第129話
まずは、名前からか……。
名前ねえ、魔王ユウマでいくか?
いや、さすがにそれは露骨すぎるよな。普通に名前でいいか。
「ユウマだ」
「ユウマさんですね」
ササッと受付の女が紙に俺の名前を書く。
「ユウマさん、年齢と特技を持っていたら教えてもらえますか?」
「年齢は、一週間前に15歳になったばかりだな。特技は魔法か? 攻撃魔法も使えるぞ」
「おおー年下はいいですね!ポイント高いですよ?魔法が使えるんですね。攻撃魔法は冒険者の基本ですからいいですね。いいですね。いいですね!」
いいですねとか3回も言わなくていいから。
大事なことだから3回も言ったのか?
「それではこれがユウマさんの冒険者カードになります」
俺は受付の女から差し出された冒険者カードを受け取る。
ふむ。特殊な加工が施されているようには見えないな。
表示されてるのは、ユゼウ王国フェンデイカ支部所属Fランク冒険者ユウマだけか。
「それでは冒険者ギルドについて説明させて頂きます。まず冒険者のランクはSからFまで存在します。仕事の内容は、どの仕事でも請けることは可能ですがあまり高いランクの仕事を請けてしまうと死んでしまったり失敗したりします。ちなみに余程特殊な仕事以外は違約金はありませんのでご安心ください。
特殊な仕事はBランク以上の仕事となります。それ以上になった場合、クエストつまり仕事が失敗した場合、依頼料の3割のお金を払ってもらうことになりますのでご注意ください。
ちなみにギルドに所属して頂く特典として、ギルドカードは世界共通カードとなっておりどこの国でも簡単な審査だけで入国する事が可能です。
あとは、高ランクつまりAより上の冒険者の方に限られますが各町で!無料で宿泊できる宿がありますが……現在はこんな状態なので提供できないと思いますぅ……すいません」
「いやいや十分だよ?ああ、十分だ。うんうん」
「本当ですか!よかったです!」
パアーッと花が咲くように笑う受付の女に俺はため息をついた。
どうして俺はこんなにコイツをフォローしないといけないのか……。
とても、どこかの銀髪の赤い瞳の女性に雰囲気が似ているんだよな。
「それではユウマさん、前途多難だと思いますがこれからの貴方の冒険者人生をギルド職員一同祝福いたします!」
「――お、おう」
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