第115話 ベトナム人妻が見栄を最大限にはりたいポイントでは節約はしない
日本人夫の私は常日頃、ベトナム人妻のトゥイに節約することの大切さを説いている。けれども何でもかんでもドケチ街道まっしぐらではない。だす時はだす、しめる時はしめるをモットーにしている。
トゥイの友人たちと飲み会をし、その後、2次会をした時があった。2次会が終わり、料金を支払う段階になった時、トゥイが私に「みんなの分、おごってあげて」と頼んできたのである。
トゥイにとっては自分の旦那の初お披露目の場でもあったのだろう。みんなの前で見栄をはりたい気持ちも分からなくもない。ここで私が断ったらトゥイのプライドを傷つけてしまうだろう。
私は自分で言うのもあれだが、そういう空気を察知する能力は高い方だと思っている。ここはしめる時ではないな、だすべき時がきたようだと判断し、全員分の2次会費用をだしたのである。と言ってもベトナムの物価の2次会の料金なので、たかが知れてる金額ではあるのだけれど。
ただ、しつこいようだが、常日頃、節約することの大切さはトゥイに説いている。繰り返し、繰り返し言うことで、洗脳ではないのだけれど、トゥイの脳裏に節約の2文字が浮かんできていると実感している。
私がホーチミンで「これいいね」と商品を取って買おうとしたら「ベンチェの方が安いよ。もったいないよ」とトゥイから購入するのをとめられてしまった。それは節約魂がトゥイに芽生えた瞬間であった。
よく日本の倹約家である主婦が、食料品のちらしとにらめっこし、安い食料品とかをチェックする。例え遠くの場所だとしても安いものがあれば、せっせと自転車で買い物に行く。
私たちの間に子供ができたらお金だってかかる。将来、子供を高校、大学にも通わせたい。そんなごくごく普通の親心を持っている。
我がファミリーのためにも継続して節約する習慣はとても大事だと考えている。トゥイも自分たちの子供には(まだ子供はいないけど)幸せになって欲しいと願っている。
私だって子供にはお金がないので大学行けなかったにはさせたくない。だから今後も節約精神は変わらないだろう。
何せもう私は独身ではない。家族の将来のことも考えて生きていかなければいけないのだから……。
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