第338話 蹂躙です!!
「そんな! 一体何故っ!?」
焦りを含んだ驚愕の声が響き渡る。
その声の主は、ヴィスデロビアが主力の1人。
ルーミエル達を罠である隔離空間に閉じ込め、敵勢力を分断。
そうして統一神界へと出向いた彼らの目の前には……
「クックック、やはり面白い」
「昨日ぶりじゃな」
が軍勢を率いて不敵な笑みを浮かべる神王ネルヴィアを筆頭に、シングルの7名と統一神界の強者達の姿。
そして……隔離空間に閉じ込めたハズのナイトメアとジバルが率いる軍勢がそこには整列していた。
*
「ふっふっふ! 今頃、きっと驚いてるでしょうね!!
しかし、まさか本当にコレールの予想通りになるとは……」
ここまで計画通りに進むなんて、本当に想定外でしたね。
ヴィスデロビアが撤退したと事を罠だと瞬時に見抜き、それを逆手に取ってヴィスデロビア達少数の主戦力と膨大な数があるであろう配下の軍勢を分断する。
見事と評価するほか無い慧眼! さすコレです!!
「でも……後で文句を言ってやります」
何せ、その作戦の事を聞いたのは今日! 皆んなの前に出て鼓舞する直前だったんですからね!!
まぁ確かにコレールはナイトメアの指揮を取っていたので昨日の会議には参加してませんし。
ネルヴィア様達と話をするのは昨夜の宴の時しか無かったのは分かりますけど……
僕が酔って、メルヴィーに寝かしつけられた後に話す事無いじゃないですか!
僕を仲間外れにしてっ! 起きて宴に復帰した後も話してくれませんでしたし。
まぁ確かに一度寝て少しは醒めたとは言え、まだ酔っては今だけど! 話してくれても良かったのにっ!!
「度数の高いお酒を大量にお飲みになったお嬢様が悪いですよ」
「むぅ……それはそうですが、納得できません!!」
ついさっき迄は、この空間に乗り込んでヴィスデロビアをぶちのめしてやる気満々だったのに。
突然、相手の作戦を逆手に取った陽動とか言われても……不完全燃焼です。
しかも敵には……
「おい間抜けな小娘……貴様、何をやった?」
「ふふ……」
作戦だったとは言え、まんまと罠にハマった間抜けなピエロだと思われるなんて……
この空間の支配権を奪って、敵の軍勢を逆に隔離して皆んなと一緒に離脱しても良かったですが。
万が一って可能性がありますし、ここの敵も放置する訳にも行きませんからね。
「お前達には、僕の憂さ晴らしに付き合ってもらいますよ?」
「あはっはっは! この数を前にしてお前とそこの女のたった2人で何ができる!?」
ストレスは適度に発散しなければ!
ここの所、睡眠時間は削られ、戦争で忙しいく、特にストレスが溜まっていますからね。
それに……誰が間抜けですかっ!!
これが罠である可能性なんて当然、理解してましたよ!
でも、例え罠だったとしてもヴィスデロビアと対面さえすれば決戦に持ち込む自信はあった!!
ネルヴィア様達に極秘作戦とか言われたから、仕方なく従っただけなのに……それを、事もあろうに間抜け!?
特殊な隔離障壁がどうのと言ったましたが。
この程度のもので僕が封じられると思われている事も嘗められているとしか思えない。
「メルヴィー、早くここから出てヴィスデロビアをぶん殴りますよ」
そうして、じっくりとたっぷりと寝て、モフモフに包まれ、食べたい物を食べて自堕落な夢のスローライフを満喫するのですっ!!
「かしこまりました」
「さぁ、蹂躙です!」
「巫山戯るなよ小娘共がっ!!」
頭に血が昇ると同時に顔を真っ赤にして一斉に飛びかかって来るヴィスデロビアの軍勢達。
全くもってレディーへの接し方がなったませんね、これならまだフォルクレスの方なよっぽどマシです。
「消え去れ……」
昨日はナイトメアの名を知らしめるために態々、目立つ雷霆を放ちましたが。
今回は周囲へのパフォーマンスの一切必要ないので…… 滅光魔法、全開ですっ!!
「〝神能・殲滅ノ神〟
一瞬でヴィスデロビアの本拠地であるこの空間……小規模世界の全てが白い光に包まれる。
この
「この光の中で僕が敵と認識している存在にのみ効果を及ぼし、この滅光に耐え切れない弱者は塵すら残らない」
光が収束し、地平線の先まで蠢いていたヴィスデロビアの軍勢は忽然とその姿を消し。
この空間に残ったのは、ダメージを負った数十程度の者達のみ。
「やはり、それなりの強者が残っていましたか……貴方方には聞きたい事もありますしね。
早速本当の戦闘を始めましょう!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます