第九章八節 共有
「あたしら紫焔騎士団1個中隊はね、ベルナ基地からの2個大隊と共にヘルムフリートの屋敷に向かってたんですわ。ヘルムフリートの犯行の証拠、並びにヘルムフリートの確保。ただ、そこでヤツは
「異形の四本腕か。六本腕なら見覚えがあるが……」
シュランメルトは日頃から、グスタフ専用の
だがシュランメルトは、その程度の事柄がノートレイアの任務失敗の要因になるとは、まったく思っていない。
「いや、それは些細な問題だ。ノートレイアが確保し損ねるのなら、当然その
「仰る通りでございます。並の
ノートレイアは悔しさを噛みしめながら、報告を終える。
シュランメルトは瞬時に判断を下していた。
「ふむ、となると相当の強敵だろう。やはりお前達に更なる援護を頼んで正解だったようだな。しかし、
「お伝えする事はまだあります」
「何だ?」
シュランメルトが促すと、ノートレイアは報告を続ける。
「奴らは無人の
ノートレイアは、一度言葉を切った。
「有人の
「承知した。実物を見ていない以上何とも言えんが、救助も視野に入れておこう。報告はこれで終わりか?」
「はい。以上でさぁ」
「感謝する、ノートレイア。下がってくれ」
ノートレイアを下がらせたシュランメルトは、頭の中で受け取った情報を整理し始めていた……。
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