武具の因子

 武具の因子とはすべての武具に存在し、武具を武具たらしめる遺伝子情報が詰められたものである。


 ▶特徴

 すべての武具に存在し誰が作ったものであろうが宿る物質。

 これを解析すると材料・製作者・使用された技術・内包する能力など全てが記載されている。

 鍛冶、召喚、錬成による製作であっても因子情報は記載される。


 因子情報を閲覧するには所有者または製作者のみが閲覧可能で、例外として神の干渉を除いて他の者は拒絶反応を起こし弾かれてしまう。

 無理に因子情報を閲覧しようとした場合、拒絶反応を起こし、魔力を代償として奪取する。

 平凡な量産型武具であっても下手をすると魔力欠乏症を起こすほどに吸収され、死亡してしまう。


 また、一部の魔剣流の分派はこの拒絶反応を利用して被害者の怨嗟が響く魔剣を製造している噂がある。

 これに対し、魔剣流の家元は命を弄ぶこの行為を認めておらず、その分派を破門にすることを検討していると言う。



 ・抽出方法(エリュトリオンでの場合)

 抽出方法には三つある。


 1.武具を極少量削る方法

 武具から削り出した粉(鉄粉)を集める。素人目から見ればただの削り粉だが、鍛冶師は煌炎神アウロギより授かった*〘神炎〙にくべて焼成すると“継玉コムル”という物質ができる。金平糖のような形をしており、この中に因子情報が内包されている。

 ただし、召喚術師、錬金術師はこの方法が行使出来ない。


 ※〘神炎〙については鍛冶師なら誰でも所有しているもので、我流や流浪の鍛冶師であってもアウロギが夢で干渉して分け与えるようにしている。

 その為、鍛冶師にとっては最も会える神であると認識されている。



 2.武具の世界ブレイリアに向かう方法

 ブレイリアに向かい、武具の因子が形態化した状態の魂と契約することによって入手することが可能。

 だが、そもそもブレイリアに向かうことが出来る条件がかなり厳しい。

 条件:神級鍛冶師または所有者のみ可能。所有者は鍛冶師の紹介がないと行くことができない。二回目から所有者は自由に行き来することが出来る。


 上記の条件を達成した者は武具の魂と交渉し、継玉コムルを得ることが出来る。



 3.特殊な術式の後、刺激を与えることで得る方法

 詠唱魔法〘鋼武の真貌〙を使用後、刺激を与えることによって継玉コムルを得ることが可能。


 詠唱全文。

 汝、武具の深淵を覗かんとする者。我が君が生まれしことを思い、ここに見届ける覚悟を見せん。

 あぁ、真なる御姿みすがたを現したまえ。


 刺激について

 そっと触れる程度の刺激で構わない。


 ・因子情報の閲覧方法

 閲覧には継玉コムルに所有者の魔力を込め、記憶させることでいつでも閲覧可能となる。

 所有者が変わる場合は直ぐに上書きを行い、順応する為、問題ない。ただし、奪って得た武器など、非合法な入手の場合、その武具の真価を発揮しない。

 発揮しても7割程度に留まる。



 ・使いみち

 因子情報の閲覧のみの使い道で終わらない。

 上述したが、汎用的な大量生産品の武具であっても継玉コムルを抽出して装飾品などに加工して身に付けたり、他の武具に取り込むと更に強化する事が可能である。なお、取り込みには上限があり、最大4つまでとなっている。

 継玉コムルに魔力を流し込むと〘武具共鳴〙なる現象を起こし、さらに強化される仕組みとなっている。


 余談:ちなみにこの数は宇宙の創造主が秩序の均等を考慮して4つと決めた。最初は3つだったが、創造主はヒトの進化の可能性に興味を持ち4つに増やしたという。



 ・弱点

 継玉コムルを破壊されると本体である武具も破損してしまう為、注意が必要。しかし、本体より硬いのでそのケースが起こることは稀である。


 ・知名度

 武具の因子の知名度に関しては2~3割程度に留まっており、ほとんどが知らずに今日も武具を使用している為に真価を発揮できていない。どの世界でも名を轟かせている者は必然と武具の因子の存在を知る。


 知名度分布

 鍛冶師18%

 所有者12%

 知らない人70%


 ・その他

 ただ二つ、継玉コムルを必要とせずに真価を発揮する武具がある。

 聖剣キュベルミナスとこれを解析して製作した模倣剣ロキュルナフィである。





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