真実




 中国との戦争を続ける日本政府からのとある密命を帯びて、ロスのリトル・トーキョーの日系新聞社の社長、フジモトと会談する沙羅。

 彼はかつて沙羅がエリザベス大統領であった頃の補佐官ジョージ・シズラーの転生体であった。以下、ジョージと記す。



「やっぱり人類は核を諦められなかったのね」



「はい、あなたの記憶から少なくとも合衆国と日本では兵器利用の計画は、議会などでのそういった発言さえも禁句とされるようになりました」



「でも忍者は世界中でそういった動きを観測してそのたびにそういう不穏な動きを潰していってたんでしょ?日本の忍者組織から聞いてるわよ」



「はい、しかしそれでも追いきれないほど、人類の欲求はとどまることなく、核兵器誕生を止められないと悟った日本政府は開発関係者と取引をし、核を見逃したのです」



「それで、どこの国が作ってたの?」



「それが・・・世界初のそれを作っていたのは国家や軍隊ではなく、日本国内の中華系マフィアだったんです・・・・・・」



    ジョージはそのマフィアが中国共産党の出先機関であったこと、それを見落としていた日本政府は体裁を保つために情報統制を厳にし、数年前まで同盟国どころか自国の軍隊にも隠し続けた事などが、今回の戦争に繋がっていったと話す。


「それじゃ今回の戦争って・・・」



「ええ、古久保内閣は軍部に押されて宣戦した格好です、ですからすぐに戦争を終わらせる為に裏ルートで貴女をここによこした」



「・・・・・・」



 ジョージによって明かされた開戦の真実、日本軍の政府への不信、そして沙羅が日本政府に利用されている形となっていること、最終的に沙羅の下す判断はいかなるものなのか











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