第117話 さらばホーチミン!?ベトナムの大都会と地方都市のどこに移住!?決断の時がきた
ホーチミンとベンチェをベトナム人妻のトゥイの運転するバイクで行ったりきたりしていたのだけれど、それは結婚証明書の書類を作るための必要な行動であった。
ホーチミンやベンチェで必要な書類を集めるのは、正直、手間暇と時間がかかる(根気も必要だけどね)。やっとのことでベトナムで晴れて日本人男性の私とトゥイは夫婦になることができた。
それに伴い、もうホーチミンのアパートは必要ないのではないかと思い始めていた。
書類を作るためとは言え、ホーチミンに行くたびにホテルに泊まるのもお金がかかる。最低、結婚証明書がもらえるまではホーチミンのアパートは借りたままにしておいた方が何かと節約できると考えていたのである。
また、ホーチミンとベンチェの行ったりきたりの中で、ホーチミンでの生活のメリット、デメリットを私自身がこの目で見極めたかったのもある。
私はこれからの時代は、複数の収入源をいくつも持つことが大事なのではないかと思っている人間である。日々、何かしらの方法で複数収入源(YouTubeも含む)を増やしてきた。
観光気分でベトナム生活を行い、たぶん、のんびり暮らしていたわけではないのだと思う。トゥイは「あなたがどこに住むことになろうが、私はあなたの妻なのだからついて行くだけ」と言ってくれている。本当か! 南極に住もうよと言ったら絶対反対されると思うけど。
いっしょの船に私たち夫婦は乗るけれど、どの方向に進むかの舵取りは私が決めていいことになっている、たぶん。それだけ信用されるのは男として嬉しいことでありトゥイにはとても感謝している。ありがとね。
私はあれやこれや分析する癖があるのだけれど、ホーチミンに関して危惧していることがたくさんあった。ベトナムの物価はまだまだ安いとは言え、年々、物価が上昇している。最初に物価上昇の直撃を受けるのは大都会のハノイ、ホーチミンからだろう。
※すでにベトナムの大都会の場所によっては賃貸料が高騰し、採算が合わなくなり閉店に追い込まれてしまった日本のお店もあるようだ。今後、大都会で店舗運営を考えている人は、将来、賃貸料が高騰する可能性があることも頭の片隅に入れておいた方がいいかもしれない。
大都会で物価が上昇するにつれて、それに比例するかのように我がファミリーの収入も増やさなければ貧乏暮らしになる。できれば家族を路頭に迷わすようなことはしたくない。
上記を踏まえ、副収入のひとつやふたつを会社員でも不足の事態に備えて持っておいた方がいいのではないだろうか。
※ベトナムでも副収入を持つことの大事さを説いているベトナムで働いている会社員がいるが、そのような考えはまだまだ少数派みたいである。また、ベトナムでは会社員が副業を持つことは法律で禁止されていない。日本の場合、副業を禁止している会社はまだまだたくさんある。
私生活の話になるのだけれど、ホーチミンのアパートでの生活でドアの外に置いていた花瓶が盗まれたり、ドアの前にバイクを移動されドアが開けれなくなってしまったり、大なり小なり隣人トラブルがあった。
日本の都会もそうだけど、隣に誰が住んでいるか分からない。隣人と一言も口を聞いたこともないという人は多い。隣人がどんな人間なのかも分からないのは都会のホーチミンにも言えることなのだろう。
ホーチミンのマンションやアパートは大家さんが門限を設定されているところもあり、時間に縛られる可能性もある。
今後、ホーチミンのアパートに住む限り、さらなる隣人トラブルに巻き込まれてしまう可能性はあるとにらんでいる。
※まだ私たちが体験した近所トラブルはぬるい方なのかもしれない。中には住んだところがとても治安が悪く、いろいろな物が盗まれたあげく、すぐ引っ越しをよぎなくされたと書いている日本人がいた。そのことで結局、何回も引っ越しをしないといけないはめになり、余計な出費もかかる。
また、個人的に苦手なのがホーチミンの通勤ラッシュ時の道路状況だ。これでもかというぐらいバイクの行列があって、なかなか進まない。毎日、通勤ラッシュをバイクで走っていたら、いつか事故に巻き込まれてしまうんじゃないかと本気で心配するほどである。
※一極集中で大都市に人がどんどん集まれば、通勤ラッシュと排気ガスの地獄絵図がさらに待っていると考えただけでストレスの原因になりそうである。
さらに欲を言わせてもらうと、ホーチミンのアパートの近くに病院がないことも気になっている。おいおい、そんなに心配ならば病院の近くに引っ越せなのだけれど。
一方、トゥイの実家のベンチェは物価上昇の直撃をすぐに受けない地方都市である。地方都市と言っても田舎ではない(私はベンチェに行ったことがなかった時、てっきり田舎だと思っていた)。
トゥイの実家は地方都市の中でも都会にあたるため、徒歩圏内に警察署、市場、お店、幼稚園、遊園地、すぐ近くに大きい病院、マッサージ屋もある(実際に私は何度もベンチェに足を運んでいるので確認済み)。
また、ホーチミンのように通勤ラッシュ時に道路が混雑することもない。排気ガスの魔の手から逃れることができそうだ。
トゥイの実家の隣近所は知り合い、友達、親戚に囲まれている。警察関係者の知り合いも近所に住んでいる。これは何かと心強いだろう。
