第75話 AIに囲まれた世界~サファイア様の対策

『良い質問ですねぇ?私が何も対策を練らないとでも?』

『もしかして、対策を練っていたのですか?』

『そりゃ対策はしたわぁ。私は本城寺 司でもあったでしょ?本城寺財閥は世界に福祉施設を経営していたでしょ?生活困窮者や障害者、母子家庭、高齢者など多くの人を助けたでしょ?』

『もしかして、地底帝国にいるのですか?』

『違うわよぉ。残念だけど流石に助ける事は出来なかったわぁ。』

『えぇ?対策を練ったのでないのですか…』

『これを見てもらっていいかしら?』

『これは?』

『これはねぇ…死ぬ直前に採取したDNAとAIカプセルよぉ。』

『そうよぉ。人類は滅亡しても人工的に人類を蘇えさせる事が出来るのよぉ。すでに、植物や動物などは人工的に作りあげたわぁ。地下に植物園、動物園、水族館などがあるわぁ。ちなみにミニチュアになっているからねぇ。』

『えぇ?そんな技術があるのですか?』

『そうよぉ。最近では、食べ物もこの小さなカプセル一粒で1週間はお腹が空かないわぁ。』

『そうなんですか…。』

『だからねぇ…すべての物がミニチュアサイズで大丈夫なのよぉ。とはいえ、これから人工的に人類を復活させれば昔のようにサイズを調整するけどねぇ。では、早速、見に行きましょう。』

『そんな事が本当に出来るのかしら?信じられわぁ。』

『はい、はい、まずはこちらにどうぞぉ?』

『ここは、動物や植物などが楽しく住んでいるわぁ。』

『何かしら、歩いているわねぇ?えぇ?ダンスを始めたわぁ…』

『どうも、どうも、こんにちは。私はチューリップの香山 さやかです。』

『えぇ、どういう事ですか?』

『そうねぇ…夢を叶えたと言っても良いかしら、彼女は昔は病気で寝たきりだったのよぉ。彼女は病院のベッドでお見舞いのチューリップと会話をする事が唯一の楽しみだったのぉ。たまには、外に出て、思いっきり空気を吸いたかったけど核汚染とコロナウイルスで外には行けなかったわぁ。その後、彼女は10歳になる前に亡くなったわぁ。唯一の友達であるチューリップに見守られて…』

『ちょっと、ちょっと、家族はいなかったのですか…母親や父親は?』

『父親は戦争で戦死して、母親は核汚染が広まって症状が悪化して、3才になる前に亡くなったわぁ。その後、私の施設である養護施設に入所されてきたわぁ。私達も色々な事を話をしながら、彼女に声をかけたけど…いつも口にする事は『死にたい。』だったわぁ。5歳になる頃に核汚染と肝機能の合併症による肝機能核分裂合併症という不治の病になったわぁ。』

『えぇ?何ですか…肝機能核分裂合併症って?』

『この病気は核汚染により、肝機能を破壊する病気で新しい病気として全世界で広まった病気よぉ。コロナウイルスが発症源ともいわれるけど…今、解っている事は核汚染によりコロナウイルス増強して体内に入った事にあらゆる機能を破壊するという事よぉ。血液から感染すれば心機能核分裂合併症になるらしいわぁ。未だに特定はされないけど5歳以下の子供に発症し5年以内になくなる病気よぉ。』

『そうなんですか…。すごい病気ですねぇ。』

『そうねぇ…確かに、そうかも知れないけど…きっかけは人間が作った事よぉ。どの時代も犠牲になるのは弱い子供や老人達なのよぉ。でも、私はもともとは人魚で月の住民だから何も言えないけど…私達の星も地球と同じ歴史だったとは聞いているわぁ。』

『でぇ、どうなったのですか?』

『先程も話をしたけど…核汚染やコロナウイルスの関係で外には出れなかったわぁ。お見舞いにすら行けなかったわぁ。だからねぇ、チューリップの花を送ったわぁ。私は核汚染もコロナウイルスも関係ないから、さり気なく病院に忍び込んだわぁ。時々、私はチューリップに入り込んで話をしたり、これからの事を聞き出したわぁ。

でもねぇ…次第に病状が悪化してしゃべる事が出来なくなったから、夢の中に忍び込んで彼女の願いを聞いたら…

『生まれ変われるなら…チューリップになりたい。チューリップに足をつけてねぇ…ダンスしたり、喋ったりしたい。殺し合いをする人間にはなりたくない。』って…。

夢の中で伝えたわぁ。

『あなたには人間として愛を感じて欲しい。好きな人と家庭を気付いて欲しい。』と伝えたわぁ。』

でもねぇ…彼女は最後まで聞き入れる事なく亡くなったわぁ。』

『そうだったんだぁ。聞いてみたらどうですか?』

『私は出来ないわぁ…』

『ねぇ、ねぇ、チューリップの香山さん、幸せですか?』

『もう、私は幸せですよぉ。サファイア様のおかげで平和で色々な夢を実現したこの世界にいる事が幸せですよぉ。チューリップと人間が幸せになれる夢が叶った世界で幸せですよぉ。それに、サファイア様のおかげ見た目は人間ですけど…頭にはチューリップの花を付けてくれてうれしいのぉ。植物だから蜂さんなどに蜜を与える事も出来るし、それに昔は出来なかった色々な場所に行けるから色々な植物と話をしたり、最近では…お付き合いしている菊の月影 公平さんがいますから…幸せですよぉ。』

『ほらぁ、さやか行くぞぉ!』

『ちょっと、待って公平さん。』

『痛ぁ。』

『もう、ドジだなぁ。』

『もう、ひどい。そんな事言うなんてぇ…』

『冗談だよぉ。怒った顔も可愛いなぁ。』

『あぁ、サファイア様有難うございます。これからも私達のような幸せの為に頑張って下さい。ここにいる仲間為は誰一人として恨んでいる植物や動物はいませんよぉ。それに、私は菊ですが…頭を切られて酢醤油で食べらる事もありません。今は、このカプセルのおかげで弱肉強食の世界もなくなり、知能も得る事が出来ました。それにサファイア様が人口を調整して頂いおり、話し合いの元、子孫を残す事が出来ているので助かっております。』

『えぇ?そう何ですか…』

『それって、どうなんですか?』


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