第86話 ホーチミンのアパートに戻って冷蔵庫購入! 近くにイオンのスーパーがあった件

 ベンチェからホーチミンへの道のりは正確に計ったわけではないが、だいたいバイク移動で2時間半ぐらいだろうか。ベトナム人女性のトゥイは日本人男性の私がバイクの後部座席に乗る経験がほとんどないのも考慮し、安全運転を心がけたようである。


 それにしても長時間バイクに乗っているとお尻が痛くなる。何度もお尻を浮かせたり移動させたりしてお尻の痛みから逃れようとしたけれど、あまりにもお尻が痛くてどうしようもない時はトゥイにバイクを停車してもらうしかなかった。


 バイクから降りて休憩し、お尻の痛みが軽減したらバイクに乗るを繰り返した。やっとのことでホーチミンのアパートに到着し、喉がカラカラだったのでアパート前の露店商のおばさんから氷とコップ付きのコーラを購入し、私とトゥイは一気飲みに近い形で飲みほしたのである。


 残念ながらアパートには冷蔵庫がない。けれども生ぬるい水は飲みたくない。クーラーがないのはがまんできるけれど、冷たくない飲料を飲むのはがまんできそうにない。それに毎回、冷たい飲み物を買って飲むのは金銭的にもったいない。


 1日冷たい飲み物を飲むために200円使ったとする。わずか2ヶ月で12000円となるのだ。だったらいっそのこと冷蔵庫を12000円ぐらいで買った方が経済的にいいだろう。20リットル60円の水を冷蔵庫で冷やして飲めば節約にもなる。

※ベトナムでは20リットル60円で水が売られている。この水を小分けにして冷蔵庫で冷やして飲めば節約になる。


 ということでトゥイにネットで探してもらいお手頃な価格の冷蔵庫を購入することにした。


 これでいつでも冷たい水が飲める。嬉しい瞬間であった。次に解決したいのは 食料品の問題であった。ベトナムに短期滞在であれば毎回外食でもいいかもしれないが、長期滞在になる場合、自炊して食べる食事があってもいい。


 それにお腹が空いた時、インスタントものの食料品があると気軽に食べることができる。トゥイに近くにスーパーがあるかどうか聞いたら驚くべき返答が待っていた。


トゥイ:どこにスーパーがあるか知らない。


私:え? 何で知らないの?


トゥイ:トゥイはホーチミンのアパートを寝るためだけに使ってた。仕事行って寝るだけだよ。


私:そうなのか。じゃあ、スーパーを探しに行くしかないね。


トゥイ:しかたない。


 こうしてスーパー探しをすることになった。先ほどコーラを購入した露店商のおばさんに近くのスーパーを教えてもらった。バイクを走らせて向かうと、スーパーはイオンであった。


私:いつか行ってみたいイオンがここにあるよ。


トゥイ:トゥイもびっくりした。こんな近くにイオンがあるんだね。


 小規模タイプではあるが、イオンのロゴマークのあるスーパーがあった。日本系列のお店なので日本人が好みそうな食べ物がある。またイオングループはトップバリュというプライベートブランドの食べ物を売っている。


 日本と比べると割高になってしまうが、ホーチミンでも買うことができるのだ。トゥイから私でも食べることができそうなインスタントらーめんや焼そば、スパゲッティを教えてもらった。


 また、ここでの一番の収穫はエースコックから発売されているインスタントのうどんが売っていたことである。


 味はインスタントのどん兵衛や赤いきつねのような食感で、普段はスープを全部飲まない私であったが、懐かしい気持ちもあったのだろう。うどんのスープを全部飲み干してしまった。セール期間中だったのもあり、このうどんは1袋30円ぐらいで購入することができた。


 ベトナムにイオンが進出したことにより、私のような日本人がベトナムで日本の料理を食べることができる。これはかなり大きいことだと感じた。


 ホーチミンへ到着後、次の日にはトゥイの実家のベンチェに行き生活を始めた私であったが、日本から持ってきたもので全く使わなかったものがある。それは靴下と日本から履いてきた靴だった。ベンチェですぐクロッグバンドのようなサンダルを購入し履いていたのだけれど、これがとても便利なのである。


 私はバイクの移動中、後部座席に乗っていたということもあり、いろんな人たちの足元をチェックしていた。調査の結果、ほとんどの人たちがサンダルを履いていた。たまに道路にサンダルの片方が無残にも落ちていたのも確認した。部屋の中も石でできた床を裸足で歩き回るので靴下は必要なかった。


 スリやひったくりされないためにも、一発で外国人だと分かる服装よりも現地に馴染んだ服装にすることの方が大事なことなのかなと感じている。特に私はアクションカメラ (HDR-AS300)を持ち歩き、どこでも撮影できるようにもしている。ベトナムで購入した服とサンダルを履いて現地の人っぽい恰好をすることを心がけている。


 こうしてホーチミンのアパートでの生活が始まった。

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