そして、とても重要なのはトゥイの実家の近隣住人たちが仲良しこよしだということ。これも不測の事態が起きた時、頼もしい限りだ。
※おそらくホーチミンのアパートで起きた近所トラブルはないんじゃないかな。
また、ホーチミンと比べるとベンチェは衣食住が安くすむのも魅力的だろう。もちろん、ベンチェで家を借りた場合、門限が設定されておらず、いつ帰ろうと自由である。
それに将来、子育てを考えた場合、トゥイの実家の近くに住んでいた方が何かと便利だろうし、周りから助けてもらえるだろう。
ベンチェでは衣食住の特に家賃の部分がホーチミンと比べると安く押さえることができる。トゥイの知り合いから通常家賃の3.3割引の価格の5000円で家を借りることができた。ベトナムではベトナム人同士の親戚や仲間の繋がりがもっとも威力を発揮する瞬間を見せつけられたような気がした。
たしかにベンチェの病院に入る時、バイクをとめるために駐車料金が必要だったのだけれど、駐車場のおじさんとトゥイの父親が昔、知り合いだったことが判明した。その後、駐車料金を払わずフリーパス状態で病院でバイク駐車できるようになった出来事があった。
※ベトナムで生活している外国人がベトナム人配偶者を持つということは、同時にベトナムでの強力なビジネスパートナーを持つことにも繋がるんだろうなと感じた。
私は毎月、いくら稼げるかではなく、いくら貯めることができるかを重要にしている。結局のところ、東南アジアの大都会のサービスアパートやコンドミニアムなどの日本人向け住居の家賃に自腹で毎月10万持ってかれるのであれば、大都会に住むメリットはあまり感じられないかもしれない。
我がファミリーの場合はトゥイの実家の地方都市に住むメリットの方が大きいだろう。近くにお店などいろいろあって便利だしね。
また、どうしてもホーチミンに行きたい場合は、我がファミリーでホーチミンのホテルに何泊かして遊び倒す観光ツアーを組めばよい。トゥイの母親や妹、タムちゃんをイオンモールや高島屋に連れて行きたい想いもあるからだ。
私たち夫婦がホーチミンのお店で食事をしているYouTubeを見たトゥイの妹は「トゥイお姉さんは旦那さんにいろいろなところに連れていってもらってうらやましい」と言われたみたいだ。姉妹と言えども、嫉妬や妬みの感情が芽生える時はあるので、そろそろ我がファミリー全体でホーチミン観光ツアーを組まなければいけないと考えている。
結婚証明書作りのため、ホーチミンとベンチェを行ったりきたりの生活の中で、どのような方法で人生を歩めばいいのか吟味し、いろいろな可能性を考える時間があったことに感謝したい。
さいごに、将来、ベトナムで生活したいと考えている人に私からアドバイスできることは、もしもベトナムの大都会と地方都市をじっくり比較できる環境下にいるのならば、すぐに働き口を探さず、多少時間がかかってもいいから大都市と地方都市をじっくり吟味した方がいい。
すぐに特定の場所で働いてしまうと、いろいろな角度から確認することができず、より良い判断ができなくなってしまう。結果として総合的に損をしてしまう場合もあるからだ。
どうせならゆっくり吟味してから決める方があとで後悔しなくてすむ。それは生涯の伴侶選びにも言えることだろう。
※私は白人や東南アジア、世界中の外国人と知り合えるところ (昔で言う文通相手やペンフレンドを探せる場所)で飲み会、合コン1回分の費用のみでトゥイと出会い、遠距離恋愛を10ヶ月経験している。
特に将来、ベトナム人女性と国際結婚をし、ベトナムで生活をしたいと考えている日本人男性は、恋人なり奥さんの生まれ故郷がどんなところなのか。
奥さんの実家付近で生活することになった時、どのような形で家族を養っていくのか。あれこれシュミレーションしてみるのも新しい発見やアイディアが生まれていいかもしれない。
私の場合、じっくりホーチミンとベンチェを比較することができたので後悔しなくてすんだ。 私は今回、良い選択ができたと大変満足している。
トゥイも飛び上がって大喜びしている。トゥイからぶっちゃけ本音トークを聞かされたのだけれど「ホーチミンの朝夕の通勤ラッシュ時のバイクの交通量は嫌だ。渋滞でストレスになる」と言われた。
以心伝心ではないけれど私も同じ気持ちである。ホーチミンの場合、近い距離の目的地に行くのに渋滞だったらとてつもなく時間がかかるからだ。
時間も有効に使えないし排気ガスもたくさん吸わないといけない。私は気管支が弱い方なので、それが原因で喉が痛くなり風邪をひいてしまうことがたびたびあった。自分の健康面を考えると長時間排気ガスを毎日吸う生活はできればしたくない。
正直、ホーチミンに縛られる必要はないのだ。どうしてもホーチミンに行きたい場合はホテルに何泊もする観光ツアーを組めばいいのだから……。
まずは我がファミリーが快適で安心して暮らせる楽園のような住居を見つけることが先決である。かかあ天下になった場合、楽園の住居ではなくなるのだけれど。
日本にはこんな言葉がある。急がば回れ! それは人生においても、 何か大きな決断をする時にも言えるのかもしれない。
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