第85話:その頃彩乃は
私は今ひーくんとキスがしたい。
そんな自分の気持ちを理解したと同時にお弁当のおかずの味見を大人のキスでするという我ながら悪魔的な作戦を思いついてしまった私は
(それでそれで、何回か味見をした後に)
『これ以上続けたらお昼の分がなくなっちゃうよ』
(って言ったらひーくんが)
『じゃあ彩乃の味見をする』
(って返してきてそこから私の唇を甘噛みしたりお互いの舌を絡めあったりしてきちゃったりして……そのまま私の唾液も飲まれちゃったり?)
という変態みたいなシミュレーションを一瞬で完了させ
(よし、他のカップルがどうかは知らないけど私達の初キスはこれでいこう!)
そう勝手に決めた私はひーくんの方を見ながらこっちこっちをしお弁当の味見をしてほしいから口を開けてほしいと伝えると、彼は素直にあーんをしてくれた。
(いつも思うけどひーくんってご飯を食べる時とかは絶対に口を小っちゃく開けるから女の子みたいで可愛いんだよねぇ。しかもこれは狙ってやってるわけではなく天然だから全然嫌味がないどころか、それのお陰で彼の魅力が何倍、何十倍にもなっちゃうだけじゃなく部活中とかは逆に男らしくなるから恐ろしい)
(………もしかして今私が彼と付き合えてるのって奇跡なんじゃ)
そんな考えに至った瞬間自分の中にある独占欲的なものがどんどん大きくなっていき、気付いた時には背伸びをした状態で彼の後頭部を両手で抑えたまま大人のキスをしていた。
「ちゅっ、ちゅ……んむ、ちゅ、ぢゅっ……んふっ」
(ひーくんは私の彼氏なの! こうやってひーくんとキスできるのは私だけなの‼)
(今後何があっても絶対に離さないし、他の女のところへは行けない体にしちゃうんだから‼)
「すーう、んふっ……んじゅる、じゅるる、じゅちゅ」
「ぷはっ! んむ⁉ じゅる、じゅるる……んちゅく」
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