第60話 ニュース
【緊急速報です。手稲区にある手稲総合病院にて、テロが発生した模様、テロリストは謎の緑色の人物により駆逐された模様です。現場の大関さん】
【はい、こちら大関です。謎の緑の人物ですが爆発に巻き込まれたそうです。最悪死亡しているとの事ですが、謎の人物の登場の問題もありますが、盾と剣の組織の問題もあります。盾と剣の組織は基本的に正義の執行者ですが、それを模倣する悪が生まれているのです、では……ブツン】
僕は冷や汗を掻きながら、
研究室にあったテレビ画面の電源をリモコンで停止させる弟を見つめていた。
弟は椅子に反対から座り、頭を捻りながら考える事数分。
「兄貴、いやグリーンヒーローよ次のアイテムの話をしよう」
「それは何かの嫌味ですか?」
「いえ兄貴がそう簡単に問題を起こす人だとは思っていなかった」
「それは褒めているのですか?」
「残念がっているのさ、兄貴は現実世界では目立たない方がいいが、逆にグリーンヒーローというスーツやらヘルメットはそう簡単には外れないんだろ? 解除は出来るだろうけどさ、脱がされたら終わりだぞ! 脱げないのが兄貴のチートだろうけど」
「そうだな、僕のチートがつまりあちらとこちらの世界の魔力と人体が合わさる事の突然変異みたいなもので、それだけだと死ぬはずだったのをヴァンパイア師匠に変更えせられたのさ」
「ったく、あっちにはヴァンパイア族もいるからすごいよな、こちらでいたら差別問題で大変な事になってるぞ」
「まぁウルフ族もいたがね」
「それも恐ろしいな、世の中の犬好きたちが群がるか、ウルフ族を見て犬好きを止めていくぞ」
「そこまでかな?」
「そこまでするさ、人間の感性と言うものは突然に変異するものだからさ。さて仕事に戻ろう」
「了解だ。そういえばエリクサが10枚余ったから先程渡した10枚と合わせて使ってくれ」
「ああ、助かる」
「次のアイテムだが、またエルフ族の品だ。飛翔マントと呼ばれるもので、一般的な家からジャンプして地上に降り立つまでをゆっくりと飛翔する程度だと言われているが、この世界に接触する事によりどうなっているかは分からない」
「そ、そうか、飛翔マントね、兄貴使ってみてくれ」
「了解だな、まぁ家からジャンプする程度では僕は死なないから、隣の5階建てのアパートから飛び降りるよ」
僕は普通の人が聞いたらとんでもない内容の会話をしているのだろうと思いつつも。
飛翔マントを背中に着用して歩き出した。
異変は隣のアパートに行き時から既に生じていたのだ。
「おい兄貴」
「なんだ林介」
「兄貴空中を歩いているぞ」
「え?」
僕は空中をまるで浮遊靴があるならそうなのかも知れないが、空中を歩き、どんどんと上に上昇していく、止まると停止するが、空中に静止している。
近くにいた老人たちが仰天顔で気絶し近くにいた子供たちがぎゃああと悲鳴をあげて逃げる。
きっと幽霊と間違えたのだろう。
リサイクルショップでは母さんがこちらを指さして爆笑している。
爆笑ですむんかい、確かに母さんには異世界人疑惑があるのだから。
以外と免疫はあるのだろう。
「でこれどうやって降りるの?」
「し、知るかよ」
「弟よ何か考えてくれ」
「なら、マントを脱いだらどうだ?」
「そうしよう」
僕は飛翔マントを背中から外す。
重力とは無情なものだ。
地面に落下していく体を操作できないのだから。
「へぶしいいいい」
顔面から激突したのであった。
ということで先程の巨大倉庫に戻り、2人は研究室の椅子で向かい合って考えている。
「この飛翔マントはなにに使えばいいんだ」
僕達はそこで考えていたのだ。
エリクサだったら部分欠損している人を助けることが出来る。
だが飛翔マントがたった1枚ある程度で何になるのか?
「いっそのことグリーンヒーローの装備にしようぜ」
「いいけど、空飛んだらアメリカのヒーローと間違われるぞ」
「正確には飛ぶのではなく空を走るだよ」
「何気なく恥ずかしさがてんこもりな気がするが、どこの世界に空中を必至で猛スピードで走るヒーローがいるのかな?」
「ここにいるだろ、作ればいいんだよ、新しいヒーロー像ってやつを、みんなから見たら確かに恥ずかしいかもしれない、それは羞恥プレイだろう全身タイツで衣服の上にタイツを羽織る感じなんだろうけどさ、それでも全身が緑一面は恥ずかしいよな、さらにヘルメットとか、ぷ」
「なぁ今僕は猛烈に弟に殺意をもっているぞ」
「す、すまんすまん、さて、これは兄貴の装備品という事で、持ち運んでおいて」
「はぁ、そうなるわな」
僕は飛翔マントを握り、背中に羽織る。
恐らくだけど集中力の問題で空を歩くとか歩かないとかを切り替える事が出来るはずだ。
そうでもしないととんでもない事になりそうだし、だって四六時中空を歩いていたら、周りからいい迷惑だろう、もし僕が女性だったらパンツ丸出しの痴女になるだろう、
うむ、スカートは穿かないでおこう、まぁ僕の人生予定でスカートを穿く予定はないはずだ。
「じゃあ兄貴次行ってみようじゃねーか」
「それもそうだな、気を取り直して」
「って、残りは本かな? 俺は本が大嫌いなんだが」
「気にするな、僕もよくわかってない、では説明しましょうか、まとめて【召喚魔法の書】【属性魔法の書】【付与魔法の書】【剣術の秘技書】【槍術の秘技書】【弓道の秘技書】【斧術の秘技書】【杖術の秘技書】これでエルフの交易の献上品見たいなやつは終了だよ」
「……」
「え……」
「これどうすんの?」
「そんな事を聞くなよ」
「もしもだよ、この魔法書を読んだ人が魔法使えたらこの世界パニックだぞ」
「しょうがないだろ、エルフ達がくれるって」
「魔法は魔力が無ければ使えないだろうどけ、もしかしたら人間には魔力が存在しており、沢山の人々にはそれを感知する事が出来ていないだけかも知れない」
「うむ、その可能性はあるだろうけど」
「ちょっと考えさせてくれ2分くれ」
「そんなに短くていいのか」
「一服すれば色々見えてくる」
「そうだな」
2人は沈黙し、僕は本をちらりちらりと見ながら。
弟は巨大倉庫の外でタバコを吸っていた。
これがいわゆる僕たちの日常になりつつあった。
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