第40話 アオザイの破壊力は異常!チャイナドレスもいいけれど

 日本人男性の私とベトナム人女性のトゥイは、お互いの写真をLINEで送りあった。ネット恋愛とは言え、お互いの姿形は最低限知っておきたかったからだ。


 ベトナム女性とは言えばアオザイである。トゥイから送られてきた写真にアオザイ姿があって私は歓喜した。


 オーバーに言えば映画のキャッチフレーズで使われる全米が泣いたレベルである。


 アオザイは女性の身体の寸法をきっちり計って作られる。なので身体のぼんきゅっぱが、はっきりと分かる。しかもベトナムでは高校生の制服がアオザイなのである。


 男女問わず、アオザイは可愛いと感じるのではないだろうか。また、アオザイはピッチリとした感じの服装になるため、太ることができない。


 ある意味、アオザイを着たベトナムの高校生たちは体型を維持するため、太らない努力をしているみたいである。


 トゥイにしても高校生の時に着ていたアオザイを着て、写真を私に送ってくれた。


 つまり、トゥイは高校時代と変わらず、体型を維持してきたことになる。しかも体重が増えたからダイエットしたいと言っていたぐらいだ。


 私はトゥイの身長と体重を計算したのだが、標準体重だったので「無理してダイエットする必要ないんじゃない」と言っている。


 しかしトゥイは「太ったらあなたはトゥイに幻滅して逃げるかもしれない」と健気に心配するのであった。世界共通で女性はダイエットして痩せたい生き物なんだなと私は思った。


 けれども私にしても、世の男性たちはあまりがりがりに痩せすぎた女性は好きではないのである。どちらかというとぽっちゃりしている女性の方が好みなのだ。


 もちろん男性によってはモデル級に痩せている女性が好みの人もいるだろう。男性用にアオザイがあったら私も着てみたい願望はある。


 ただし、私は中年なのでお腹がぽっこりでているし、身体を横から見たら妊婦みたいな体型である。私は自分の体型について嘘をつくのが嫌だったので、Skypeテレビ電話の時に「これが私のお腹だ。どうだ参ったか」と言うぐらいの勢いで、お腹の映像をトゥイに見せたことがある。


 トゥイは「あなたは太ってもいいよ。トゥイのブタちゃんだから」と言ってくれるのであった。


 ブタちゃんって!


 ベトナムではアオザイを作ってくれるところはどこにでもあるだろうし、観光客のために貸しアオザイもあるだろう。ただ、日本でアオザイを作ることができるのか。それは私には分からなかった。


 トゥイの写真を見ても、やはり服装に気を使っている乙女だと感じた。たしかにトゥイがジャージ姿の写真を送ってきた日には、私はびっくりするだろう。


 見た目が全てではないけれど、多少のオシャレは必要なのかもしれない。やっぱり好きな異性からはよく見られたいんじゃないかと思った。


 私も、いつかトゥイが選んだ服を着ないといけない日がくるかもしれない。私は服装のこだわりがないので大丈夫だと思うが、できれば着心地の良い服を着れたらと思っている。

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