第55話 出会って一週間後に国際結婚するのって無理じゃね?
ベトナム人女性のトゥイからベトナムで初めて会って一週間後に国際結婚した外国人男性とベトナム人女性の話を聞かされた。
日本人男性の私は思わず、それって偽装結婚じゃないの? と疑ってしまった。トゥイが言うには「実際に初めて会って一週間後に国際結婚した国際カップルのブログはある」と言いはる。
売り言葉に買い言葉ではないが、「だったら証拠のURLを教えてくれ」と私は言ったのである。
しばらくしてからトゥイからURLが送られてきて、私は恐る恐るのぞくと、外国人男性とベトナム人女性の幸せにいっぱいの写真があふれでていた。
まるで幸せの玉手箱状態の国際カップルである。トゥイが言うには、外国人と出会えるサイトのようなところで2人は出会い、ネット恋愛を経て、ベトナムで初めて会った2人は一週間後に国際結婚したのである。
トゥイ:私たちと同じで2人はネットで出会ったんだよ。
私:うん、ネットって凄いね。
国際結婚の場合、婚姻手続きをする国にもよるが、出会ってすぐの結婚だと偽装結婚を疑われることがある。特に日本の場合は、偽装結婚で日本で働こうと考える外国人がいるため、審査は厳しくなっているようである。
私にしてもトゥイと日本で婚姻手続きをする際、偽装結婚を疑われてしまうこともあるかもしれない。2人が本当に愛し合っている証拠を提出しなさいと言われた時、最終手段のひとつとして、この私小説を教える必要もでてくるかもしれない。
仮に証拠として教えたからには、一部始終を書かせてもらうつもりである。職員とのやり取りも記録という名の想い出として書き記したいと考えている。
ペンは剣よりも強しではないが、有名無名関係なしに誰でもインターネットで情報を発信できる時代になった。Twitterで不謹慎な言動をし、バカッターと言われる人たちも毎年のようにでてきている。
情報の正確さは別として、個人が情報を発信する時代になったのだ。トゥイにしても、どこの馬とも分からない私のことを遠い地のベトナムで待っている状態である。
もしもお互いに同じ国に住んでいたならば、さくっと会うことができただろう。よく外国人同士の遠距離恋愛は状況によっては何年も会えない。国によっては徴兵制度により、お国のために決められた期間、兵隊として働かないといけないところもある。
遠距離恋愛は心理学的に見ても恋愛が成就しにくいと言われている。遠距離恋愛中、どちらかに新たな恋人ができて失恋してしまうこともあるからだ。
ネット恋愛にしても遠距離恋愛にしても、近距離恋愛と比べるとたくさんの苦難があるような気がする。それでもその苦難を乗り越え、晴れて恋愛を成就した遠距離恋愛カップルは凄いし、見習いたいと思っている。
最近、私とトゥイはこんな会話をした。
トゥイ:あなたとトゥイがベトナムのホーチミンで美味しいものを食べて、2人はブタになるか?
私:そうだね。ブタになるのも悪くないね。
なんて、すでに若干ブタ気味の私は答えたのであった。
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