いつも私と出掛ける時は斜め掛けのショルダーバックを使っているのに今日はリュックサックを背負ってきたため色んな意味でちょっと中身が気になっていたのだが

「これ、ホワイトデーのお返し」

(あれ、これって私が好きなブランドの紙袋だよね？でもひーくんや明日香にその話をしたことはないし、たまたま？)

(というか女性向けのお店にひーくんがこれを買いに行ってくれたって考えただけでもう十分過ぎるんですけど！)

そんなことを思いながら開けてもいいか聞いてみると、緊張しているのか若干ぶっきらぼうに

「うん」

(ウチの彼氏かわいい～♡ もうこれだけで大満足なんですけど！というか今すぐギュ～ってしたい！そろそろギュ～くらいだったらさせてくれるかな？)

(………よし、綺麗にラッピングを剥がせたっと。中身は何かな～)

そんなことを考えながらゆっくりと箱を開け、中身を包んでいた薄い紙を両脇にどけてみると三つ折りタイプで薄ピンク色のキーケースが姿を現した。

(ボタン部分が金属でできたブランドの名前だけでシンプルなのも私好みなんだけど、これもたまたま？)

「参考材料が彩乃がいつも使っている財布しかなかったっていうのと、単純に俺の知識量が少ないせいで一番似てるやつを選んだんだけど……やっぱり全然違うデザインの方がよかったか？」

「全然そんなことないどころか、正直予想以上に私好みのプレゼントで驚いているくらいなんだけど……誰かにアドバイスを貰ったりしたの？」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい