第325話 苦悩のリトリート

 意識はある。見えているし、聞こえている。

 だが、声を発するどころか顎の1つも動かすことはできず、首から下は犬猫にバラされた時同様に感覚がない。


『後退って、ご主人はどうするッスか!?』


『心配ない、皆の安全が確認でき次第退避するさ。それに、どうにもこのアンノウンは翡翠にご執心らしくてね』


『そうは言うけれど、私たちも逃げられるかわからない。タマクシゲの調子がさっきからおかしい。それに、ポラリスが――』


『んぐぐ……こおりのピンが、とけちゃいそうになってるのぉ……!?』


『シューニャ、ハンドル下にある赤いレバーを手前に引いて左へ捻るんだ。それで玉匣の状態は一時的に回復するから、ポラリスが頑張っている内にできるだけアンノウンから距離を取ってくれ』


『機関出力低下! 隊長、俺はどうすれば――!?』


『エーテル機関を閉塞循環モードに切り替えろ。民間機でも、暫くは全力稼働できるはずだ。その間に玉匣へ合流してくれ。皆を頼むぞ、アラン君』


 飛び交う通信を聞く限り、状況が切迫しているのは俺だけではないらしい。

 閉塞循環モードを選ばせているということは、空間エーテル濃度が機関の動作限界値を下回っているということだ。


 ――ったく、あのスケコマシ。無駄に格好つけやがってよぉ。


 女どもがどんな気持ちで聞いているか、分かっているだろうに。状況が見えない以上何とも言えないが、あのクソデカスライムが翡翠に狙いを絞っていて、恭一が囮になるのが現状の最善策だとしても、やはり気に食わない。

 毒の1つも吐けないのが、ここまで鬱憤を貯めるとは思わなかった。それも頭上から緊張した声まで聞こえてくるのだから、なおさらである。


「……後でいくらでも謝るわ。だから、許して頂戴ね」


 マオリィネがそう言うや、ガシャリと金属音が鳴って視界がテーマパークのコーヒーカップに乗せられたかの如くぐるりと回る。どうやら、俺の頭蓋は助手席かどこかへ移動させられたらしく、視界に残ったのは崩れた自分の骨と、銀に輝く小札の腰巻だけだった。愛用の兜はどこへ行ったか分からない。


「シューニャにだってできているのよ。私だってやってみせる、止めるくらい!」


 頭上から、緊張した声がしたかと思うと、俺の視界はまたぐるりと回りだす。

 待て無茶をするな。空間エーテル濃度が希薄化してるんだから、真っ直ぐ走ってればその内勝手に止まるだろうに。馬鹿野郎、そんなに雑くブレーキを踏みこむんじゃねぇ。ゾウでももうちょい慎重にやるぞ。

 言いたいことは山ほどあるが、声が出ない上に視界がシャッフルされていては何が何やら。感覚がないのでわからないが、下顎骨は定位置に残っているのだろうか。


「っくぅぅぅ!? 普段、どんな感じで操ってるのよ、これぇ!?」


 座席から転げ落ちる俺。叫びたいけれど叫べないもどかしさ。少々気持ち悪くなってきたが、頭骨だけでは吐くこともできない。

 衝撃の強さと横滑りしている感覚から、ジャックナイフでも起こしたのだろう。運転が省力化されているシャルトルズと違い、マキナ運搬車は一般的なオートマチックのトレーラーなのだ。不整地路で急ブレーキをかければ、当然と言える。


 ――ひっくり返らなきゃいいナァ。


 思考が勝手に諦めへと突っ走るはずである。

 俺の頭はシートの下をあっちへゴロゴロこっちへゴロゴロ。これなら意識を失っていた方がマシだったかもしれないくらいだった。

 そんな地獄が終わるまで、果たしてどれくらいかかったか。とりあえず、横転という最悪の事態は免れたらしく、眼孔目掛けてガラス片が降り注いでくることはなかった。


「はぁ……っ、はぁ……っ、とまっ、た……? とまった……!」


 マオリィネはそう言うと、滝のような冷や汗で頬に貼りついた黒髪を振り払い、アハハと子どものように笑う。


「やれば、できるじゃない、私、はぁ――っと」


 ガントレットが伸びて来て、俺の頭を攫う。その時にカチンと音がしたので、どうやら下顎骨は外れていないらしい。何故と聞かれたところで、理由は俺にもわからないが。

 マオリィネは鎧姿の小脇に頭蓋骨を抱えているという、中々ロックな見た目になりながら、運転席側の扉を開けて外に出る。

 前には乾いた土地と遠くに火山が見え、コゾ畑はいつしか後ろへ遠く、その向こうにはうねうねと揺れる赤い液状生物が見えた。


 ――成程、食いついてるってのも嘘じゃねぇか。


 アンノウンはゲル状の体を持ち上げ、北の空を飛ぶ翡翠へ追いすがる。その正確な理由は分からないが、翡翠の保持しているエネルギーに反応している可能性は高い。

 膨張が止まった事とも相まって、全方位への進行はできなくなったのだろう。友軍部隊の方へ向かっていたゲル体は大きく退いている反面、跳ね回るノルフェンと翡翠へ集中することで縦長の恰好となっていた。当然、支援射撃のために撤退判断が遅れた玉匣も、射程圏内に留めたままである。


