ピクシー④
これは全て、わたしの推測の話として聞いていただけると幸いです。
そして、働き者である誰かに大人というものを感じて、ピクシーの本能として憧れと期待を寄せているのではないでしょうか、と。
格好の悪い親の姿は、きっと誰だってあまり見ていたくはないですよね。
ええ、わたしは嫌ですとも。
きっと見ていられません。
彼女の大人への執着ともとれる、あの質問攻め。
執着というより呪いに近いのかもしれませんね。
たとえば、決して大人という概念を理解し得ない、そう定められてしまったような。
知りたいのに知ることを許されなくて、憧ればかりが膨らんでしまうような。
その反動としての悪戯、面白おかしく過ごそうとする性格、なのではないでしょうか。
そうしたとき、彼女から見た今のわたしは、見ていられない、情けのない大人という存在だったに違いないのです。
ええ、これはわたしの推測です。
「大人さん、大人さん、なにを考え込んでいるのかしら」
めぐる思考に割り込む
「黙り込んで考えて、それであなたの仕事が進むものならそれでいいのだわ。けれどそんなことは有りはしないのでしょう?」
果たして彼女たちは本当に子どもの霊なのでしょうかと疑いたくなります。
諭されているのは、わたしのほうですね。
それはそれとして、ピクシーさん、もっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます