R バックラー
バックラー。盾の一種で小さめで円形のモノである。
大きな盾と違って全身を守ったりはできないが、それを比べて軽量で動かしやすいため、ピンポイントな防御が可能であり、技量がモノをいう。
主に相手の武器を打ち払うように使うことが基本的な使い方だった模様。
今回はそのバックラーが出てきた話だ。
なんか世界で初めて軍事周りで魔法が使われたとかニュースで流れてきたぞ。
魔法だなんだと言ってもただの技術なので、国の法律と使う人間の倫理観に依存するのは仕方ないところではあるが。
軍事技術に取り入れられているのは情報として把握していたので驚きもない。
要は魔法技術の軍事転用ができる目処が経ったので公表されたという話だが、本当にそうなのか疑わしい。
初心者が使う攻撃魔法とか、威力も精度も拳銃以下なのだ。
強いて言えばバフを掛けた特殊部隊がアサルトライフルで突撃かけるとかそういう研究が進んでいるとかなんとかも、機神がキャッチしているが……。
ニュースに流れてたの、派手目な攻撃魔法のデモンストレーションだったんだよなぁ。
多分どこかの独裁国家のデモンストレーションだったんだろう。
ちゃんとニュースを見ていなかったので詳しくはわからないが、そんなものをマスコミが無批判に流してるのどうかとは思う。
さて、今日の分のガチャを回すとするか。
R・バックラー
出現したのは小さな円盤状の盾だった。
それは薄くて盾というにはやや小さすぎる代物である。
それに色ガラスのようにくすんだ透明だった。
盾。
ダンジョンからいくつか出土してたり、機神が護身用に小さくてバリアを貼るものを開発していたりで、この庭では割と見る物ではある。
前にも透過がおかしい盾もガチャから排出されているし。
で、紙にはバックラー、と。
いつもなら盾とだけそっけない名前を書いているはずだが、種類まで書いているのはまあ、多分そういうことだろう。
そう思って、左手で構えて的にしている木材を弾くように小突いた。
強烈な破裂音とともに空の彼方へと吹っ飛んでいく木材。
あー……。
弾いて使う盾だとは聞いたことがあるが。
そんな勢いで弾かなくても……。
後日。兄が拳につけてグローブ代わりにしていた。
パッとしない特徴として、受けた衝撃を打ち消すこともできるようで、どんなに力を入れて殴っても拳を痛めることがないのだそうだ。
それに、やはりそのやたら強力な弾く力は殴った場合でも効果を発揮する。
それはつまり……、兄のパンチ力がやばいことになるということだ。
具体的には1立方メートルある鉄塊を空の彼方へと吹き飛ばす程度には。
多分アレ宇宙に飛んでいったな。
地球に落ちなければいいが。
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