第79話 リサイクル品と赤ちゃん道具

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スーパーマーケット→巨大倉庫

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 巨大倉庫の扉を開くと、中ではミカンちゃんが頑張ってくれたのか、使えそうな家電が置いてある。

 

 僕はそこに足を運ぶと、ミカンと林介がノックダウンしていた。


「うう、すっかすかに襲われる」

「迷惑な夢を見るな」


 林介が突っ込みつつ、

 彼は立ち上がると。


「さてこれらなら使えそうだぞ」

「ああ、ちょっと見てみる」


 1つはテレビゲームだ。これをどうするつもりだ。あと巨大テレビ、なぜこのような高価な物がこのいらないリサイクル品の所にあるのだ。


 そして僕は閃いた。

 電波がないのだ。そしてインターネットもないのだ。


 ゲームはあちらの魔力空気により電気の代わりになるし、テレビだって電力で動くという事は魔力でも動くという事で可能。


 そしてテレビゲームは電波を必要としていない、普通に配線を繋げばいいのだ。


 テレビゲームは基本的にXFXというどこの会社なのかも分からないゲームで、ソフトはディスク式でありながら、なぜか沢山用意されているという、数100枚はあるだろうか。


 ディスクはCDとかDVDとかと大きさは違う。

 むしろ小さい。

 

「いや、林助ナイスだ。これ使える、子供達の娯楽になるぞ」

「ふふ、だからミカンちゃん言っただろ、俺はすげーんだって」

「すっかすかは色々な意味ですごいんだなぁ」

「なんだよその色々って」


 僕は気づく、弟の林介も同じような事を悩んでいるようだ。

 悩むというより、ただ気付くという感じなのだろうけど。


「とっと、次は、えーとなんだこれ?」


「髭剃りだよ、男なら使うだろ」

「使うけど、確かに家電だけど」

「こっちにはドライヤーだ。女性には人気だろ、なんか2個あったぞ」

「髭剃りが2個でドライヤーが2個でテレビが1個でXFXゲーム機が1個という事か」


「兄貴の目は節穴か? ちゃんとそこにあるだろ」


「これだよな」


 僕の目の前に鎮座しているものを見る。


 それは炊飯器であった。


 そうだ僕は忘れていたのだ。

 異世界民たちは昔風な手順で米料理を作ってきた。

 それでは時間がかかるし少し手間だ。


 この炊飯器があればあっという間に米が出来上がる。


 僕はにやりと笑い。


「それ沢山あって20個くらいあったぞ」


「どれだけ見つけているんだよ」


「しゃーねーだろミカンちゃんが見つけまくるんだから、もはや宝探しだったよな」

「おじちゃんの秘蔵コレクションも見つけたよ」


 それはエロ雑誌である。


「それ僕のじゃないから」


「えーならすっかすか?」


「俺でもねーぞ」


「ってことは、普通に買取したんだろ」


「たぶん親父だな」


「親父って金髪美女の趣味あったけ?」


「さぁ? 兄貴はどんなのタイプだ?」


「話が合えばいいさ」


「ムチムチマッチョならどうするんだよ」

「逃げるね」


 僕と林介は勝手な事を言いながら爆笑していた。


 ここまでの異世界に持っていく品を整理する事にした。


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作物の種【500袋】

肥料R18【100ボトル】

巨大テレビ【1台】

XFXゲーム機【1台】

XFXソフト【100個】

髭剃り【2個】

ドライヤー【2個】

炊飯器【20個】

加工品【数百種類】

缶詰品【数百種類】

調味料品【数十種類】

フィギュア【2000個】

レトルト商品【500食】

教科書+参考書【算数、国語、理科、体育、家庭科】【数不明】

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「じゃあ僕はそろそろ異世界に戻るよ、色々とミカンちゃんと林介ありがとな」

「兄貴1つ忘れているぜ」

「兄貴1つ忘れちゃってるわ」


 ミカンちゃんが林介の隣で同じ発言をして、真似ている姿は親子そのものであった。


 彼女はここでの生活が充実してるらしい、すっかすかと弟の事を言っているが、どことなく尊敬または信頼しているのだろう。


「てかミカン黙れ」

「すっかすかも黙れ」


 いつも通りの喧嘩が始まるが、僕は苦笑を押し隠しながら、それで何を忘れているのだろうか?


 僕は心の声で尋ねていた。


「兄貴の所には赤ちゃんとか居て、母親達が色々と大変らしいんだよなぁ」

「そうだぜ」


「ならリサイクルショップから赤ちゃん用品を買ってきた。まず洗って使える布製のオムツにベビーカーだろ、あと哺乳瓶とか、粉ミルクとか、段ボールに入れたらなんとかなるだろ」


「まて、なぜリサイクルショップに粉ミルクがあるんだ?」


「なんかベビーショップがつぶれて、またお袋が粉ミルクならと一杯格安で買い占めたそうだ」


「お袋は一体何者なのだ?」

「まぁお袋だからなぁ」

「まぁママだからなぁ」


「だからガキがあああ」


「すっかすかも消えろおおお」


「おめーらすこし黙れ」



 しょぼんとする2名、この中で一番怖かったのはどうやら僕のようでした。


 さてと、哺乳瓶が20個にベビーカーが10個に粉ミルクが10箱に布オムツが100枚くらいか、これくらいで武装車両には乗せられるな。



 僕と林介とミカンちゃんが協力しながら、

 武装車両にそれぞれの荷物を積み込んでいく。

 積み込みが終了するまでさほど時間はかからず、圧倒間に片付いてしまった。

 僕はメモ帳に次の品を追加した事を書いておく。


===================================

哺乳瓶【20個】

ベビーカー【10個】

粉ミルク【10箱】

布オムツ【100枚】

===================================



 僕は最後に武装車両をミニチュアボックスで小さくして収納すると。


「じゃな」


「おう、こっちは任せろ、あとテロリストを捕まえたの助かったよラジオで聞いた」

「それはよかった」


「おじちゃん死ぬなよ」

「そう簡単には死なないさ」


 そして僕は異世界に再び戻る事となった。

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