第97話:ひとまずは仲直り? (中)
こちらがぶっきらぼうに
『なに?』
と言ったにも関わらず微笑ましそうな顔をしながら引き続き俺の頭を撫でていた彩乃は一旦それをやめ、自分の席に座りお互いの目と目をしっかりと合わせてから
「ひーくんのことだから気付いてるかもしれないけど、美咲がひーくんにちょっかいを出したのは私の彼氏があまりにも素敵すぎて騙されてるんじゃないかって心配になったからなんだって」
(彩乃と友達って時点で悪い奴ではないであろうことは分かってたし、今回の件だって概ね予想通りだったな。まあだからと言って俺がコイツと仲良くするかどうかは別問題だけど)
頭では分かっていても心では納得のいっていない俺はそんなことを考えながら黙っていると藤村の時と同じように椅子に座ったままの状態でお互いの距離を縮めてき、人の両頬を引っ張りながら
「も~う、本当は嬉しいくせにそんな不機嫌そうな顔をしちゃって♪」
「すん、おへがああのはれしおひていできあのはあひゃひむえおほおあじ。ほへあえんおほどこおもとひっふぉにあれちゃおまるっひうの (ふん、俺が彩乃の彼氏として素敵なのは当たり前のことだし。そこら辺の男どもと一緒にされちゃ困るっつうの)」
「そこら辺の『自分には彼女がいる=己のステータスの一つ』みたいにファッション感覚で考えてたり、豊富な経験値を元に瞬時にどうすれば相手が喜ぶかなどが分かっちゃうオールラウンダーとは違ってひーくんは私のためだけに頑張ってくれてるんだもんね~♡」
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