第64話:男にとってセ○クスとは

「(ねぇ、今日ひーくんの家に泊まりに行ってもいい?)」


(これが男は体で感じるのに対し、女は心で感じるってやつか。……なるほどねぇ)


「今日は着替えを持ってきていないだろう? だから駄目」


「(じゃあ明日は着替えを持って部活に行く)」


「ちゃんと次の日に着るジャージも持って来いよ」


「(ひーくんの家にお泊りするのは明日でいいけど……今日は今日でもう少しだけ一緒にいたい)」


「………………」


別に今の言葉がどういう意味か分からなかったわけではないし、男というのはまあ何やかんやあってセ○クス=快楽というイメージを持つ人が多い傾向にあるらしく、まだそこら辺の知識が疎い俺は正直なことを言えばこのままホテルに彩乃を連れ込み


普通のキスやディープキスをしたり


服の上から、ブラの上から、それらを全部自分で脱がせて直接お○ぱいを揉んだり


色んな状況で乳○を触ったり、摘んだり、舐めたり、吸ったり


その他にも数え切れないほどやりたい・やってみたいことがあるけれども


(彩乃は俺の性欲を満たすだけのラ○ドールでなければ、己の欲望を満たしあうだけのセ○レでもない。そして今の彼女を見るに恐らくセ○クスというものはお互いが体だけで気持ちよくなるだけの行為ではないのだろう)


(しかしここで何もせずに離れるよう促してしまったら再び彩乃を傷付けることになることぐらいは分かる)


そのため俺は『絶対にこれ以上は何もしない』と決心してから優しく抱きしめ返した流れで自分の口を彼女の耳元に近づけて


「(好きだよ、彩乃)」


「(私も好きだよ、ひーくん♡)」


「でもそろそろ店長が戻ってくる時間だから、この続きはまた今度な」


(たくっ、彩乃に変なメモを渡しやがって)

_____

メモ用紙

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

《彼女ちゃんへ。ちょっと買い出しに行ってくるからお留守番よろしく。P.S.あなた達以外にお客さんは一人もいない&一時間後くらいに帰ってきます》

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