第62話 AIに囲まれた世界~いったい何が起こっている?

『先輩、今日の臨時ニュース見ましたか?』 

『いやぁ、ビックリだよぉ。突然の大学解体と統合による新しい大学制度。今までも受験などはなくAIによる割り振り制度で大学は近隣の大学から選べてなおかつ学費は無料だったけど大学解体に踏み込むとはなぁ。でも、全寮制などから少しづつ変な違和感を感じてはいたけど…それにすでに大学の解体が始まっているから驚きだよなぁ。』

『それだけじゃないわよぉ。すでに全国民を対象にAIの選別とIQ診断などを始めたらしいですよぉ。とはいえ、国家資格を持っている人は免除されましたけど…』

『本当にビックリだよねぇ?家庭を持っていようがいなくてもAIによる選別では関係なく大学までの知識を得るのは当たり前になったからなぁ。大人の子供化やゲーム依存症やSNSにはまる大人が多くなった事により自分勝手な大人が増えたのが原因だけどなぁ…。それにしても強制的に勉強させたり、ここまで急ぐのには何か隠しているかもなぁ?いったい何が起こっている?』

『そんな事はないですよぉ。あのイケメンな大塚首相は先駆者ですから、腐った大人や官僚を排除したいからですよぉ。それに、今はAIのおかげで大学全入時代学費免除から新しい一歩を踏み出してより専門的に海外も視野に入れた大学を模索した結果ですって!それに全世界の大学に行けるチャンスって素敵ですよねぇ?でも、家庭がある人には突然だから残酷ですけど…。それでも、誰もが幸せになるには多少の犠牲も必要ですよねぇ?それにしも、政府もベーシックインカムを導入してなおかつ、衣食住に学費や渡航費なども準備するとは大胆ですよねぇ?しかも、海外旅行も無料ですからねぇ。エリア1の特権階級はねぇ。』

『確かになぁ…。すごいよなぁ。しかし、やっとだなぁ。東証に関しては海外からの投資家が70%以上なのに…大学は違うからなぁ。寧ろ、海外の留学生が70%を占めていてもおかしくはないものなぁ。』

『ですよぉ。今でも、この国の割合が7割以上の大学が多いし日本語以外しか話せないのも違うなぁ…って思っていましたからねぇ?そうそう、すでに、各地のエリアの大学に全国民が分散されたらしいですよぉ。』

『えぇ?マジかぁ。知らなかったなぁ。このエリアは?』

『ここはエリア1らしいですけど…それも特権階級ですよぉ。海外旅行も無料ですよぉ。何でもIQ850点以上で秘密結社が選んだ人しか入れない地域だとかですでに壁が建設されていますよぉ。』

『おいおい、大丈夫なのか?俺達は場違いな住民ではないのか?』

『大丈夫みたいですよぉ…何でも手相を見にきて。両手に神秘十字星と左手に仏の目があるらしくて免除されてカードを渡されました。なんでもすべてが無料らしいとか…あぁ、そう言えば先輩の分もありますよぉ。』

『えぇ?マジかぁ。あり得ないなぁ。急にVIP対応になるとは…』

『ですねぇ…なんか、不思議ですねぇ?それから、私達にはマンション与えられて仕事以外は運転手付きのリムジンが送迎されるみたいです。食事はホテルで1流シェフが作ってくれるようですよぉ。』

『はぁ?ですよぉ。って驚かないのかぁ…?』

『最初は驚きましたけど…この国は長くないのかも知れないなぁ…って感じたら開き直ってしまいました。又、国家資格取得最低賃金法も可決されて、税金35%上乗せされた金額を昼間働く正社員は27万円以上、夜勤をやる正社員には37万円以上の保障を行う事が出来ない民間企業などは国営企業になるみたい。その為、介護や調理などの求人に応募が殺到しているみたいですよぉ。』

『へぇ、そうなんだぁ…。』

『まぁ、そのおかげもあって、ネオ東京より遥か遠いエリア8(九州、沖縄、北海道、東北)に仕事を求めていったみたいよぉ。これも、ネオ東京近郊に入れない為みたい。海外から優秀な人を囲い込む事も狙いみたいだけど…。とはいえ、アンドロイドやロボットの普及により、夜勤専従はいなくなるけど…。37万円以上に目が眩む国民はすごいけど…現実は大変そうだなぁ。たぶん、正社員にはなれないのになぁ。寧ろ、大学に入ってベーシックインカムで12万円補助が出る方が得だと気付かないだろうけどなぁ。』

『だろうなぁ。衣食住も補助されているから寧ろ贅沢出来るのになぁ。勉強してお金を貰える方が得だと気付いていないのかもなぁ。』


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