「どう、したもん、か、ねェ」


「ダマル! 貴方、大丈夫なの!?」


「お、う? なんか知らんが、喋れてんな」


 マオリィネはギョッとした様子で琥珀色の目を見開いたが、驚いたのはむしろ俺の方である。動かないだろうと高を括って、無音の独り言を呟き続けていれば、唐突に顎が動いたのだから。

 もしかすると、アンノウンとの距離が開いたことが理由かもしれない。少々下顎骨に違和感が残っているものの、置物頭蓋骨から比べれば喋れるだけで上等だ。


「さっきの様子じゃ、流石に運転ってのは難しいか……」


「……ええ、ごめんなさい」


「謝るこたぁねぇよ。動けるだけで俺よりゃマシだぜ。つってもなァ」


 悔しそうに震える唇に、俺は少し考える。

 できれば合流を急ぎたいところだが、自分たちは玉匣よりも友軍部隊よりも前を走っていたのだ。ここで引き返すという判断は避けるべきだろう。

 ならば、待機こそが最速の合流となる訳だが、その間に自分たちは何ができるのか。


「とりあえず甲鉄だな。役に立つかは分からねぇが」


「そう、そうよね。わかったわ」


 それしかない。いや、それしか思いつかなかったと言うのが正しいか。

 サーモバリック弾は既に底をついており、僅かに残った通常榴弾では焼け石に水程度の効果しか望めないだろう。それも空間エーテル濃度の希薄化が続いているとすれば、エネルギー効率の悪い第一世代機が稼働できる時間など僅かしかない。

 マオリィネは小さく頷き、手際よく荷解き作業にかかってくれる。だが、扉が開け放たれたままの運転席に降ろされた俺は、本当にこれでいいのかと思考を回していた。

 自分達だけで逃げ出すなら容易いだろう。だが、そうしたところで確実に失われるのは信頼くらいで、ゲルの脅威が消えるかどうかはわからない。何より、俺の選んだ最強の相棒は、エデュアルトやフェアリーと言った友好を深めた相手を、見捨てて逃げるような男ではないことは明白である。

 だとして、この迷路の出口はどこにあるのか。

 腕を組むことも、頭を掻くことも、何なら煙草に火をつけることすらままならない己が身に、俺は相当苛立ちを募らせていたのだろう。おかげでズズズという地響きの幻聴まで聞こえ始める始末。


「――おぉ……だ……さぁん……」


 随分と都合のいい頭とでも言うべきか。

 何故こんな時に限って、思考を揺さぶってくるゆるふわ甘ったるい女の声が聞こえてくるのか。会いたいと思っているのは事実だが、今じゃないだろうと幻聴相手に本気でキレそうになり、ふと思考が凍る。


 ――待て、幻聴だと?


 唯一動かせる顎だけで、何とか頭蓋骨をズラす。


「マーオー! ダマルさぁーん!」


 顎が外れるかと思った。言葉のままの意味で。

 そこに見えたのは、土埃を上げて走る巨大な獣の群れと、それを率いるシャルトルズ並の大型装輪装甲車。しかも自衛用の車載機関銃座に、大きく手を振る女神付きである。

 もしかすると、俺はまだ夢の中に居たのかもしれない。とてもとても、都合のいい夢の中に。



 ■



 タマクシゲの調子は、キョウイチの言うとおりにすれば元に戻った。

 しかし、不穏な赤い印がめぇたぁの近くに浮かび上がったままとなり、その隣で神代の数字が少しずつ減ってゆく。


『アポロニア、早く撃って早く! 左後ろからぐにょぐにょが近づいてますよ!』


『ンなこと言われたって、こっちは触るの初めてなんスから――えぇい、こんにゃろぉ!』


 ドンドンと2回連続で太鼓のような音が響き、合わせて車体に微かな振動が走る。

 放たれたショウイリュウダンはファティマの言うぐにょぐにょ目掛けて飛び、その僅か手前で白い炎の花を開かせた。

 一体どれほど熱いのか、私には想像もつかない。それを直接浴びた部分の赤い粘液は溶け落ち、周囲も嫌がるように縮こまる。

 だがそれだけだ。1回の瞬きを終えれば、後ろから寄せてくる大量の粘液に押され、また確実に広がり始めてしまう。

 その先端へ、今度は白緑色の光が突き刺さった。


『くそっ……抑えても抑えてもキリがない! そう長くは持たないというのに!』


「アラン、動けなくなる前に戻って。今の私たちでは、貴方を助けに行けない」


『わかっている! だが、何もせず振り切れる相手じゃないぞ!』


 飛び散ったあんのうんを浴びているからか、のるふぇんの装甲には点々と小さな穴が穿たれている。

 それでも彼は必死にぷらずまとぉちを振り回し、敵の動きを遅らせ続けていた。

 息切れが先かカドウゲンカイとやらが先か。どちらにせよそう遠くないだろう。

 タマクシゲにしても、神代の数字がゼロを示すよりも先に、もう1つの限界を迎える可能性も十分にあった。


『ポーちゃん、頑張るッスよ!』


「うぐぐぅ……なんで、こおって、くれないの!」


 ポラリスはホウシュをアポロニアと交代し、魔術の行使に全力を注いでいる。それでもなお、リタイを固定するピンは徐々にその強度を失っていっているらしい。だから私はピンへの負担を減らすため、できる限り速度を変えないように、また真っ直ぐ走り続けることを意識していた。

 もしキョウイチがあんのうんを引き付けてくれていなければ、私たちは既に赤い液体の中だったかもしれない。ただ、この状況が続くだけなら、彼の努力も無駄な抵抗に終わる。

 タマクシゲを操ることと、考えることくらいしか役に立たない私は、一体どうすればいいのだろう。どうすれば皆を、家族を守れるのだろう。

 遠く後方の空に、光の剣を持って太い柱状になったあんのうんを斬り払うヒスイが見える。


 ――ヒスイに強く引き寄せられるのは、何故? 1番近くに居るから、それだけ?


 ルイスがそうだったように、私の勉強してきた知識など神代のそれに遠く及ばない。だが、分からないからと考えることを止めれば、本当に何もできなくなってしまう気がして、それがどうしても怖かった。

 だから考えて考えて考えて。


『だぁーっ! しつっこい! どこまでついてきやがるッスかコイツぅ!』


『なんなんでしょうホント……あっ、けど、味方からは離れたみたいですよ。ぐにょぐにょ』


 ファティマが呟いた一言に、私はハッとして横を見る。

 タマクシゲの運転とあんのうんへの疑問に集中していた自分は、いつしか前と後ろだけを見て、横方向の様子はいつしか思考の外に落ちていたらしい。

 けれど、私は気付いた。気付かせてもらえた。可能性とは、時として簡単に転がってくるのだと。


「……ッ! アラン、試したいことがある! すぐタマクシゲに戻って!」


『何を思いついたか知らないが、お前の頭でこの状況を打開できると!?』


「信じてとは言わない。ただ、何もしないよりマシと言うだけ!」


 どうせ逃げ続けたところで後がないのだ。ならば、思い付きだろうとなんだろうと、やってみる価値はある。

 短い沈黙の後、小さな溜息が聞こえた気がした。


『――上に降りる、衝撃に備えろ!』


『えっ、なんですか――とぁ!?』


 ファティマの視界には入っていなかったのかもしれない。アランが早口にそう告げた直後、不思議そうな声はガァンと鳴った天井によって掻き消された。

 タマクシゲ全体に走った衝撃に、隣でポラリスが歯を食いしばる。リタイが切れなかったのは、彼女の努力によるものだろう。


「大丈夫?」


「えへへ、まだまだ……!」


『も、もー! ビックリするじゃないですか! 降りてくるならもっと早く言ってくださいよ!』


『文句ならシューニャに言え。それで、どうする?』


 深く息を吸って吐く。

 急ぐあまり、ファティマには驚かせたことを後で謝っておかねばならないが、代償がそれだけだと考えれば儲けものだ。

 希少な時間を無駄にする訳にはいかない。


「のるふぇんのえーてるキカンを止めて」


『正気か? ただでさえ出力が上がらない状態なんだぞ。ここで停止したら再起動できるかも――』


「止めるの! 今すぐ!」


『ッ……えぇい、どうなっても知らないからな!』


 怒鳴り声など出したのは、一体いつ振りだろう。喉の奥にこびり付く焼けたような感覚を懐かしく思っていれば、アランはムセンの向こうでやけくそ気味にそう言い捨てた。

 エクシアンやミクスチャに大きな影響を与えるえーてるという謎の力。反帝国連合軍と私たちの間にある違い。

 思い付きの根拠などその2つしかないが、決して分の悪い賭けじゃないはず。


『アポロニア、全力で攻撃を! 狙いは適当、タマも撃ち切ってしまっていい!』


『りょ、了解ッス!』


 言うが早いか、アポロニアはとりがを握りこんだのだろう。さっきよりもずっと早い調子でドドドドと声を上げ、大雑把につけた狙いのせいか白い火花をあちこちで飛び散らせた。

 雨のような猛攻にあんのうんが溶けて縮こまり、恐れるように僅かに後ずさる。


 ――今!


 小さなすいっちとやらを押し込めば、えーてるキカンの喧しい唸りが消えていき、息を合わせるようにタマクシゲ自身も停止した。

 想像が正しければこれが最善のはず。当然、周りは叫び声に包まれたが。


「えええええええっ!? シューナなにしてるの、なんでとめちゃったのぉ!?」


「あの一瞬で離せる距離はこれが限界。試すなら今しかない」


『この女、気は確かか……?』


『な、なぁにを呑気なこと言ってるッスか!? 早く逃げないと向こうは待ってくれな――ぁ、れ?』


『……待ってくれてる、みたいですね』


 ファティマの声に後ろを見れば、あんのうんは縮んだまま、先ほどまでのように押し寄せてこようとはしない。

 やっぱりそうだと、私は仮定を確証に切り替えた。


「やっぱり、アレが追いかけていたのは。それもできるだけ近くにあるものを求めているらしい。だからヒスイと私たちにだけ反応して、反帝国連合軍はあまり追いかけなかった」


『で、でも、最初は誰彼無しに襲ってたッス、よね?』


「最初に人を飲み込んでいたのは、イーサセラから力を吸収して大きくなっていくだったのかもしれない。あるいは、潤沢な食べ物が無くなったから、動きを最小限にして効率のいい供給源だけを狙っているのかも」


 あくまで全て仮説に過ぎない。だが、私たちが静かにしていれば、赤い液体は先ほどまでの勢いを反転させ、ズルズルと動き出した。


「さがってく……? あ、ピン! ピンがちゃんとこおりなおしたよ! なんで!?」


「くうかんえーてるのうど? というのが関係しているのかもしれない。少しずつ、数字が上昇している」


『こうも簡単に、奴の狙いを翡翠に変えさせるとは……アンタ、本当に凄いんだな。さっきの仮説も、前に御大が言ってた、ミクスチャが人種だけを食わない理由にそっくりだ』


 まさかアランから褒められるとは思っていなかったために、少しだけ照れ臭く思えたのも束の間。後に続いた衝撃的過ぎる発言内容に、私はつい前のめりになった。


「理由がわかったというの? 本当に?」


『ああ。なんでも現代の人種は、動物よりも相当高いエヰテル汚染耐性を持っていて、エヰテルへと分解できないから殺すだけで食べようとしないそうだ』


『でもあのぐにょぐにょ、さっき普通に人を溶かしてましたよ?』


「普通のミクスチャじゃないからこそ、分解もやってやれないことはない、という感じなのかもしれない。例えばその――私たちだって、好きな方を食べていいと言ってパンと石を出されたら、普通はパンを選ぶ。石が手指に噛みついてくるなら、なおさら」


 人の基準に過ぎない考え方が、ミクスチャ以上の化物に通用するかはわからない。だが、今までの動きを思い出すと、生物という枠から極端に外れているということはないように思う。

 それをファティマに噛み砕いて伝えようとして、自分の割には中々わかりやすい表現ができたと思っていれば、何故か彼女ではなくアランがほぉと感心したような声を出した。


『面白い例えをするんだな。マキナがパンだとすれば、隊長は大暴れするご馳走に映ってるだろう。あの人は俺の父と同じで、動物よりも遥かにエヰテル汚染耐性が低い父と同じ神代人だ』


「なるほど、それで反応に差が……待って」


 現代においては圧倒的と言える叡智を誇った研究者と、長く共に過ごしていただけのことはるのだろう。彼の知識からはキョウイチたちに近いものが感じられ、驚かされることが多い。今もそうだ。

 しかし、自分の知識や発想と結びついた想像は、一瞬にして私から体温を奪っていった。


「だとしたら、キョウイチが逃げるための方法が、ない……!」


 息を呑む音。張り詰める空気。

 そんな中、ガリ、とムセンが音を立てた。


『玉匣聞こえるか? こちらダマル、集合予定地点手前に到着した。できる限り急ぎで合流してもらいてぇんだが――あれ、通じてねぇのか? おーい?』

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