且つ読みやすいです。血みどろですけどね。



 私が歴史小説を読んでいて辛いのは、いつ死ぬか殺せるか殺されるか、誰が味方か敵かを常に気にしていないといけない、葛藤とプレッシャーです。

 そこを上手に物語に昇華させるのが、歴史物書きのみなさんの手腕なのかなと思いました。


 三国志演義で挫折し、苦手意識ばっかり持っていた私ですが、今回ちゃんと歴史物も読めることが判明して、有意義な読書体験をさせていただきました。

 浪間丿乀斎さん、読書のきっかけをありがとうございました。

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