第239話
「一応、後学までに聞きたいんだがダンジョンコアってどんな形をしてる物なんだ?」
俺が持ち帰った宝玉がダンジョンコアだと思うが、もしかしたら違う可能性もある。
そうしたら困るから、特徴はきちんと効いておくべきだろう。
「おにいちゃん、私が説明するの。ダンジョンコアは迷宮の主が持っていて赤い魔物だと赤い色。黄色い色だと黄色い色。青い魔物だと青い色をしてるの。大きさは1メートルくらいで、ダンジョンコアが認めた主だけ持ち運びする事ができるの。それで魔力を注ぐとダンジョンマスターになれるってリネラスさんが言ってたの。それと違う人が魔力を注ぐと爆発して魔物が生まれるの」
「……ふ、ふむ」
「それでね、生まれた魔物はダンジョンコアの力を持ってるからダンジョンコアが認めた主に近づく習性があるってリネラスさんに教えてもらったの」
「……」
なるほど、つまり……俺がカレイドスコープに行ったときに一面、花が咲いていたのは俺を追ってきたんだな。
――と、いうことは……だ。
一連の騒動の騒ぎは全て、俺が発端だと言う事になってしまう。
まったく厄介な世の中だ。
とりあえずは、【エターナルフィーリング】の撤去とダンジョンコアの破壊だな。
「ユ……ユウマ。助けてくれるの?」
リネラスが涙をぽろぽろと流しながら聞いてくる。
「ああ、当たり前だろ? だいたいの理由は分かったからな」
そう、これは偶然が重なっておきた出来事にすぎない! そう偶然だから! 偶然だから! 仕方ないのだ。
だから俺は悪くない。
そう、つまり世界が悪いのだ!
「……ありがとうね、ユウマ」
リネラスは、俺が渡したハンカチで顔を拭いてから俺を見上げてくる。
「気にするな、俺たちは仲間じゃないか! 仲間を守ることは当然だろう?」
俺の言葉にリネラスは頭をコテンと横に倒す。
「……なんか、ユウマらしくない……」
リネラスは、少し考えると俺の手をガシッと握り締めてきた。
「ねえ、ユウマ? 何か隠してることない?」
「何を言ってるんだ? 俺たちは仲間だろう? 仲間同士で隠し事なんてするわけがないだろう?」
「……」
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