第96話 相撲と巨兵
次に映し出された映像を僕と林介は見ていた。
そこには1人のお相撲さんが浴衣を着ながらゆらりゆらりと歩いている姿だった。
ドラロボを操るトンボ団長は巨兵のマックスボンチョと組手をしている。
大きさ的には巨兵のマックスボンチョの方が遥かにデカイのに、それでもトンボ団長はフルパワーを使って、組合が続いている。
そこに1人の浴衣を着たお相撲さんがやってくる。
彼はまわしを付けながらゆっくりとゆっくりと歩き。
「よき組合だね」
そのお相撲さんが感心するように2人の組合を見つめていた。
「ふむ、もう少し腰をいれないとね、ちゃんとした相撲にならないよ」
「ぐぎぎぎぎぎぎ、あなたは誰ですか?」
「リンスケの願いでやってきたただの相撲マニアさ」
相撲マニアと名乗ったその太った男は浴衣は腰に巻いた。
それでまわしが見えなくなると。
「さて変わろうか」
「無理だ。大きさ的に」
「だれがこの大きさでやるって言った?」
お相撲さんがにやりとほくそ笑む。
「このデンリュウを舐めないでいただきたい」
そこには先程の人間の姿ではなく、10倍の大きさになったデンリュウがいた。
デンリュウはにやりとほくそ笑むと。
「日本は大嫌いだ。自然環境もあまりよくない、それでも外国からしたら最高な自然環境だがね、おいらはそういう物より、はっきりとした自然環境が大好きなんだよ、さてそこの君レッスンが足りないよ」
どすんどすんと地面を歩きながら、ドラロボを摘み、少し離れた場所に軽く置くと、どうやらトンボ団長は苛立ちよりも助けてくれたという感謝がの方が大きかったようだ。
「突っ張りっていうのはこういうのを言うんだよ?」
デンリュウは軽く、指導するように、巨兵マックスボンチョを突き飛ばした。
マックスボンチョは後ろにずるずると下がる。
「お、おいらが負けているだとおおおお」
「君の動きには無駄が多すぎる。相撲は普通の格闘術とは違うんだよおおおお」
「おいらは相撲をやっているつもりじゃないんだけどなぁああああ」
「お前の戦い方は相撲そのものだぞ」
「なら相撲はこれはするのかよ」
マックスボンチョは突っ張りの容量で拳を突き出す。
だがそれをデンリュウが軽く払う。
「それはルール違反だ。お仕置きが必要だなああああ」
「うるせいいいいいい」
現役のお相撲さんと、戦争でしか知らない格闘術の達人の2人はぶつかりあっている。
突っ張りのグーバージョンを、デンリュウは全て手のひらの突っ張りで弾く、弾いて弾いて弾きまくる。
いつしか巨兵マックスボンチョは息を荒げている。
だが相撲を極めたデンリュウは普通に呼吸をしている。
「はぁはぁ、こんなに強い奴は初めてだぞ、楽しめそうだ」
「すでに終わっているぞ」
その発言で、この画像を見ている僕ことヒロスケと弟であるリンスケはにやりとしていた。
2人にはその光景が見えたのだ。
「お前はもう1000回以上突っ張りを受けている」
「嘘だね、全然いたく……」
それは突然現れる。
体がゆがみだす。
勝手にゆがみ、次に皮膚が裂けていく、ぐねぐねととなりながら、体が浮かび上がる。
ぐるぐると渦巻みたいに回転しながら。
巨兵マックスボンチョは吹き飛んだ。
それは遠くに吹き飛ぶのではなく、
体をミンチにされて吹き飛ぶという事だった。
デンリュウは大きな息を吸いながら、にやりとほくえみ。
「ごっつぁんです」
と呟いたのであた。
後ろではトンボ団長が目の前でするすると小さくなっていくデンリュウを見ていた。
トンボ団長はドラロボから降りると。
走った。
その偉丈夫を見る為に、そしてその偉丈夫に感謝する為に。
「あのう」
「みなまで言わずとも伝わっております。ではトンボ団長とやら、次なる戦場へ向かいましょう」
そこは近くでドワーフ少年兵達が戦っている戦場を意味し、そこには沢山の巨人達がいるわけで。
この男が1人いれば全てなんとかなる。
その時僕はこの画面を見ながらそう思った。
次元の中からだと色々な場所の映像が見える。
次元から見ているリンスケの仲間達の異常な強さにはびびりつつも、現実世界の人間と魔力そのものが融合するという事はとてつもない事なのだろう。
なぜならそれは一番僕自身が理解している事だからだ。
僕も1人のグリーンヒーローとして力を目覚めさせている。
そしてフォスフォーカスさんは、失っていた5感を取り戻し、それを絶対感覚として研ぎ澄ましたのだろう。
デンリュウさんは、体を巨大化させる事に成功しているし、後の3名がどのような力を使って戦うのかすごく興味があるけど。
いつまで僕はここにいなければならないのか。
「安心しろ、動くべくして動いた駒をお前が倒す、その為にここにいるのだから」
「それはそうだけど、なぜそのような事が分かるの?」
「俺の仲間に預言者がいる。そいつが言うにはそうらしい」
「この世界に来てるの?」
「ああ、来ているさ、空を飛んでいるかもしれない、そいつでないと5柱のグリリールは倒せないと出たらしい、まったく予言ばかりしていればいいのに、たまには戦場に歩みたいんだといさ、あのお嬢は」
「そうなんだ。そんなにすごい人が」
「それに魔力との結合で化け物になってるぞ、それは見た目ではなくて、中身でな」
「は、はは……」
僕はきょとんとしながら。
「そろそろ始まるぜ、予言者の戦いがな」
その時大きな映像が浮かび出てきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます