R クリスマスツリー
クリスマスツリー。クリスマスに飾り付けを行うもみの木を指すものだ。
一般の家庭にはもみの木は存在しないためもみの木を模したものや、それ用に用意された小さな植木に飾り付けを行う。
近年ではイベントとして巨大なクリスマスツリーを飾る場所も多くなってきている。
様々な趣向を凝らし、来る人を喜ばせようとデザインに注力しているのだ。
今回はクリスマスツリーが出てきた話だ。
まだ残暑も厳しいこんな時期に!?
なんか知らんが気がついたら魔法を使ったスポーツが開催されていた。
審判が魔法を使って作ったボールを、選手は魔法を使って作ったラケットで相手の陣地に打ち返すテニスのようなスポーツだ。
この競技、妙に難しい。
まずラケットを作るのが難しくて羽子板みたいな形状になっているプレイヤーが多数。
しかも集中力を切らすと魔力が離散する。
その上、審判ごとに作れるボールの質が異なるので打ち返しても思ったとおりに飛んでくれない。
その関係でめちゃくちゃ集中力を使う。
そして、めちゃくちゃ魔法の練習になる。
プログラムのように論理的なものを感覚だけで扱う、魔法の要を遊びながら養えるのだ。
それにしたってめちゃくちゃきついと思うけどねこれ。
その全てがシャドーボールの応用で出来るとはいえ、一番集中力を使う維持をずっとしていなければならないのだ。
それをなんとか維持しながらやれてるあたり、来ているのはやっぱ専門家集団だなという感じだ。
頭を使うのに慣れているというべきか。
……私?
シャドーボールの操作の延長で、もう漫画の影使いみたいに自由に動かせる様になったけど。
ぶっちゃけそのまま1時間ぐらい漫画読みながらでも維持できる。
宇宙エレベーター基部に変なスポーツが誕生したのは置いといて。
ガチャを回そう。
R・クリスマスツリー
出現したのはクリスマスツリーだった。
……この、まだ残暑が続く今日に、クリスマスツリー?
あまりにも季節外れな代物である。
しかも、普通の三角形のクリスマスツリーではなく、なにか下のほうがでっぷりしている。
その上、巻き付いた電飾が電源もなしにすでに光っているのだ。
うーん、邪魔な代物が出てきてしまった。
2メートルぐらいあって結構デカい。
どうやって動かそうかな……。
そう思って近づいたときだった。
頭からクリスマスツリーに噛みつかれた。
でっぷりした部分と上部の細くなっている部分との間が開いて、私の頭を飲み込んだのだ。
噛み付く力はそんなに強くなく、非力な私でも強引にはがせる程度だが……。
クリスマスツリーが襲ってくるって。
襲ってくるって。
陳腐なB級ホラーか。
枝を集めて腕みたいなの形状に変え、振り回してこっちに向かってくるが下半身はプラスチックの爪でしかなく、ほとんど動かせてない。
私はその遅いクリスマスツリーから距離を取る。
すると今度は電飾をピカピカと光らせ……そこからレーザーを撃ってきたのだ。
威力は服が焦げる程度。
それも断続的にしか出せないため、燃やすとかそういうことも無い。
目に当たれば失明するかもだが……。
私はそうなる前に魔力を固める。
影の矢を飛ばす魔法であるシャドーボルトをクリスマスツリーに叩き込んだ。
後日。私の魔法でばらばらになったクリスマスツリーを兄が修理した。
まあ直すのはいいのだが、直してる途中で兄がほとんど襲われる形になっていたのだが。
まるで気にしていない様子でクリスマスツリーを抑え込み、壊れた箇所を直していく兄の姿は……ぶっちゃけシュールである。
クリスマスツリーに羽交い締めを食らわせている状況というのがすでにシュールであるが、それがその羽交い締めの対象を直すためなんだから余計シュールだ。
そこまでして直す必要もない。
いや違うな……、なにか今余計なもの組み込んだぞこいつ!
何入れた!
掲示板の報酬の世界樹の枝……だと……。
その後、
この考えなしめ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます