第89話 交易現状と国家会議
交易の現状について
===バラドリ混在王国===================
村から)歯磨きブラシ 歯磨き粉 5種類ジュース粉 囲碁、将棋、リバーシ
↓
バラドリから)麗豚肉 神秘葡萄酒 人魚の涙
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===エクスバン国家====================
村から)おもちゃの宝石 湿布薬
↓
エクスバンから)オリハルコン ダイヤ、エメラルド、サファイア
==============================
===セルフィール国家===================
村から)接着耳飾り メモ帳、スケッチブック、ボールペン、カラーペン等の文房具
↓
セルフィールから)エリクサ 強化ポーション エルフの杖
==============================
という交易状態になっている。
今のところ追加項目と削除項目はない。
その事をメモ帳にメモっておいて置く事も忘れない。
会議はあと数時間で始まる。
夜になろうと太陽が沈んでいく中、
雲が怪しげなオレンジ色に変わっていくのをただ見つめていた。
僕の隣にはネンネがいつまでもいつまでもいてくれている気がしていた。
それでもネンネにも仕事があるので、今はいなくなっている。
僕の周りにはトンボ団長とテクスチャ元交易商人と、銀髪のエルフのドスンバンがいた。
ドスンバンは一応ヒロスケの配下という形になっている。
その為、今回の護衛役として自らが志願してきた。
テクスチャはそれを見て微笑ましく、トンボ団長は頼もしそうなやつじゃと呟いていた程だった。
ドスンバンはこちらにやってくると。
「闘技場は完成いたしました。今では武術の訓練所になっておりますが、よろしいので?」
「それは大丈夫だ。本当にイベントがある時だけ真剣なバトルになってもらえればいいのだから」
「それもそうですね、闘技場は建築するのには骨がおれましたよ」
「そんなに大変なのか」
「まぁ学校よりかは大変ですねえ」
「意外と姿形が決まっている方が簡単だと思っていた」
「そうでもないですよ、色々と考えなければいけないポイントがあるので」
「なるほどなぁ」
「そろそろ時間ですヒロスケ殿」
「よし、行くか」
その時村に設置してあったテレポート装置で僕達はバラドリ混在王国の広間に到達していたのであった。
もちろんそれはエクスバン国家でもセルフィール国家でも同じこと。
エクスバン国家からは、メイル姫がやって着ているし、ドワーフ国王までいる。護衛にベピィーとリフィーがいた。髭もじゃのツッコミ役は今でもツッコミは健在だろうし、冷静沈着のリフィーは相変わらず髪の毛がもじゃもじゃでもあった。
彼等を見てにこりと笑って。
まずメイルが僕の所にダッシュしてきて、その小さい体を押し付けるように抱き着いてきた。
「会いたかったですヒロスケ」
「お久しぶりですメイル姫」
「今日の会議はよろしくお願いいたします」
「それはこちらのセリフだよ」
次に現れたのはセルフィール国家の人々だった。
テレポート装置でやってくると、
マカ姫とティネネ女王だけであった。
ティネネ女王はマカ姫の妹であるのだが、
色々な事情によりマカ姫ではなくティネネ女王が女王になったとの事。
それは昔に決まった事で、
僕が存在しない時代の話だ。
そして前方にはウルフ族のシェイグとヴァンパイア族のドンスコに魚人族のレイガスさんがいた。
その場には大きな円卓テーブルが設置されており。
代表者である僕とドワーフ王とティネネ女王とシェイグとドンスコとレイガスが座った。
その他のメンバー達は、それぞれの王を守るために背後を立っているというポジションだ。
僕の後ろにはトンボ団長とテクスチャとドスンバンさんが、ティネネ女王にはマカ姫が。
ドワーフ王にはメイル姫とベピィーとリフィーがおり、3人の族長の方には誰もついていなかった。
「まずは社交辞令から入りましょう」
その場の全員が頷くと。
「ではこのドワーフ王からいかせてもらおうかのう、この度はこの作戦会議に参加させていただきありがたく思う、そしてヒロスケ殿の交易の品々には国民達が救われている。また新しい品々を見せていただく事を楽しみにしている」
「ではこのエルフ女王が、この度はエルフ達に作戦会議の参加を許してくれた事に感謝する。そして、またヒロスケ殿の世界の交易の品々には目を光らさざるえない、それは興味深い品々ばかりだからだ。いつでも新しい品を持ってきてくれ、ディスカッションしようではないか」
「では3種族を代表してクジラの魚人であるレイガスが述べる。今この国ではブームが始まっている。それは囲碁と将棋とリバーシのブームだ。それを巻き起こした人物はヒロスケ殿だ。色々と助かる部分もある、なので我らはヒロスケ殿を助ける為ならなだってしよう」
そして最後に僕が語るのを待っているようで、僕は頭をぽりぽりと掻きながら。
少し照れながらもここでしゃきっとしないといけないと、そう気づいたから。
「僕の世界にはまだまだ無数の品々があります。それがあなたたちの国家または国を潤わす事が出来るなら、僕は頑張ります。そしてこの世界のアイテムは僕達の世界では貴重なアイテムになっているのです。怪我で苦しむ人を癒してあげる事が出来たり、ですので、これからもよろしくお願いしします」
その場がしんと静まり返り、次には1人また1人と拍手している。
「今回の司会役としてレイガスがしますのでよろしくお願いします」
その場の全員が頷く。
「まずはヒロスケ殿のいる村では何か問題が起きたのですね」
「そうです。リンゴーンという者が離反して、恐らくディン王国にこちらの情報を手土産にしていきました。のでディン王国がこちらに攻めてくるのは時間の問題ですが、こちらも少し対策を練らせてもらいました」
「して?」
ドワーフ王がこちらに尋ねると。
「経済パニックを引き起こさせました」
「そんな事が可能なの?」
ティネネ女王が尋ねると。
「これはフィギュアというののです」
僕は可愛らしい人形を王様と女王たちに見せる。
「これを貴族達は夢中で集めてしまうのです。フィギュアにはそういった魅力があるのです。僕の世界でもこれを集める為に相当なお金を使う人がいます。それは1人だけではない、という事は貴族達もその魅力にお金を注ぐのではないかと、期待しました」
「それでも微々たるお金だろう、銅貨1枚とか」
ウルフ族のシェイグさんがぴしゃりと窘めると。
「そうとも言えないのです。まず最初に売りさばき売り切れると貴族達はどうしてもフィギュアが欲しくなる。次に銀貨1枚にします。売りさばき、また貴族達がさらに欲しがる。
次は1回金貨1枚にします。というように値段を上げていくのです」
「お、恐ろしいわ」
「怖すぎるぞその商法は」
「ふ、さすがはヒロスケ殿」
ティネネ王女とメイル姫とヴァンパイア族のドンスコさんも真っ青になっている。
「ので侵攻の時間稼ぎにはなるでしょうが、なんとも言えない状況です。そして僕達にはやらねばならない事があるのです。ドワーフともエルフとも約束した事、それは奴隷達の解放です。彼らはエルフとドワーフ国で待っている家族がいるのです。さらに言えば、村や街から徴兵された兵士達を助けたいのです。皆様知力をお貸しください」
その場がしんと静まり返ると、
1人また1人と考え始める。
どうやら彼らは人間=敵だとなっていたようで、彼等はまさか徴兵された人間達まで助ける方法を考えないといけないとは思っていなかったようだ。
僕は冷や汗をかきながら、
1人また1人とい頷いている。
「ではそれぞれの意見を述べてください」
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