第6話 山賊の襲撃

「シャロ! ブラウン! 大変よ!」


道の向こうから、大声を出しながら、人がやってきます。

弓を持った、狩人のような恰好をした女性です。私と同じくらいの年齢でしょうか。ひどくあわててます。

もしかして自警団の人なのでしょうか。


「どうしたの、ハンナ!」


「山賊よ。山賊が、村の北のほうに現れたの」


「なんですって!」


シャロさんは驚いたあと、険しい表情で、ノエルさんに言います。


「ノエル! 槍を返してちょうだい。

 ブラウン! 一緒に山賊を追い払いましょう! ついてきて!」


シャロさんはノエルさんから槍を受け取ると、ハンナさんに問います。


「ジョゼットはどうしたの? たしかハンナと一緒に巡回してたわよね」


「山賊の足止めをしているわ。山賊の人数が少ないから、

 1人で十分だって、ずいぶんはりきってたけど、

 私、とても不安よ」


「そう。何が起こるかわからないから、急いだほうがいいわね」


「シャロさん! 私もついていきます!」


私も立候補します。


「いいけど、自分の身は自分で守るのよ。ほら、これでも持っておいて」


そう言って、シャロさんはナイフを私に預けます。


「わかりました。じゃあさっそく、山賊たちを倒しにいきましょう!」


これより、私クリムは、初の軍師としての仕事を行います。

槍を持ったシャロさん、斧を持ったブラウンさん、弓の使い手であるハンナさん。

この3人をうまく戦わせ、誰一人死ぬことなく、勝利することが目的です。


いざ、戦場へ!

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