第28話 特産品はガチャガチャか!?
四角い箱のような物がある、そこに銅貨1枚を入れ、回転させるドアノブみたいなやつを回転させる。
すると1個のカプセルに入ったものが出てくる。
え
「実はこちらの世界の銅貨と僕の世界の硬化の大きさと質が違うものだと思っていました。しかし大きさも同じで質も同じみたいで問題がなかったのです」
テクスチャ商人はなるほどと頷いている。
「つまり銅貨でないとこのガチャガチャとやらは動く事はしないという事ですね」
「その通りです。似たような貨幣も通用しません、ただし銅貨と同じ大きさで質が同じなら通用するでしょう」
「なるほど、フィギュアを見せてもらいましょう、お、このカプセルは面白い作りだ」
「その通りですこのカプセルは僕の世界の沢山ある発明品の1つです。沢山の偉人に感謝です」
「ほー、このフィギュアなる物の細工はすごいなぁ、事細かに再現されている。あまり見た事のないモンスターのようでいて、なんだろう和む要素がある。このモンスターのような物もあれば、機械みたいな物もある。こんな飛行機があなたの世界にはあるのですね」
「その通りですテクスチャ商人」
「では、このフィギュアという特産物を街に運びましょう、ちょうど今日出発する予定でしたので、これが契約書です。魔法契約といいまして、契約違反があれば違反した人を永遠に追跡できる魔法が付与されています」
「ちょっと見せてください」
この村の村長であるネンネがその契約書を確認している。
「ぬかりは無いようです。どうかよろしくお願いします」
「もちろんです」
僕達はテクスチャ商人が大きな馬車を操って、村の街道からどんどんと遠くなっていくのを見守った。
その後ろ姿を見ていると、彼が無事で街に辿り着く事を願っていた。
「あのテクスチャ商人只者ではないです。身のこなしからして、相当な武術の達人ですよ」
「なんでネンネはそういう事が分かるの?」
「わたしの遠いい親戚がそういう武術の達人がいたのです。懐かしいです」
「そうか、そんな事が」
まずはガチャガチャプロジェクトがひと段落すると。
僕とネンネは次の課題となるべき物を相談しあっていた。
村長宅の食堂で2人は意見の飛ばし合いをしていた。
「そろそろ城壁なるものを作ろうと思うのだが、この前も山賊が来ただろう? 同じ過ちは繰り返したくないんだ」
「それは良いかもしれませんけど、城壁を作るには素材が必要です。プラントの植物もまだまだありますが、こちらはあなたの世界で必要とされる部分とこの村の建物の改修作業または増築作業で手一杯です」
「プラントモンスターがいかに伝説のモンスターである素材と言う事がよく分かるよ」
「その通りです。また発生させるには……今わたしはとんでもない事を思いついたのです。この村にはヒロスケ殿が用意した肥料はなくなっています。ヒロスケ殿の肥料とこの世界の土が混ざることによって、あと森の中にある自然で健康的な土を使っていましたが、またヒロスケ殿が現実世界から肥料をもってくれれば、今度は雑草そのものにぶち込めば」
「なるほどまたプラントモンスターが出現すると?」
「その通りですわ」
「よしやろう、それをやればプラントモンスターの素材が手に入るし」
「それとスライムの素が必要です。せっかくなのですから、最強に堅い城壁にしましょう、ウィルソン達に相談してみます」
「ああ、頼むよ、僕は早急に現実に戻ってくる」
「お願いします」
――――――――――――――
村(異世界)→巨大倉庫(現実世界)
――――――――――――――
巨大倉庫にたどり着くと、
最近ではこいつ暇人説が出ている林介がいた。
「おう、兄貴、乾燥機を準備しておいたぜ、全部で5台くらいだ。兄貴が洗濯機を用意するのに乾燥機を用意しないのはおかしいと思ったぜ、だから勝手に準備を」
「林介、すごく助かる」
「まぁリサイクルショップで購入した時に、お袋に睨まれたけどな、あれか? 5股しているとでも思ったのか、さすがの俺でも5股はできねーぞ」
「は、はは、そうだ、フィギュアの件だが、商人に街で特産物として売り出しにしてもらったよ」
「そりゃよかった」
「今日来たのは肥料が必要でさ」
「どのくらい?」
「相当な量なんだ。プラントモンスターを増殖させる」
「それはこちらの世界でも助かっている。宇宙開発ではプラントモンスターの素材が必要とされており、さらにはこの地球上にはプラントモンスターの代用になるものはない、ダイヤモンドの変わりがないというものだな」
「どうやら伝説の名前は凄いのかもしれない」
「確か、プラントモンスターは伝説の植物モンスターだったな」
「そうだ」
「よし、俺も手伝う、肥料を買いに行くぞ、どこ製とかってあるのか?」
「おそらく何でもいいと思う」
―――――――――――――――
巨大倉庫→ホームセンター(肥料爆買)
―――――――――――――――
現在車の中で、
「さすがに肥料はお袋のリサイクルショップにはないから、ホームセンターに来るしかねーよな」
「それは僕も思うけど」
車を降りる2名はその足でホームセンターの肥料コーナーに到着。
現在2人の兄弟は肥料をカートに乗せまくる。
その数200個くらい。
すごい数のカートを引っ張る2人の兄弟を見ている。周りのお客さん達、子供達がこちらを輝かしい眼でみている。
だから僕達はヒーローじゃないんだってと、心の中で突っ込む。
店員が失笑していた。
―――――――――――――――
ホームセンター→巨大倉庫
―――――――――――――――
巨大倉庫の異世界に通じる扉には、フェイブマックスXを準備させ、
鎖でつながれた荷物を乗せれる板状の箇所に片っ端から肥料を積み込む。
あっという間に10個の連結部分は埋まってしまい、
ゆっくりと異世界に旅立つ。
「兄貴、いろいろと気を付けろよ」
「了解した。それとドラゴンの卵の殻も持ってきておいたから、調べてくれ」
「ど、ドラゴン? 了解したぜ、これだな」
林介がテーブルの上に乗っていた卵の殻を持ち上げているのを見て。
僕は扉に向かった。
―――――――――――――――
巨大倉庫(現実世界)→村(異世界)
―――――――――――――――
「うわあああ、すごい」
村に到着するとネンネは驚きの声を上げていた。
ネンネの肩からこちらを見て親が戻ってきたと思ったのか僕の頭の上に乗る事となったドルゴン、
ドルゴンは僕の頭についている小さな虫を食べ始める。
お前はニホンザルかと突っ込みたかったけど。
「これらを雑草にぶちまける。村人達を集めてくれ」
「分かった。今鐘を鳴らすわ」
ネンネの村長宅の屋上には鐘を鳴らす所がある。
緊急事態の時の鐘の鳴らし方と、仕事があるから手伝えという鐘の鳴らし方がある事をネンネに教わった。
今の鐘の鳴らし方は、仕事があるから手伝えというものだった。
2分後には村中から人々がやってくる。
その数は30名くらい。
現在の人口は100名とされている。
あと僕はちゃっかり最後の連結部分に5台の乾燥機が設置されていることに気づいた。
弟よ配慮が行き届いていると思った。
さすがは会社の社長だと思いつつも。
「ではみなさんにお願いがあります。この乾燥機5台を洗濯室の中に設置してほしいのです。ただし運んで設置するだけでいいです。衝撃は与えないように」
10名の村人達が手を挙げて乾燥機を運んでいった。
そのほかの20名は何の仕事があるかとわくわくした目付きでこちらを見ている。
ちなみにその中にはウィルソン、ラングン、リンゴーン、ディボンド、ネッティーがいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます