指輪の似合わない手

指輪って憧れだった


昔観た映画で

女優さんか華やかな指輪をしていて

その大振りな宝石のリングが

とても似合ってて素敵でうっとりした


だけどわたしの手は

ぷっくりした指で指輪が似合わない

宝石にあまり興味はないけど

硝子の美しい指輪は好きなのに


大振りの石のものは似合わないから

せめてもといつもは細めの銀の指輪

それからこっそりと丸い硝子のを

ウチで密かにつけて楽しむ


ああ、あの細く長い指、美しい手

あの手だから似合う華やかな指輪

我が手を見ては溜息

指輪の似合わない手


だけど、この手がわたしの相棒

ずっと、わたしを助けてくれた

指輪の似合わない手だけど

好きだよ


わたしの手

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