第169話 失敗作
今度の患者は倉橋愛衣13歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
倉橋愛衣:父親に「失敗作」と言われました。それを聞いていた母親も否定をしませんでした。辛いことがあっても頑張って今まで生きてきたのにそんな風に言われてショックでした。母親も否定をしなくて、みんなそう思っているのかな、と思ってしまいます。図々しいとは思いますが、元気付けてほしいです。
渋沢吾郎:私は、あなたを認めていますよ。
倉橋愛衣:本当ですか?
渋沢吾郎:学校の先生もわかってもらえないんですか?
倉橋愛衣:そうみたいです。でも、「失敗作」はひどすぎじゃありませんか?
渋沢吾郎:若いうちは何でもやればできる時期です。私が全力で支えます。あなたのお父さんは恐らく、成績表しか見ていないのでしょう。あなたは、まだ13歳何でもできる時期です。私ができることは何でもするので、何でもできるようになって親を見返してやりましょう。
倉橋愛衣:なんかやる気が出てきました。私、親を見返してやります。
渋沢吾郎:では、成績をよくするには勉強法があります。読んで覚えられないのであれば、書いて覚えましょう。私の経営する塾に来ますか?
倉橋愛衣:商売上手ですね。でも、先生の塾なら成績が上がる気がします。
渋沢吾郎:成績が上がる思ってもらえると嬉しいです。私の塾に来ますか?
倉橋愛衣:はい。
渋沢吾郎:じゃあ、明日から来てくださいね。
倉橋愛衣:はい。ありがとうございました。
そして夜、吾郎と清子は話した。
渋沢清子:あなたって、人をやる気にさせる天才だよね。
渋沢吾郎:中学生なら誰かが背中を押してあげなきゃな。
渋沢清子:でも、わたしとのH をやる気にさせる天才でもあるよね。
渋沢吾郎:どの辺が?
渋沢清子:テクニック。
渋沢吾郎:じゃあ、今日も俺のテクニックを受けてみる?
渋沢清子:テクニックじゃなくクリニックの間違いなんじゃない?
渋沢吾郎:うまいことを言うなあ。座布団1枚って座布団がないから清子の肉布団1枚。
渋沢清子:今の表現微妙。
と、今日も吾郎と清子は楽しく過ごしていました。
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