百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.8-33 誕生日会の二次会と、ドリームチームトーナメントと……。 scene.9 上
Act.8-33 誕生日会の二次会と、ドリームチームトーナメントと……。 scene.9 上
<三人称全知視点>
リスティナ率いるパーティはホーリィを含めて全員が暗殺者で、更にホーリィを除けばラピスラズリ公爵家の戦闘使用人で構成されている。
リスティナ自身は先代の公爵家の人間のため、一部のメンバーとは五年前ほどまでは合流が無かったが、五年前のルヴェリオス帝国の一件の後に先代公爵家が拠点としていたマラキア共和国からブライトネス王国に引き上げてきたため、先代公爵家と今代公爵家の交流は以前よりも増えている。
……まあ、実際はローザが
そのため、今回の指揮官にリスティナが選ばれても指揮を取ること自体は問題が無かった。
早速各個撃破で暗殺対象を仕留めてポイントを稼いでいこうと、自身が戦闘に加わりたい気持ちを押し込めて指揮を出そうとした時、斥候に行っていたカッペから予想外の報告が届いた。
「大奥様、敵は真っ直ぐこちらに向かってきています。メンバーは……海賊風の女一人、海賊風の女が抱えるペンギン一匹、巨大なかき氷風のゴーレム一体、陸上を跳ねるように回転しながら進んでくるシャチっぽいもの一匹、大きな蛙一匹、そして橙色の髪の魔女風の女一人です」
「ローザはわたくし達の相手はNPCチャレンジクラスチームだと言っていたわね。……他に人影は無かったかしら?」
「いえ、その六人以外は見気で確認しても見当たりませんでした」
「最大十一人のパーティが出場しているトーナメントに六人だけ……それだけで十分だと思っているのかしら? それとも、その六人が物凄い強さを持っているということかしら? ……しかし、六人が固まっているというのは面倒ね」
相手の実力か分からない状況で、敵が六人固まっているところに攻撃を仕掛けるというのはあまりにも無謀だ。
「あの……実際に僕が偵察に行ってこようか?」
リスティナも含め、まずは誰かが情報収集をしてこなくては作戦の立てようがないとは思っていた。
ホーリィの提案はまさに渡りに船だった。
「そうね、お願いできるかしら? ホーリィさん」
「でも、僕の死を無駄死にして欲しくないからしっかりと糧にしてね」
「勿論よ」
リスティナはカッペとフェイトーンを情報収集役として派遣し、ホーリィに同行させると、本陣を更に後退させた。
この戦いの鍵はいかに情報を集めて作戦を立てるかということにある。その作戦を立てる時間を稼ぐために、リスティナは本陣を後退させて物理的に距離を取ることが最善だと判断したのだ。
◆
全く表情も変えず、ただ淡々と呼吸音すら無く僅かな足音だけをさせて着実に距離を詰めてくる女海賊達。
LV:99,999
HP:300,000(+310,000(+310,000(+320,000(+330,000
MP:400,000(+410,000(+410,000(+420,000(+430,000
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▼
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▼
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▼
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▼
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▼
その正体は百合薗グループの全女性使用人を統括しているメイド統括にして、「探偵子爵」の異名で知られた
現実世界では戦う術を持ち合わせない一般人枠(ヘリコプターによるサポートなどは行うので一般人というよりもサポート要員というのが適切かもしれない)だが、『Eternal Fairytale On-line』では恐ろしい存在として知られている。
彼女――Delphinium自身は大した戦闘力は持ち合わせていない。
確かに両手両足合わせて二十本の指に入るほどの実力者だが、『白百合の楽園』には戦闘系ギルドの上位ギルドのマスタークラスの実力者がゴロゴロしているので、その中では埋もれてしまう強さしかないのだ。
だが、彼女には無類の愛と金を注ぎ、育てたい従魔達がいる。
その全てが比較的初期のフィールドの魔物ばかりなので、一見すると弱そうに見えるが、その先入観こそが罠なのである。侮れば一巻の終わり、仮に侮らなかったとしてもオーバーハンドレッドレイドボスを連れてきて勝てるかどうか分からない強敵。
その強敵相手にたった一人で立ち向かわなければならないホーリィは、未だその深刻さを本当の意味で理解してはいなかった。
「
無属性障壁魔法を展開し、更に武装闘気を『蒼焔大鎌-焔獄-』に纏わせて巨大な蒼焔の火球を火が弱点だと思われるシャーベットデザートゴーレムに放つ……が。
「全く、効いていない!?」
蒼焔を浴びてなお全くダメージを受けた様子のないシャーベットのゴーレムは一歩一歩着実に近づき……。
その瞬間――ハッキングオルカが跳ねて、ホーリィのバリアが一瞬明滅した。
そして、ゴーレムが強烈なパンチを放ってくる。
その一撃はホーリィのバリアをいとも容易く打ち砕き、付随効果の空腹を感じる間も無くホーリィの目の前は真っ黒になった。
「……これは、全く参考にならないですね。なんだったのでしょうね、あれは? バリアが明滅したということは、何かしらバリアに干渉する力なのでしょうが」
「とりあえず、可能性も含めて一旦本陣に戻ってリスティナ様に伝えましょう」
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