R ICチップ・C
ICチップ。情報が書き込まれた小さなチップで、電気を流すとその入力にしたがって計算を行うものだ。
内部は非常に細かい電気の通り道の集合体となっていて、この通り道が条件に沿ってオンオフが切り替わることによって計算を行っている。
これらに必要な計算式を焼き、基盤に取り付けることで複雑な機械を制御することが出来るのだ。
今回はそのICチップが出てきた話だ。
邪神の本体があっさり死んだ。
いや、死んだというか正確には精神が白紙になったというべきか。
生き物はそれまでの経験や本能といったものから組み上げられたプログラムのようなものに従って生きている、と言える。
かなりざっくばらんな表現だが。
そのプログラムに当たるものと、あと経験とか本能とか記憶とかが根こそぎ消し飛んだ。
それによって改造した洗脳魔法を好きな命令を書き込めるようになった……。
いや、書き込めるようになったじゃないが。
何ナチュラルに生命倫理を踏みにじろうとしてるんだ、兄は。
というか抵抗がなくなった関係で邪神の本体がある場所を逆探知出来たのだが。
これが非常に困る、というかなんというか。
なんと説明して良いのか……。
上位のレイヤー、次元に根を張っていた存在なのだ。
霊的な次元での存在であり、まさに上位者と言うべき生物である。
一番説明に困るのがその存在がある場所そのもの。
なんて言えば良いのかわからない。
宗教的な表現を使うなら天国のような世界だ。
肉の体に囚われない場所……と言う意味合いでは概ねその表現が近い……ハズ。
具体的にはさっぱりわからん。
まあそういう霊的存在をうっかり洗脳してしまったので……。
まじでこれどうしよう。
なんかこう……間違いなくろくでもないことになるよね!?
最大で
はー……。
まあいいや。
ガチャ回そ。
R・ICチップ・C
出現したのはICチップだった。
指先に乗る程度の小さな……いや、ICチップ基準ではでかいのか? まあ小さくて黒いチップが出てきたのだ。
そしてその表面には妙に凝った造形のフォントで「C」と書かれている。
C?
いや何を指している言葉なのかさっぱりわからねえ。
普通チップの表面には型番や商品名が刻印されていて、壊れたときに交換が効くようになっているはずなのだが。
それにICチップとなると、基盤に取り付けるものだが。
あいにくと基盤なんてものを持っていない。
なのでサメ妖精のシャチくんの額に貼ってみた。
ピタッと張り付くがそれはシャチくんの肌がもちもちしているから張り付いているだけであり、とくになにか変わった効果が発生したわけではない。
うーむ。
機神に調べさせるか……。
後日。機神に解析させた。
機神によって解析できるのは基本的に科学的な手法によるものだ。
人類が細かくデータをつけるのとは比べ物にならないくらい精度の高い情報を解析によって作り上げることが出来るが、それはあくまで現実の範疇に縛られる。
魔法やら新しい物も組み込まれているが、結局のところそれも科学的な手法に組み込める程度には論理的なものだ。
普段景品を解析しないのは……まあ、解析しても何もわからないからである。
完全に現実の理屈を超越している物ばかりが出てくるから本当にイヤになる。
でまあ今回のチップはというと。
なんらかしか変な効果があってもおかしくはない……が、機神で調べているのはそこではない。
中身のデータだ。
中身に刻まれているデータを見ればなにかわかるんじゃないかと思って調べたのだ。
結果はというと。
中に刻まれていた解読不能データと共に、何かの設計図が入っていた。
その設計図で制作できる道具はこのICチップを4枚組み込むと特別な効果を発揮する……というものであり。
これを4枚集めろってか!?
どう考えてもガチャから出てこねえよ!
コンプガチャよりひでえ!
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