第37話 交易の道とプラモデルの道

「父様、今回の交易の道の製作はわたくしに任せてくれませぬか」

「うむ、そのほうが良いじゃろう、お主ならヒロスケ殿のことに詳しかろう、それにお主には【心の目】があるからのう」

「はい、ベピィーとリフィーは連れていきますが宜しいですね?」

「もちろんじゃ、おぬしのドワーフ工兵隊を使うのだろう?」

「やはり父様、そこまで見抜いていましたか」

「娘じゃからのう、妻の尻と娘の尻が同じ大きさだったとき歓喜したものじゃ」

「父様のエッチですわ」

「うふふぉふぉ」


「ではドワーフ国王さま、僕たちは交易の道を作ろうと思いますが、まず最初にエルフたちと交渉しなくてはいけません、そのためにメイル姫をお借りしたいのですが」

「そなたに色々と任せよ、わしは、娘が返ってきた時にいつでも準備ができるようにドワーフ工兵隊の士気をあげていよう」


「父様お願いしますわ」


「つまり僕がエルフ王国とその他の種族から了承をおらえれば、この3つに交易の道を作る、そのためにはメイル姫のドワーフ代表として動いていただくことが必須項目で、決まりしだい工事を始めると、了解できました?」


「もちろんですヒロスケ殿、父様も問題なくて?」

「そうじゃのう、ただ、ヒロスケ殿これだけは約束してくれ」

「はい」

「姫に手をだしたら死ぬと思え」

「心に念じておきます」


「ではゆけい」


 後ろの巨大な扉が開かれた。

 湿布に夢中になっている国王がそこにはいた。


 それを見て見ぬふりをしながら、


 荷物の大半はおもちゃの宝石と湿布薬とプラモデルの設計図。

 一応見本としてプラモデルのパーツも持ってきているし、

 この世界に適応したのか設計図はこの世界の文字に変換されていた。

 プラモデルとその設計図は国王に渡した。


 本当に都合のいい世界だなと心の中で突っ込んでいた。


「では交易店に行きましょう、あなたが持ってきた交易の品は国王が認めたという証がこれです」


 それは大きな髪に国王の手形があるだけだった。


「これを交易商に見せれば、それ相応の物をくれるでしょう、お金にすることも物品にすることもできます」


「基本は物品でいいや」


「ではこちらです」


 メイル姫とその両隣にはガードマンらしく2名のベピィーとリフィーがいた。

 髭もじゃと髪もじゃのマッチはある意味すごいのだろう。


 交易商はとても大きく僕はフェイブマックスXから大量の荷物を取り出す。

 ベピィーとリフィーが手伝ってくれるも、その沢山の荷物とさらに人間が来たことで交易商は仰天している。


 安心してくれたのは僕の隣にメイル姫がいるからだろう。


「メイル姫さま、これはどういうことなのでしょうか?」

「交易商さんにお願いがあります。この手形を見てください」


 交易商はその手形を受け取ると仰天している。


「国王が認めたのですか? あの天然で突然鋭くなるあの阿保国王が?」

「不敬罪だから気を付けるように」

「す、すみません、メイル姫様。それでこの度は」


「この荷物を受け取ってほしい、これがおも、ではなくて、宝石で、こちらが湿布薬と呼ばれるもの」


 プラモデルの設計図はドワーフ国王に渡したので全てであり、

 一般のお店に売らないほうがいいと思った。

 下手したら一般のお店が武装しかねないからだ。


「この宝石は、す、すごいぞおお、この成分はこの山岳地帯でも見られない、オリハルコンよりも珍しいぞ、こ、これはすごい武器が」


 心の中で僕は申し訳なくなっていた。

 その宝石はおもちゃの宝石であり

 それでもこの世界にはない素材なのかもしれないけど、

 ちょっと悲しくなってくるけど、それで最強の武具が作れればいいだろう。

 そしたらどんどん持ってくるよ。


「こちらが、湿布薬ですね、ふむ、ごく普通ですね、臭いはハッカみたな臭いですね、ちょっとわたしは昨日右膝をやらかしましてね、ちょっと張って見て、す、すぎええええ、治ったああああ」


「そんなに早く治るんかい」


 僕は思わず突っ込んでいた。


「こ、これはエリクサよりもすごいのでは」

「エリクサってあの?」

「エリクサでも二日はかかるのに、でもこの湿布を飲み込むわけには」

「貼る薬として頼む、エリクサの様に食べたからよくなる効果はないと思う」

「なるほどそういう事ですか、それで交易の品はお金と物品にすることができますが」

「じゃあ、物品にしてくれ」

「では少々お待ちください」


 交易商が後ろに下がると、

 後ろにいたメンバーたちが動き出す。


「野郎ども、とんでもないお客さんが来た。これからもひいきさせて頂くために、最高な交易の品を提供しようと思う、いいか野郎ども、これが今回の利益だ」


 こちらに見えない額をあちらに見せている。


「うおおおおお」

「ふぉおおおおおおおおおおおお」

「あがやあああああああああああ」

「りょおおおおおおおおおおお」


「あいつら大丈夫なのか?」


 僕の問いかけに、少しひき気味のメイル姫がいる。


「彼らも頑張っているのですわ」


 それから15分待たされると荷物を出す出口から交易商の人が出てくる。


「こちらが品です。説明させてください」


「ああ、頼む」


【ゴッドポーション2個、オリハルコンの剣5本、テレポート設置式4個】

「まずはゴッドポーションになりますが、これはどのような重症な病でもすぐに治療してしまうものです。治療の難しい状態変化に使われます。オリハルコンの剣は、エクスバン国家で最強とされる剣であり、なんでも両断できます。最後がテレポート設置式ですが、2か所以上に設置すると、自分の意識でそこにテレポートすることができます」


「テレポート設置式は荷物も運んでくれるのか?」

「もちろんであります。そうしないと素っ裸で移動することになりますよ」

「それは恐ろしい」


「問題がなければこれで交渉したいのですが」

「全然かまわないよ」

「ありがとうございます。今後ともごひいきをお願いします」

「もちろんだとも」


 この国に沢山のおもちゃの宝石の沢山の湿布薬が充満してくれることを願って。

 僕とメイル姫とベピィーとリフィーは沢山の建造物を後にしタートルゴーレムの外に出ることとなった。

 出るときはタートルゴーレムの口がゆっくりと開き、いつもの山々の荒野が続き。


「エルフ王国のセルフィール国家はこちらですわ」


 ベピィーとリフィーがサイノスターの馬車を連れてくる。 

 僕はフェイブマックスXに乗ると。

 セルフィール国家目指して移動を始めた。

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